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ひとみみぼれ 🐰

’’ ひとみみぼれ ’’ ってしたことある? 

学生の頃、友人にそう聞かれたことがあった。 

よく聞く、ひとめぼれ ではなく ひとみみぼれ。

…なんて素敵な言葉!と内心歓喜した当時の私であった。 だが、冷静になって記憶を辿っていっても、ひとみみぼれをした!なんて思い当たる素敵な思い出はなかった。

そんな私に、友人はあるCDアルバムを教えてくれた。


秦基博 / ひとみみぼれ



 私は、すぐにアルバムを借りにTUTAYAに走った。ひとみみぼれの言葉を知ったドキドキと、そんなタイトルのアルバムを今すぐ聞きたい気持ち、大きな期待を持ったまま、すぐにイヤホンの手に再生したのを覚えている。


 一曲目の ’’Girl’’ ふわり羽のよう 〜 


 前奏がなく、息を吸ったと同時に不意に流れたその歌声に、見事、心を掴まれてしまった。好きだと思った。そう、その一瞬で、’’ひとみみぼれ’’をしてしまったのだ。

 単純だな〜笑 なんて自分で思いながらも、音楽を聴いて、ときめくような気持ちが生まれたことが素直に嬉しかった。


 それからというもの、音楽を聴くのが大好きになって、暇さえあれば、色々な曲を聴いた。

CDからの音源では物足りず、ライブにも行くようになった。

そして、たくさんひとみみぼれもした。

ひとみみぼれをするたびに、私の’’好き’’が増えて、それだけでなんだかとても幸せな気持ちになった。 音楽の力ってすごい。


 あの時、友人が言った言葉から、こんなに世界が広がるなんて、想像もしていなかった。


ひとみみぼれ


 あの時も、今も、そしてこれからも、ずっと私の中でときめいてくれる言葉なんだろうな。 なんて思った日であった。

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