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流行りの『FIRE(Financially Independence, Retire Early)』で失う幸福を知っておこう。

どうもこんにちは(こんばんは)トムです。
今回は「30代で月々の生活費より、投資リターンを大きく育てて仕事を早期リタイアする」という生き方について私なりの見解を書きます。

ちなみにこの本↑は大変面白かったのでFIREの勉強としても読み物としてもとてもお勧めです。

中国人著者の生まれの貧乏っぷりが壮絶で、読み始めからめちゃめちゃ面白いです。壮絶な貧乏だからこそ「人生の選択をしくじれない」として、著者はPOTスコアという目から鱗なスコアを算出して「確実にお金持ちになる道」を選択し、30代でFIRE (Financially Independence, Retire Early)に至ります。

この本の面白いところは宝くじが当たったとか大物にスカウトされたとか、そういう偶然や運には一切頼らず、完全に計算して確実に自力でFIRE(資産1億円超)する実話を学べるところです。

ある意味、数字さえ読めれば誰でもお金持ちになれるという希望の著書です。(親が頑張り屋さんだったお陰で著者の選択肢が増えた部分もあるので、そこは運が効いてるところですけども)

●でも、FIREで失うものがある。

そんなFIRE (Financially Independence, Retire Early)という言葉が最近流行っています。

ただ、どうも私はこの流行り出したFIREというライフスタイルに引っかかりを覚えます。だいたいが「極端な節約生活をしながら、お金は全部インデックスファンドに預けて資産1億円とは言わずとも5000万円も貯まれば早期リタイアできる!」というようなことを言っています。

倹約家になることはもちろん良いことなのですが「とにかく早く仕事をやめて楽になりたい」がゴール設定されているだけな気がして、それって本当に良い人生🤔?と私(34歳)は疑問を覚えます。

●ようは『早期年金暮らし』を目指しているだけじゃない?

団塊世代より前の方々は、年金暮らしを夢見て勤め上げていました。また退職時の退職金と、その昔は脱税のためのタンス預金なども貯め込み、60歳まで頑張ってあとは年金と退職金と貯金で悠々自適に暮らそう…というのが幸せな人生設計でした。

人生の荒波を粗方経験し、身体能力や生産性も完全に下り坂を迎えたくらいで引退して旅行したり、遊び始めたり…それならまだわかるのですが、30代という若さでその状態になって何の夢があるんだろう?と私は思います。

そういえば、話は変わりますが年金制度のリターンのデカさはハンパじゃないことを知っていますか?(だから破綻すると言われています)

そもそも世代によっては年金積立せずに年金をもらっていました。

年金制度が始まる頃は若者が圧倒的に多かったので若者が年金を積み立てて、そのお金でお年寄りが年金暮らしをしていました。だから自身は積み立ててないのに老後の生活費がもらえた奇跡の世代が存在します。(とはいえ戦後世代なので、第二次世界大戦を経験し、家族を失ったり、大変な思いをした世代なので…余生は楽に…という意味で制度導入は真っ当なものだったとおもいます)

そして、そんな若者が圧倒的に多いことを利用して始まった年金制度が今も同じシステムで引き継がれているため、若者が圧倒的に少ない現代では年金制度はとっくに破綻していると言われて久しいわけです。

それでもお得…!!ここからササッとザックリ年金制度のリターンを計算してみます!!

・国民年金 月額¥16,540 ×12=年/¥198,480

・厚生年金 給与の9.15%=平均年収400万×9.15%=年/¥366,000

平均年収者の年金の支払い=198480+366000=だいたい56万円

◯年/56万×20歳〜65歳までとして(45年)=約2500万の積立(あくまで企業勤め平均算出)

◯先の表換算すると↑この人は月/13万 年金受給

◯人生100年時代 手前90歳で死ぬとして
  ・月/13万×12(月数)=年/156万
  ・寿命90歳=25年×156万=3900万

◯2500万積立て3900万かえってきます。
(1.56倍 還元)

◯100歳まで生きると5460万かえってきます。
(2.18倍 還元)

