ゆずの新卒VCの12週間目。〜職業人としての投資家であるために〜
今村柚巴、新卒でVCとしての勤めてます。週報という形で自分にとっての学びなぞを描いていきたいと思います。
6月17日(月) 72日目
B Dash Campで出会ったJAFCOの西牧さんとご飯を食べてまして。
そこでふと、「最近場所を管理したり(zenly的な)、哲学や死生観をテーマとしたサービスだったりをやりたい人が増えている」のはなんでだろう、と話しました。
個人的には、かなりニッチな層だと思うのです、どれも。だから難しそうだと思う。と伝えたところ、西牧さんが
と。
で、ふと調べてみると例えば直近で日本で哲学が流行していた時代は1960年代。ちょうど戦後に日本が成長を急激に遂げていた時代。その前に戻るとニーチェの時代はダーウィンが「種の起源」を提唱して、世の中の常識的なものが一気にひっくり返されていた時代。
世の中が大きく変化を始めて、今まで信じられたものが信じられないからの流行。
これを、「難しい領域だ」と表現してしまうと安易すぎる。でもこの「哲学」をはじめとした時代に生まれた「産業」は果たして哲学そのものなのか、そこからもう一つ深ぼったことなのか。私はどちらかというと後者だと思う。もう少しリサーチしないと。
こういったインサイトをくれる友人は本当に貴重です。
6月18日(火) 73日目
B Dash Camp 学生スカラシップの歴代参加者を対象とした打ち上げ交流会を開催しました。
開催約一週間前(いつも)に急遽決まり、なんやかんや参加者にDMしまくり(ほぼ全員に)わさわさ開催にまで漕ぎ着けました。
なんとなくゆるっと2時間イベント予定をとってみたものの、木下さんに「ただの交流会にするとダレるよ」と助言いただき、全員の近況報告LT(ライトニングトーク。1-2分でみんなの前で発表する)を行うことに。
そしたら
B Dash Camp学生スカラシップは参加者に交通費などの補助目的に10万円を支給されるのですが、北海道出身の彼女は登記費用に使っているという()
ツイートしたら2万インプあったのですがみんなこういうのが好きなんですね
頑張ってください(←本人のツイッター)
ちゃんと計測してみたのですが、参加者15名のうちB Dash Camp後起業した人が4名、参加者とプロジェクトを開始した人が3名、他にもインターン決定、大学退学してスタートアップジョイン、海外渡航決定など沢山のアップデートがありました。
やはりある程度の人数感を整えつつ、次の動向を定点観測できると、1企画やイベントの及ぼす影響が見られる。だから色んな留学や財団が生まれてるんだと思うのだが、これくらい定点的なコミュニティを生み出すのは大事だな〜
余談ですが、前回の秋より今回の春の方が参加者を減らしていました。(今回は15名)人数を減らすことにより参加者同士がお互いの顔を見れることで勝手にフォローし合い(打ち上げに遠方からきた参加者を家に泊めていたり)、おおけりゃいいもんじゃない、ではないですが、絞る事による化学反応も見られました。また次色んな実験ができると思うのでより洗練させていきたい。
6月19日(水) 74日目
この日は投資先であるAdvancyを経営するロビンソンのオフィスに遊びにいってきました。
ちょうど先月に渋谷の旧オフィスにいったと思ったら移転を決め、オフィスのサイズが10倍になり超綺麗になってた。
以前はこんなにギッチギチだったのに、めちゃ広々に。
よかった!と思いつつですが、
このへんは変わってなくて安心しました。
この大型変化の瞬間を観れるのがいい仕事だな〜と思う。まじで。いつか大きくなった時にこの写真絶対に載せるんだ
ロビンはわけわからないのですが何故か色んな人に期待を受け、なんだかんだ愛される力に長けてるなと思います。握り力って言うんだろうか。応援してます
また、この日の夜にマイネットの上原さんの勉強会に参加しました。
事業の数値を見る時、チャーンレート(失注率)やCAC(顧客獲得単価)を加味した上で正確なバリュエーション(推定時価総額)を算出すること、またその上で上場する時にこの評価額を達成できないとその先の株式価値がつきづらくなる、等を教えて頂き。
まだまだ自分の数値理解の甘さを実感しつつ、上原さんに
「今村さんは創業者としてVCを作っているのでなく、職業人としてVCを選んでいる。職業人としてプロになってね。応援しています」
