見出し画像

ゆずの新卒VCの13週間目。〜エンタメへの見解と、私のやり方は何か?のこと〜

今村柚巴、新卒でVCとしての勤めてます。週報という形で自分にとっての学びなぞを描いていきたいと思います。

6月24日(月) 77日目

先日、東京鮨アカデミーにいってきました。

東京すしアカデミーとは、すし職人になりたい人が本来何年もかけて修行をするところを2ヶ月やら1年やらで特訓して、職人としてデビューさせる教室です。

で、このアカデミーが実際の店舗を持ってて(2店舗)、そこでは4000円で2時間食べ放題。寿司を握るのは受講生の最後の方の職人。

学費がもうべらっぼうに高い(70まんえんからひゃくまんえん。。)のですが、なんやかんやと受講者は多いこの講座。受講生としてはすし職人として海外でデビューすればかなり高額収入が手に入る(場所ややり方にもよるが1000万円いくらしい)ので、回収できる。アカデミーとしては高額な学費を払ってくれるし、最終的に安価で店の運営ができるという仕組みです。

ここに偵察しにいってみたい!ということで先日行ってきたのですが

すし

寿司だけじゃなくてスイーツや味噌汁、お惣菜も食べ放題なんですね。(すしは電子オーダー、ほかはセルフサービス)

起業家といったのですがウニだけを単体20巻とか頼み出してやはり起業家は本当に狂ってるんかな?と思いながら過ごしてました。

私はココナラという会社が好きなのですが(推してる社員の方が多い)、ココナラが大きく売り上がったのも占いをビジネス化したからということはスタートアップ界では1年生教科書20ページ目とかに書いてあるレベルで有名なのですが。

みんなこれ見て〜

原理は近いなと思ってて。占いも寿司職人も、ある種みんなが憧れる職種。アイドルの養成所も同じです。
いつか大成できるかも、とか、スキを仕事にしたい、という人は薄給だろうがむしろお金を払おうがやるんです。そのスキを。

だから未経験SESやフリーランス/ノマド養成講座という概念が出てくるんですよね

ただその中でも、「どれくらいなりたい人がいるんだっけ」的なことと、「その人たちの囲い方ってこれでいいんだっけ」という点が活かしきれているかがカギになると思います。
私は元々旅人だったので、フリーランス/ノマド養成講座系との関わりがありました。

田舎フリーランス養成講座(現名・ワークキャリア)という、地方に1ヶ月間合宿しながらフリーランス講座を受けよう的な事業。これの創業は2016年。東日本大震災の後、ちょうど地域移住やゲストハウス、地域おこし協力隊などが話題になっていた頃に立ち上がり始めています

海外ノマドとして働こう、というテーマのノマドニアは2020年の10月創業。コロナがきっかけに「ノマド」「働く場を選ばない」「海外移住」等がキーワードとして上がった時代に立ち上がりました。
こちらはジョージア、バリ島などの海外の国で1ヶ月間ブートキャンプをします。

余談:因みに私はこの創業メンバーのKOHさんと、ウクライナ戦争ボランティアをしに行って、ポーランド国境で車をぶん回してました(懐かしい)

まあ自分語りはどうでも良くって。結論上記2つの講座も「地方移住が流行してる時に/ノマドブームがきている時に」「わざわざ現地で暮らす体験をセットに」講座を開いていたから受講者がいるわけで。

ステージ的に用意してあげることが大事なんだと思います。それが鮨アカデミーの場合は実店舗なんでしょう。お客さんに出せるよ、って嬉しいよね。

これらどちらも「オンラインで完結!」とかでない理由がそこにあるんです。それでは勝ちきれない。実店舗がある必要性を感じてますね

6月25日(火) 78日目

とまあそんな寿司屋、たまたま木下さんが誘った上島さんが、SVが運営するコワーキング、nextbaseに常駐する守護神になりました(そういう概念があるんです)

ずっといるwith荒波参加者の黒田くん

上島さんは元々webtoonの会社、ソラジマにいらしておりました。(その後転職→今はフリー)

