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僕とはぐくむの、ともに生きる物語ー前編ー

※本記事は、はぐくむ公式HPに掲載したこちらの記事を転記し、前編・後編に分けたものになります。

チェックイン:物語の始まり

チェックイン
場にいる一人ひとりが今、自分が感じていることや想っていることなど、分かち合うことで、互いの状況を把握し、安心感の醸成、参画意識の向上を図るもの

今でこそ、チェックインは界隈だけでなく、ミーティングの中で設けている企業も増えているが、

はぐくむでは創業した2006年から毎日チェックインを重ねてきている。


チェックインの時間が、毎日顔合わせているメンバーから見えている出来事や、微細な心の動きを理解させてくれる。

そうやって1人1人の物語が紡がれるところからはぐくむの毎日は始まってきた。


この16年間、毎日。


僕とはぐくむの、ともに生きる物語を語る上でのチェックインをしていこうと思う。

僕は、はぐくむが創業した2006年当時、大学2年生で、その頃からインターンとして関わっていて、2011年に一人目の社員として入社しているメンバーだ。


今やっている仕事(2022年時点)では、SELF DESIGN事業の中で、LIFE DESIGN SCHOOLやはぐくむコーチングスクールのファシリテーターや、PR・セールスを担っているが、

社員になって11年間様々な仕事をしてきているので、来年にはまた違う仕事をしている可能性は大いにある。


キャラクターとしては、はぐくむメンバーからは、基本ハッピーでお気楽なタイプだとよく言われるし、自分でもそう自覚している笑

年を重ねるごとに、自分の明るい部分や楽観的な部分が増しているように感じる。

ここ数年は、そんなお笑い要素を入れていくのも、僕の役割だと思いながら自分らしく働かさせてもらっている。(だからCOO[Chief Owarai Officer]と自称させてもらった)


僕にとってはぐくむとの物語を語るということは、自分の人生を語ることとほぼ同義だ。

それくらい僕にとってはぐくむは、自分の人生の大部分を占めているし、自分をひかりある場所にいざなってもらった、なくてはならない存在だ。


これからそんな僕とはぐくむの物語を、今まで関わってきてくれた人、そしてこれから出会うであろう人、何より今もまさにともに生きている仲間に感謝の気持ちを込めながら、話していこうと思う。


僕の人生を変えた、はぐくむとの出会い

たけさんとの出会い

僕が初めてたけさんと出会ったのは、2006年の春頃だと記憶している。

当時、大学のサークル仲間だったみや(後のはぐくむインターン初期メンバーの同期)に、とある学生団体のセミナーに誘われ、そこでゲスト講師として登壇していたのがたけさんだった。


当時から成長意欲が高く、何事にも積極的だったみやから、たけさん登壇後、話かけにいこうと言われ、彼が積極的に話しかけているのを、後ろからそっと見ていたのがたけさんとの出会いだ。

(たけさんからは、その当時のことを、みやの後ろで隠れている何か抱えてそうな暗い子、だったと話していて、今もよく笑い話になっている笑)


当時は自分のことを暗いと自覚していなかったけど、振り返ってみると、今の自分からは想像できないくらい、纏ってる雰囲気や根底にある考え方は違っていたと思う。

毎日それなりに楽しかったし、何事も楽しむスタンスは当時からあったものの、自分の未来には希望を見出せていなかったし、自分のことを理解してもらえない苦しさにもがいていた。


自分のことを明らかにできない苦しさとともに生きてきた20歳そこそこの自分は、出会った人を、信用できるかできないか、疑いの目で人を見ていたところがあった。

たけさんと出会った時も、そういう感覚で見ていたのをよく覚えている。存在が大きくて、寛容で、当時の自分にとってはきれいなことを伝えてくれるけど、


果たしてこの人は、信じていい人なのか?


そんな目で見ていた。


そういう自分をよそに、情報感度が高く、当時からコーチングに興味を持っていたみやは、たけさんをサークルの勉強会の講師に呼びたいと相談していた。(サークルは、大学の友だちが立ち上げたキャリアデザインサークルで、みやはその幹部だった)

みやの積極性により、サークル内で、たけさんを講師に招いて、コーチング連続講座が開催された。(現在のはぐくむコーチングスクールの原型だ)
その連続講座では、最後にたけさんからの無料セッションが特典でついていて、当時からチャンスには何でも飛び込んでいく僕は、もちろんセッションをしてもらった。

そこで、たけさんとほぼ初めて1対1で話し、その中で、たけさんからはぐくむという会社を立ち上げたから、一緒に何かできたらいいね、というところからインターン活動が始まることになった。

まだたけさんに対して、"この人は信じていいのか?"という視点はあったけど、勉強会を通じて、この人と一緒にいたら成長できるし、リスペクトしていたみやもやるということで、意気揚々とはぐくむでインターンすることを決めた。