と仰っていただいたことの意味をぐるぐる考えました。いつまでもひよっこでいられない。早く、プロになりたい。
6月20日(木) 75日目
そんなことを考えながらの朝会はフェムトパートナーズのタカさん。
タカさんって普段のツイートこんな感じ↓で
シンプルにただのツイッタラーなんです!ネタツイッタラー。
いつもTwitterで大喜利をしている様子しか見ないから、めっちゃ絡みやすいのですが。いざ勉強会になるとファイナンスの構造をめちゃめちゃ丁寧に解説してくれました。
タカさんもタカさんで、職業人としてVC(それまではCFO)をしている人で。どんなにネタに走っていても、話しかけ易くても、プロはやっぱりプロ。そこの引き締めは絶対に必要なんだなと、日々思わされます。
◆
この日の夜は、ザ・スタートアップ(旧題:ネット起業!あのバカにやらせてみよう)の出版記念イベントに行ってきました。
どんな本かはざっくり以下のnoteを読みつつ、ていうか本を買ってくれと思うのですが、
90年代のPaypalマフィア(と今村が勝手に言ってる)株式会社リョーマの御三方(今では上場企業の代表や役員陣)
が登壇されて、インターネット年表を振り返ろう!という企画だったのですが。
全参加者がiモードとか90年代のインターネット史のことを鮮明に話してくれるのかなとwktkしている中
めっちゃ現代の話!!
常に過去のことをおいていき、未来のことを見続けワクワクし続けている(真田さんは還暦だそうですがブロックチェーンの会社を最近創業したそう)。これが本気で未来を描く人の姿なんだろうなと。
◆
私は絶対に質問したい!と思っていたので質疑応答コーナーで爆速で手をあげて、「事業相談を受けていて、起業家に対して適当な発言ができなくて不安になってしまう」
と聞いてみたのですが。
「そんなん、わからんもんは『わからんので調べてきます』って言え。不安な顔されながらミーティングするのが一番不安になる。困ってることがあるかを聞き、ダメなものは明るく『全然ダメ』と言い切ってくれる人に相談したいと思うよ」
と言われ。自分ができる今の状態をきちんと開示して学んでいくことが一番大事なんだなと。前のめりでいるのであればそれくらいのメンタリティをもっていかないと、頼り甲斐がない人になってしまうよなーーーー
嘘をつかず、前向きに勉強!できんもんはできん!
6月21日(金) 76日目
さて、先週も描きましたが今週は荒波第二週目のラスト!
そんな日の朝、タイミー上場のニュースが入ってきました。
この日、たまたま木下さんと話してて、
いつだって、私の選んだ仕事はキャピタリストであり起業家が選んだ仕事は起業家。お友達だけど完全な友人ではない。
◆
この言葉を聞いて、「嫌だな」と思う人もいるかもしれないです。友達を金・投資対象だと思ってるのか、的な。
でも。
例えば友達が作っているコーヒー屋さんに行って、「友人だから無料にしてよ」的なコミュニケーションは失礼だなって思います。きっかけは友人としての仲ですが、彼が提供してくれたものには対価があるべきであり。
スタートアップ起業家は、もはや存在そのものが価値になり得ます。それを価値と捉えて投資をするのが我々ベンチャーキャピタリストの仕事。
それならば、365日、起業家と相対する時は、彼らのことを「投資できるか、否か」という目線でみることが必要なのでは。
そんな目線で自分がいないと、起業家/投資家というプロ同士のコミュニケーションではなくなってしまう。
そうふと思ったのです。
◆
この日は荒波参加者のスライドをひたすら手直ししてました。朝の段階ではまじで読めねえ!みたいだったスライド(海外向けに英語で書かれてた)が夜の発表会では綺麗になってて。そんなことが嬉しかった。
私は職業人としてVCを選びました。
次のタイミーを見つけて、掘り起こせるように。今日も起業家の横で仕事ができるように。
1週間の総評
私は職業=VC。甘えたことを言えない。
常に出会う人に投資はどうしたらできるのか?と向き合い、事業の数値ストーリーを想像する。そんな職業人でありたい。
スタートアップの方!そうでなくても!今村と30分mtgしましょう。↑のURLよりお申し込みください。
SVでは毎週木曜朝8~9時に勉強会を行なっております!是非お越しください。(次回は6月27日(木)予定です)