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独りになるのが怖い人は次の対象を探すのをやめて自分に自信が持てるように何かを頑張ればいいと思う.

「良い知らせ恐怖症」というものがある.

これは架空の恐怖症などではなく、実在する恐怖症である.

良い知らせを聞くと、次に悪いことが起こる可能性に意識が働いてしまい、恐怖感に襲われたり、体調を崩したりする.

「良いことが起こると、必ず悪いことが起こる」という風に神経質になってしまうのだ.

「孤独」は、良い知らせ恐怖症における「悪いこと」と同じ位置づけかもしれない.
人に囲まれたり、誰かと寄り添うたびに独りになる瞬間を意識してしまうことがあるからだ.


僕は「幸せをつかむ」ということは、同時に不幸や辛い経験を受け入れることだと思っている.

僕には最愛の妻がいるが、やがてどちらかが先にこの世を去るか、同時に去ることで一緒にいられなくなる.

この世を去ったあとでも一緒になれるよう、僕は「あの世」が存在することを心底願っている.


独りであることの寂しさを紛らわせるためか、次から次へとパートナーを交換する人がいる.
皆さんの周りにも、1人ぐらいはいるかもしれない.

僕はその人たちの生き方や選択を否定するつもりはないが、自分の周りにいる人たちを部品のように交換し続けると、あとから大きな孤独感や無力感、喪失感などに襲われることを、ついつい心配してしまう.

見ず知らずの人に対してはそこまでだとしても、1度でも直接会って話したことがある相手の事は、口に出さないにしても、つい心配してしまう.

高校生の時から、妻には「人に優しすぎる」「あらゆるスルースキルを身につけるべきだ」など言われてきたが、僕は全く変化なし.
人のことをいつも気にかけている.


独学ではあるが、僕は心理学や哲学を勉強するとともに、いろんな世代の人たちと交流する機会を持ってきた.

そして生まれ育った場所や時代が違っても、大きな共通点がある人たちは、その要素を構成する理由や原因までもが近いことに気が付いた。

独りになることを極端に避けようとしたり、孤独感を感じたくない人は、単純に「自分に自信がない人」であることが多い.

自分に自信がないことに加え、言ってしまえば、心の底から好きなことや自分が得意とすることがほとんどない事で、「自分を強く認識できない」.

人間の心理や習性として、ある程度人が集まると、全員が無意識のうちに「この人は○○な人」「あの人は▢▢な人」など、その場にいる人のポジションを決めていく.

自分に自信がある人は、どんな人が集まるかを知る前から「恐らく自分は○○なポジションになるだろう」と予測ができる.

それに比べて自分に自信がない人は、その場にどんな人物がいるかを知り、先に自分以外のポジションを決定してから、できるだけ誰ともかぶらないポジションに自分を配置しようとする.

つまり、相手を見て自分の色を変える「カメレオン」のような人物なのである.
悪く言えば、自分の色を持っていない「その場しのぎ」しかできない、面白みも深みもない人物なのである.
もちろん、これは器用な人にしかできない技術であるが、今の10代や20代なら、これぐらい簡単にできてしまう人も多いだろう.


上記を見ればわかる通り、孤独であることを極端に避けようとしたり、寂しさを紛らわせるのに必死な人は「相手がいなければ自分を配置できず、自分の存在を感じられない傾向がある」ということがわかる.


「孤独を乗り越える」とはどういうことなのだろうか.

「幸せをつかむ」ことは、同時に不幸や辛い経験を受け入れることだと思っていると書いた.

僕は「受け入れる」ことがとても重要だと思っている.

人間は生きているだけで幸せになったり不幸になったりするが、望んだ方向に進みたいのであれば、まずは現状を受け止めなければならない.

受け止めて初めて、新たな一歩を踏み出せる.

乗り越えたいことがあるなら、まずはその苦しみと向き合わなければ始まらない.


孤独を乗り越えたいなら、まずは辛い経験と同様に受け入れる.
そして「自分の色」を見つける.
自分にしか描けない絵を描いたり、自分にしか書けない歌詞を書いたり、自分にしかできない何かを出来るように成長する.

世界や同じ国に住む人を見れば、「○○ができる人」で溢れているし、「自分にしかできないこと」を見つけるのは不可能だと思うかもしれない.

でもそれは大した問題ではない.
自分がすでに出会っている周囲の人たちや、今後の人生で出会う人たちの力になれたり、なにか小さなことでも貢献できることがあれば、それをやればいい.

「自分らしさ」は、「誰ともかぶっていないこと」ではない.
誰かと同じものを選んだとしても、自分と全く同じ人はいないし、その人とは違う強みや特色を持っていることに気づく日が来るはずだ.



「独りになるのが怖い人は次の対象を探すのをやめて自分に自信が持てるように何かを頑張ればいいと思う.」

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