とまぁ、ほんとにザックリな計算ですが平均年収で20歳から働くサラリーマンが90歳まで生きて65歳から年金暮らしと考えると掛け金に対して1.56倍になってお金がかえってきます。100歳まで生きると掛け金に対して2.18倍のリターンでかえってきます。

投資商品として年金は非常に優秀な積立ということです。(どうやって払うのかしりませんけどね。ま、破綻するでしょう😊)

●話を戻して…。

つまり年金制度が崩壊さえしなければ、私たちも平均年収以上の稼ぎで65歳を迎えると月々約5万弱の積立が、毎月13万円以上になって手元に返ってくるわけで、年金制度をアテにして年金暮らしを夢見るのはあながちズレた話ではありません。(それまでに貯金も2000万貯めれば、90歳までに年金は約3600万かえってくるので貯金と合わせて5600万円ある計算になります。かなり、困らないですよね)

わたしはハッキリ言って30代でFIREするくらいなら、上記した65歳まで自分らしく駆け抜けていろんな経験をして色んな人脈やスキルを得て、ある程度の老後資金を作って年金暮らしに入っていく未来の方がよほど良い人生かなと思います。もっと言ってしまえば65歳でリタイアしない(働き続ける)とも思います。

とはいえ、もちろん投資はします。

貯金は…金利0なら金庫に入れとくのも銀行に入れとくのも一緒なので、余剰金は証券口座に移して行った方がいいと思っています。(やっぱりインデックス投資強し)

もしくは何かチャレンジしたいことに投資(起業・個人事業化・不動産など)して1000万使って1100万儲かれば金利10%の投資なので銀行に預けておくよりはずっとお金が増えるお金の使い方になります。(とにかく銀行はあなたのお金を増やしません。手数料や金利で削ってきます。)

そういったお金の知識を持つことはとても大切なことです。ただ、それ以上に大切なのは0〜40歳の間しか無駄にも思える努力でスキルや才能を磨くことはできないということです。

●私は一生音楽を作って、奏でて生きたい。

私は人生で絶対に譲れないものは何か?と問われれば音楽です。クラシックギターを弾いているとき。歌を歌っているとき。良い曲が作れたとき。こんなに幸せな気持ちになることは他にないというくらい楽しくて素敵な気持ちになります。

ちょっとずるい言い方をすれば愉悦感も湧いてきます。私は音楽がバッチリできる人生だ♪老後もずっと音楽は極められる♪音楽を切り離さなければ、仕事の一線を退いてもまだまだ仲間が集まり、若い後輩たちにも好かれ、トレンドや時代の変遷を感じながら一生楽しめる人生が獲得できます。

ですが、このスキルは65歳以降に養えるものではありません。膨大な時間と努力を費やさないと音楽は一向に鳴ってくれません。若い頃に採算度外視でプロレベルまで技術と知識を磨けるか?が音楽を生涯楽しめるか?と直結するのです。
お金儲けは年々やりやすくなります。ですが、趣味や才能を育む力は年々なくなっていきます。

幼い頃に憧れたスキルや知識、知性、体験…これらの獲得は若い時に努力した量しか生涯にわたって自分に残りません。

30代でFIREを目指して、お金のことばかり勉強して、お金のことしかゴール設定をせず、ギターも弾けず、歌も満足に歌えず、作詞作曲もできず、ついには家庭も子供も持たず、お金だけを手にしてリタイアして、40代…。

私だったらそこから先はもう内面的な豊かさは何も得られない…得られないわけじゃないかもしれないけれど…若い頃よりずっと吸収力や燃費や情熱が衰えたところから再スタートしなきゃいけない辛い人生…そう思います。
私だったらその人生は「損しかしていない」と感じます。

スキル獲得。人生を豊かにする価値観の醸成。人脈。それらは若い頃ほど育めます。お金儲けはいつでも育めます。年金制度が崩壊しなければただ年金を積み立ててるだけでも65歳以降十分な還元率でお金は戻ってきます。

