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ここにいるから、もうなくさないで。


「もうなくさんといてや」

無愛想に、さりげなく。
そう言って、お姉ちゃんからお母さんへ。
反抗期なりの優しさって、わたしは知ってる。
心配、してるんだよね。



お姉ちゃんが100円で買った小さなわたし。
りん、りん。
お母さんの年齢には不似合いなほど、
ド派手な音がした。
ねこの形をしていて、ちょっと可愛らしすぎる
かもしれない。

でも、嬉しそうに笑って、そっと
自転車のかぎにつけた。



お母さんは、おっちょこちょいだから。
よくものをなくす。



自転車置き場であれ?ないなあ…って
かばんの底やポケットを
あさりまくるなんてしょっちゅう。


今まで2回かぎを特注しているし、
合鍵は3本注文している。


同じところに直したらいいんだよ、なんて
わたしなんかは思うし、
実際娘ちゃんたちにも言われてるでしょ?

でも無造作にポケットとかに
入れちゃうんだよねえ。

わかるような、わからないような。


当然かぎには今までわたしに代わる、
くまの彼がついていた。
彼の金具部分が壊れてしまい、
お母さんが何もつけずにかぎを持ち歩いて
いるのを見かねて
お姉ちゃんがプレゼントしてくれた。

青いねこのわたし。

幸せの青いねこと名乗らせてよ。


りん。しゃらん。
これならもしも落としても気がつくでしょ。



かぎはしっかり守るから、
子どもたちをしっかり守ってあげてよ。


頼んだよ。






今日もお付き合いいただきありがとうございました😊
書く部の「みんなで書こう企画」、
#なりきって書いてみよう 」でした!

実際にあったリアルな話なのは内緒…。
チャリのかぎってなんであんなに
消えちゃうんでしょ。足あるのかな。

靴下の片っぽみたいに。


そんなてんやわんやのわたしの本。🔽

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