今村がアホすぎて、「webtoonって電子マンガのことですよね?」と聞いてしまったのですがマジでわかってないと。ちゃんとレクチャーを受けたので吐き出してみようと思います。

そもそもwebtoonは韓国のカルチャー(そもそもwebtoonという概念がしっかりしているので、商標的にもなっている)で、大きく
①縦読み特化である
②待てば無料

という点が特徴です

日本のサービスだとピッコマ、LINEマンガ、シーモアなどいろいろなマンガサービスがありますが、

シーモアの画面

この中のいわゆる「出版社が発行しているマンガが電子版になってる」的なものはwebtoonとはいえず

webオリジナルの、ここの画面で言うとTOONの文字が入っているものがwebtoonになります(トリコは違うね)

で、さっき
①縦読み特化である
②待てば無料(課金あり)
のことを書きましたがこの中の②が重要。

通常のマンガ作品だと、キャラクターに惚れたり、次の物語の進行を追ったりという目的で購入することが多いのですが(何度も読み返したり)、webtoonはどっちかというと「今すぐ読みたい!展開知りたい!」といった脳汁で課金をさせるという傾向があります。

マンガをご飯と例えると究極のファストフードですね。マックみたいな感じ。もう、中毒性で買ってるんです。今すぐ続きを知ってスッキリしたい!=どうしようもなく食べたい!的な。

だから結構ストーリーもわかりやすく(水戸黄門スタイル)、いじめられっ子のヒロインが違う世界で王子様に見染められるとか、不倫されてたサレ女が倒してスッキリ!とか、そういう感じのが多いです。

この辺まで読んでて気づいた人も多そうですが、購買者は女性がメイン。ここがかなり意外。「電子書籍」だと同じくらいなんですよ。webtoonになると途端に変わる。

そしてべらぼうに絵が綺麗。主人公に自分を投影するイメージですね。

これは昨今のショートドラマも近しいカルチャーが反映されているといえます。BUMPはわかりやすい。不倫ドロドロドラマが多い。(異世界転生モノはやりづらいけど)

ファストフードもですが、個人的にはコンビニの紙コミックやレディースコミック、フランス書院とかも近いなーと思います。(大体不倫だったり官能系だったり激モテしたりしてる)

また、ちゃおやりぼん、少女コミックなどの低年齢層の女性マンガ作品も、「女の子がハーレムになり、ちょっと過激な描写がある」作品(好きです鈴木くん!や今日、恋を始めます(少女コミック)、オレ様キングダム(ちゃお)など、描写がキツかった気がする)はなんだかんだ人気作品になってたりします。

古くからそういう、脳汁と本能で購入するという概念はあるんだろうなと。

電子化によってオンラインとなり、購入もよりしやすくなったことが大きな進歩なんだと思います。女性だと店頭では購入しづらいよね、という感情が電子だと大丈夫になるというか。技術革新と対になってるーーー

まあ今村のこの見解の何倍もある上島さんがネクべにはいるので、ぜひ遊びに来てください

6月26日(水) 79日目

この日、はじめて投資先の株主総会に出席することに。

高年齢(50代など)向けSES事業を行なっているエイジレスの総会でした。

そもそも株主定例報告会(大体どの会社も毎月やってる気がする)と何が違うねん、というひよっひよ知識だったのですが、株主総会は年に一度なんですね(常識です)

エイジレスは去年のスタートアップバスツアーという年末謎企画で訪れた霧だったので、久しぶりに、そして今回はちゃんとメンバーの方と話せて、なるほどなと思う点が多かった。

先日ウタイテ社にはいきましたが、やはり普段絡む投資先は1-10人程度の組織がまだまだ小さいところが多いので、3年やって大きくなっている組織は雰囲気が全然違う。

そもそもエイジレスの幹部陣は元々別のスタートアップにいたメンバーが多く、二回目のスタートアップなのですが木下さんは一社目の頃から関わりがある、とか

元々エイジレスでインターンしてた子がVCに興味を持ってもうすぐインターンで働くらしい、など(Dawn capital)

世界がある程度狭めな中、長く活動することによる人の行き交いがあるのはめちゃ面白いなと思います。(それがしたくてVCになってるので)

私の友達でも、どこかでスタートアップに関わったり映ったりしてくれる人がいたら、ハッピーだなと思うものです(お気軽に連絡してほしい!)