はぐくむインターンの始まり

そこから僕のはぐくむでのインターン生活が始まった。

たけさんとみやと3人で初めて開催したイベント39(サンキュー)
自分がリーダーとして大学卒業まで開催していたカンバセーションカフェ
今もなおはぐくむが大切にしているエッセンスが詰まっているLIFE DESIGN SCHOOL、
4年生の夏、様々な企業に営業し、学生ながらも法人からお金をいただき開催した就カフェ、

本当に様々な経験をさせてもらった。



2007年に初めて開催した39(サンキュー)|たけさんが若い笑

大学2年生の冬から卒業まで続けたインターン生活の2年ちょっとの間で、はぐくむが今もずっと大切にしている対話を、毎週重ねていった。その中で、僕は自分と向き合うことの大切さ、他者と関わっていく豊さを、味わっていった。

自分の物語を生きる決意をしたカミングアウト

自分と向き合った1年間

インターン活動を開始して、半年後LIFE DEIGN SCHOOLを初めて開講した。当時の僕たちはインターンをやりながら、LIFE DESIGN SCHOOL1期生として参加していた。

LIFE DESIGN SCHOOL1期で描いた夢の絵|お気楽族…笑

今は約半年間のプログラムだが、当初は3ヶ月×2回(前期・後期で分かれていた)のプログラムで、プログラムが終わる頃は、インターン活動を始めてから約1年経つタイミングだった。当時のミーティングは、プロジェクトを前に進めるために合意を取り、決めていくというより、それぞれの今の気持ちや感じていることを分かち合っていく対話の時間が圧倒的に多く、その中で自分と向き合い、時に仲間とぶつかりながら、"自分とは何者なのか?""どう生きていきたいのか?"を問われていた1年だった。

たけさんへのカミングアウト

最初は"この人を信じていいのか?"と疑心暗鬼で人を見ていた自分も、1年経った頃には、たけさんのことは信じられる、信じたいという気持ちになっていた。そんなある日、いよいよ僕はたけさんを呼び出して、自分がゲイだということをカミングアウトした。

当時数人の友だちには伝えていたが、社会人の大人に初めてカミングアウトする機会でもあった。時々ミーティングで使っていた、渋谷のLOFTにある2階のカフェ(当時は点心料理が食べられるところだった)で、緊張しながらカミングアウトしたことを覚えている。1年間の中で信頼を寄せていたたけさんであっても、カミングアウトすることはハードルが高く、きっと受け止めてくれるとは思いつつ、"どんな反応をされるだろう?"と不安だった。

しかし、そんな不安を抱えていた僕が肩透かしを食らうほど、たけさんはいつも通り、穏やかな表情で、"うん"とだけ頷くだけだった。カミングアウトした友だちはみんな、その後いろんなことを聴いてくれたけど、たけさんはただただ僕の言葉に耳を傾けてくれた。

今思うとあの時たけさんがただ頷いてくれたから、"この人は僕がゲイとかそうでないとかではなく、ただ存在そのものを受け止めて、見てくれているんだな"と、より一層たけさんを信じる気持ちが深まったんだと思う。

その一件をきっかけに、数週間後LIFE DESIGN SCHOOL最後のクラスでみんなに伝え、その数ヶ月後には家族にもカミングアウトすることになる。(詳しくは、"僕がゲイだとカミングアウトする理由"を読んでいただければ幸いです)


カミングアウトによって起きた変化

たけさん、はぐくむメンバー、そして家族にカミングアウトをすることで、僕は初めて自分の人生を生きられるようになった。それまでは、周りの目を気にし、周りの人や親が期待しているであろう自分の姿を勝手に想像し、それを自ら押し付け生きてきてた。

でもカミングアウトを通じて、自らを縛り付けていた鎖がなくなり、自分の物語を、自分で生きられるようになった。モノクロだった景色が、カラフルな世界に変わるくらい、僕にとって大きな出来事だった。この件をきっかけに、20年間抑えていたものや自分の中に留めていた気持ちががどんどん溢れていき、少しずつ願いを言葉にしていくようになった。

はぐくむインターンを始めた当初、僕はインターンメンバーの中では、仕事ができないキャラで、あるメンバーからよくフィードバックされて、ほとんどのミーティングでは泣いていた笑
でも、カミングアウトをきっかけに、自分の思っていることや感じていることを、外に表現することに躊躇わなくなり、仲間の自分を見る目も確実に変わっていった。

LGBT向けプロジェクトで世界的に有名なフォトグラファーに撮ってもらった写真|モデル気取りです笑

4年生の1年間ははぐくむインターンにより一層力を注いでいき、それに伴い自分の輝きがどんどん増していった。最終的には、ミーティングで泣きっぱなしだった僕が、インターンのリーダー的ポジションとして、精力的に取り組み、プロジェクトを前に進めていくようになった。

後編はこちらから。

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