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広島平和記念式典を初めて観ました


1 観るきっかけとこれまで観なかった理由

 前回の記事にも書きましたが、私は最近「人権」にとても興味をもっています。その「人権」が当たり前のように踏みにじられるのが「戦争」です。私は最近3本の戦争に関する映画を観たり、NHKなどが配信している戦争のドキュメンタリーを視聴しました。
 そのため、「平和」ということにももちろん興味が湧きました。そこで、8月6日に行われた広島平和記念式典を観るに至ったのです。

 なぜこれまで観なかったのか。
 それは、無関心だったからです。
 もちろん、8月6日に何が起きたのか、9日は?15日は?と聞かれると答えられます。でもそれは、ただの知識です。知っているだけで、「平和を追求する態度」にまでは至っていなかったのです。そのときの人々の生活や苦しみを知ろうとしたり、その言葉から平和な世界を築いていくヒントを得ようとする態度が、この年齢になるまで育っていなかったのです。
 とてもお恥ずかしい次第です。

2 理解していなかった核兵器不拡散条約の現状

NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議が過去2回続けて最終文書を採択できなかったことは、各国の核兵器を巡る考え方に大きな隔たりがあるという厳しい現実を突き付けています。

広島市長 松井さん「平和宣言」より引用

 この条約も、私は歴史の学習で聞いたことがある程度です。
 調べてみると、この条約には3本の柱があると分かりました。

ア 核不拡散:
 米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。(第1、2、3条)
 (参考)第9条3「この条約の適用上、「核兵器国」とは、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」

 原子力の平和的利用が軍事目的に転用されることを防止するため、非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。

イ 核軍縮:
 締約国が誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。

ウ 原子力の平和的利用:
 原子力の平和的利用は締約国の「奪い得ない権利」と規定(第4条1)。

外務省HP 核兵器不拡散条約(NPT)の概要より引用 

 この条約に批准している国・地域は2020年1月現在、191です。

 この条約は、5年に1度、再検討委員会が行われます。
 しかし、過去2回の委員会では、議長に最終文書(結論のようなもの)が採択されませんでした。

 前回においては、ロシアの反対によってです。

 この結果を受けて、一橋大学 秋山信将教授は次のように述べています。

今回の会議は、ある国家が別の国家に侵略行為を行い、戦争状態にあるという前代未聞の状況の中で開催されました。世界が“核軍拡”へと転じることが懸念される中、もはや失望している余裕はなく、NPTをいかに効果的に運用できるか考えなければなりません

NHK国際ニュースナビより引用

3 まとめ

 私は今回の平和記念式典の中継を観て、新たに知ることが多かったです。核軍縮どころか核軍拡に向かっていることや核兵器不拡散条約の柱などです。

 平和記念式典は、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げる、というのが1つの目的だと思います。

 もう一つは、「平和」についてゆっくり考える機会を作るというのも目的だと思います。
 一人ひとりが真剣に考え、何か少しでも行動に移せば、1人の行動の結果は小さくても、多くの人が集まれば大きな結果につながります。為政者の心を動かすことだってできると思います。

 色々と考えさせてもらえた平和記念式典でした。

4 参考資料

・ 外務省 核兵器不拡散条約について

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/index.html

・ 広島市市長 「平和宣言」全文

・ NHK国際ニュースナビ

・広島平和記念式典


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