6月27日(木) 60日目

さて、気づけばIVSまであと一週間!

先々週に爆誕させた京都の寺で起業家とVCをマッチングさせ続けるというカオスイベント、寺スクランブル。

これを宣伝するべく「IVSでサイドイベントをする人が集まるサイドイベント」というイベントに行ってきました(この発想、ゴールドラッシュでツルハシを売るムーブすぎてすき)

IVS、気づけば300以上のサイドイベントが企画されてるらしく。もはや本イベントとは?という感じになってきてます

もう異常値やろ。。

一週間前にもなると、色んな人に「IVSに行く価値って何?繋がれんの?」と聞かれるので私なりの見解を話します。

IVSは遊びであり祭りです!!価値を求めていかない方がいいです!!!

いやなんやねーんとおもわれそうですが、ちょっと聞いてください。私は大学でイベント学科に留学し、遊びを研究してた人間なので。どっか行かないで。

IVSは一年前より従来の招待制・高マッチング意識の内容から1万人規模のフェス形式に切り替えを図っています。

実際にそこには畝りがあり、人の性質という点では広がり、所謂マッチング的な意味では難易度は増していると思います。

ただ、それに反して広がりしろができたことにより、誰でも仕掛け人に回ることができるという強みが出てきました。

遊び、ということの本質に「遊びによる効果効能は遊びのルールを作ることそのものにある」という点が言えます(そんな論文を去年書いてた)

この、何かもわからないサイドイベントや、京都の街中を歩けばIVS関連の人に会えるかもしれない、という遊び的な瞬間に巻き込まれることで、所謂垂直的ではない、想定外のことが起こると考えられます。

我らが同期、しゅうとくんの朝ランイベント。160人の参加者が見込まれるらしい(なんだそれは)

その仕掛け人側に回ることこそ一つの楽しみであり、「仕掛け人にまわっていいんだよ」という仕掛けそのものがどのように施されているかを見るとすごいなと思います

#IVS参加表明 というハッシュタグにジェネレータ画像をつけるという、一番簡単な仕掛け側にまわるしかけも

(この辺はまた書くけど!)

なので、遊びと大手を振っていくといいと思います。そして往々にして他の起業家やVC、参加者皆「これは遊びだよね」というある種の共通認識があることにより、一体感や普段であれば突破できない壁の突破につながると私は考えております。

ちなみに!私が今の会社に勤めるきっかけは昨年のIVSのnoteです!!

(癒着はないよ!)

まあそんなイベンター的にも一参加者としてもおもろいIVS、私は寺でピッチをするイベントをひらいておにます!ので!ぜひそこの行くか迷ってるアナタ、遊びに来てください。(ピッチ者は起業家に限られます)

迷ってるアナタはゆずのTwitterにDMするんだ!

6月28日(金) 61日目

この日、先日移転を迎えた投資先、ロビンソンのオフィス移転パーティーに顔をだしてきました

移転する、という節目的なものがあるといろんな人が集まってきていいなと。先にも書きましたが「祭り」にしかないものはあると思います。

その足でついに翌日に迫った荒波の最終詰め。もはや約1ヶ月共に動いた起業家たちの一メッセージ一行動が沁みる。最後の最後まで泊まり込む人や、深夜夜通しでスライドが変化し続ける人。それぞれの本気を横で見ていました。