お金の知識や運用も学ぶべきですが、早期リタイアをゴール設定してそれを若者が目指すというのは、なんだか一番得るものの少ない人生になる気がしてなりません。

例えばスポーツなんていくら頑張ったって10代〜20代の伸び代には敵いません。若い時に頑張らないと身体能力のピークの経験やその後の体質など凡ゆる面で不足から始まります。スポーツは決して「お金儲け」に繋がるスキルではないと思いますが、若いうちに運動することのメリットはどんな運動音痴も中年以降の成人よりは伸び代があり、一番効率的に成長できる時期だからです。

そのようなチャンスが若さには沢山付随しています。

●自分で自分を「面白い人」と思える人物に育てることを早期達成目標にしよう。

FIREして早期リタイアするよりも、自分の人生を最高に豊かにする教養を身につけることを早期達成目標にしたほうが老後(どころか中年後)の後悔は少ないと私は思います。

●でもお金は大事だょ〜

ここまで言っておいてなんではありますが…先のFIREの本を読んだり、YouTubeで両学長のお金の勉強動画見たり、最低限のお金の勉強は必ずしておきましょう。

お金の勉強をしなければいけない理由は「お金持ちになるため」ではありません。大事なのは「騙されないため」です。

例えば未だにケータイ3大キャリアを使っている方(docomo、au、ソフトバンク)で、月3000円以上ケータイ料金を払っている方は騙されている可能性が高いです。

セールだからといって不要な物を山のように買ってしまう方も騙されている可能性が高いですし、お金を全額銀行に貯金している人も騙されている可能性が高い(ていうか騙されてます)です。不動産や株や保険商材を営業マンに口説かれて購入した人も騙されてる可能性が高いです。

割り切って掛け捨てでサービスや商品に手を出すことを否定はしません。価値観は人それぞれです。そんな一挙手一投足ぜんぶ勘定ばかり考えて生きる必要は本当にありません。楽しく生きるべきです。

ただ私やあなたにサービスを売る側は人を騙しているケースがほとんどです。本当に良心的で必要なサービス自体が実は世の中には少ないです。それでも仕事は必要だから、それぞれが生計を立てるために仕方なく嘯いて人を騙して稼ぐしかないカラクリが資本主義にはあります。

できればそんなサービスや商品にはお金を出さない方がいいと思いませんか?そういった騙しのサービスや商品に気付くために必要なスキルは「お金の勉強をする」しかありません。理解したうえで「騙されてもいいや」と手を出せるようになることが掛け捨てをしていい人の条件と私は思います。

●お金の勉強をしてわかったこと。34歳。わたしはもっと「自分磨き」しなきゃ老後、後悔する。

ビジネス的なスキルや金銭的な悩みはもう無い状態…というかこんなもんで十分…あとは働きながらまだまだ養われていくでしょう。でも人生の残り時間を考えたときに音楽スキルや教養レベルは納得行く段階から程遠い…っていうかゴールがそもそもない…やばい、もっとトコトンやらなきゃ…と前職を辞めて今私は打ちひしがれています。

このnoteも世界との向き合い方。人生との向き合い方。人との向き合い方。自分の内面性の充実と成長のために始めました。(収益化はたしょうやるとは思います。ただお金や承認が目的ではないので、人を騙し、嘯いて引き込むような言葉を放つことはありません。)

●お金は大事だけどもっと大切なことがある。

そんなわけで…お金の勉強は大事ですが、早期リタイアは損かと思います。世界って面白い!世の中って深い!人ってほんとに素敵!そんなことに日々気付いて獲得していける時間。それが若さなんじゃないかと思います。

とはいえ若かろうが若くなかろうが、自分の人生を最高にするためのスキル獲得には常々集中してまいりましょう!

私なりの見解でございました。
ここまで読んでくださった方は神様です。神様、ありがとうございました。
お金のことばかりにならず、一番やりたかったことを存分にやることを2022年の目標にされても良いことが多いかと思います。
2022年もより一層充実した素晴らしい一年になることを祈願しております。
それでわ神様(読んでくれた方)に合掌🙏

良いお年を〜!