救われる、報われる、今日

妻に会いました。
ゴールデンウィークに入り、帰省するとのことで
置いてあった荷物の整理も兼ねて
私の家へ来ました。

荷物整理では妻は淡々としていました。
私は目に涙が溜まり、鼻をかむフリをして席を外さざるをえませんでした。

男の女々しいところと女のさっぱりしたところの差かな?
頭では理解しています。
私はこの作業が終わると妻とはいよいよ縁が切れると感じるたびに鼻がツンとしてしまいます。

いよいよ作業が終わり、お茶を淹れて、リビングで一息つきました。

向こうではどう?仕事は慣れた?
体調はどう?少し痩せた?
どんな家に暮らしているの?
うちのリビングも変わったでしょ?
ドライフラワーを飾ってるんだ。
私は途切れないよう話を続けました。


二人で暮らしてた時よりいい家になったね。
妻は言いました。
妻は笑ってましたが泣いていました。

私は感じました。
別居から一年、もう私達は別々に歩き出して
もう交わることはないことを。
それでも今は良い方向に歩みだしたということを。

妻は言いました。
本当に申し訳なく思って、毎日感謝している。
今でもできることなら死にたいと思うことがあるが、あなたへの感謝が支えになっている。
本当にあなたの人生をめちゃくちゃにして申し訳ない。
償いも出来ず申し訳ない。
だから早くわたしと別れて幸せになってほしい。
私はあなたのことを本当に凄い人だと思っている。

私はニ年前、妻にモラハラのような扱いを受けていた。
妻は当時、信頼してくれていた人からの裏切りでメンタルが不安定になり、関わる全てのものを傷付けながら生活をしていました。
そして一年前に自己嫌悪に苛まれ、家を出ていく決断をしました。

時間が少しだけ妻を癒してくれたのかもしれません。
今日、妻は誠心誠意で謝罪と感謝をしてくれました。
本当に勇気が要ることだったと思います。
二人とも涙でボロボロでした。
私は心の内側の凝り固まった部分がほどけていくのを感じました。

嬉しさがあった。
以前の優しい妻が帰ってきた嬉しさ。
やすらぎも感じた。
虐げられていた2年前の自分が「許してあげる」
と言ったような気がした。
さみしさがおそってきた。
それでももう戻れないことを知っているから。


離婚届に署名し、家の鍵を私に渡して、妻は帰っていきました。
今日というタイミングで話し合えたことがよかった。
とてもかなしいけど嬉しい。
お互いが健康と幸せを願って、別れることができた。
夫婦ではなくなるが家族としてのつながりは残ったことが本当に嬉しい。
祝杯をあげたい。


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