日は改まって、荒波の最終日。13の起業家が審査員と参加者の前でピッチをします。

どんな内容だったかは以下ツリーにあります。

荒波本体の感想は、また別の人が語れるし語るべきと思うので、私からはVCとしての考えたことを書きます。

今回の最終ピッチ、木下さんほか4名の外部審査員の方がいました。

それぞれピッチの後質疑応答をするのですが、その時の質問がものすごく的確かつめちゃくちゃポジティブ。

JAFCOの坂さんは、全アイデアの既存事業の例をもって差分を見つけさせてくれる。Wのアマンダさんはロブロックスやバーチャルヒューマンなどの、普段触ってないとわからないような領域の知識度が圧倒的。iibaの會澤さんは、起業家としての苦悩が分かった上での質問をかけていて、井上さんの松竹というバックボーンと、「自分にしかできない」という言い切りを信じる姿勢。

皆さん一人一人の言葉から、愛を感じられた。

たぶん、3週間時間を共にし、より思い入れのある起業家に対する質問だからこそ感じ取れたんだと思います。

VCって、起業家よりもその領域に詳しくないような物で、でも上からあーだこーだいう印象があると思うし実際そういうところもある。普段のピッチであれば例え起業家のことを考えてないな!という質問が繰り広げられていたとしても「ふ〜ん」くらいしか思わない。その細かい差分なんて気づけない。

でも、この3週間、起業家が動いて立ち止まって、前に進んでいた様子を見ているからこそ、所謂「重箱の隅を突く」的な質問が来たらモヤっとしたと思うんです。やってみないとわからんくない?みたいな。

実際にそれに向けての想定質問も作ったし

でも、聞いてて(私の視点からは)そんな意地悪な質問はなかった。反対に、ただただワカモノを持ち上げるような甘い場でもなかった。

純粋に、「この質問をすることで起業家が新たなインサイトを得られるだろう」質問ばかりで、最終的には「まあ、やってみ!」と伝える。

リスペクトがあるからこそかけられる言葉。

ふと自分に巻き戻った時。私は起業家にどう対峙できるんだろうか。

多分知らないうちにナンセンスな質問をしたり、わかんないからって匙を投げている瞬間があったと思う。

でも

私は学校の先生でも、お友達でもなく、VCであり。私がせめてできることはきっかけを提供することで。

方法は何を使っても良い。そのぶんできることと目的はぶれちゃいけない。

何が自分ならできる?私ができることってなんだっけ?

荒波が終わった後、たまたまアマンダさんと話していて「自分がやりたいことと会社が求めること、半々にしてみたとき、本当に興味あることって何?」と問われた時、自然と涙が出てきた。

VCに入ると決めた時、人と人が繋がっていく瞬間や場を作って回している時が一番わくわくしていた。それが何より楽しかったから、このままやっていけると思って進路を決めた。「私だから」会ってくれる人も、頼ってくれる人もいたと思う。

確かに今、私はVCとしてはわからないことが多い。仮説を描く力もファイナンスの基礎知識も弱い。

でも、「私なんか」「わかんないから」と言ってたら、「今村柚巴」は誰からも頼ってもらえなくなる。
「私だから」を見つめ直し、それを引き立たせていかないと、数多いるVCの、しかも新卒の、私の介在価値は何になるんだ。

そんなままで起業家に対して「あなたの介在価値は?なぜあなたがやるの?」なんて言えない。

もう一度、切り替え直して、私が本当に何が好きで、何が得意で、何ができるのかを見つめ直そうと。

多分この荒波の期間で一番学ぶモノだったり得るモノだったりがあったのは起業家だと思う。それ以上になんて言えないけど、でも私自身もものすごい学びがあり、何より気付かされることがばかりだった。

1週間の総評

また一週間が当たり前のように始まっていくから、でもこの時の出来事は傷跡のように残っていけたらなと。そう思ったのです。

スタートアップの方!そうでなくても!今村と30分mtgしましょう。↑のURLよりお申し込みください。

SVでは毎週木曜朝8~9時に勉強会を行なっております!是非お越しください。(次回はIVSの後!7月11日(木)予定です)


人生のターニングポイントをこのマップに刻んでいってください〜 https://universityofuniverse.net