なんの気無しに

新しく仔猫がまた我が家にやってきた訳だが、まだまだ小さいので色々と手がかかる。
それもまた、可愛さの象徴でもあるのだけれど。

そしてつい先日、出せてなかった戸籍謄本を役所に提出し、私の身分証なども全て名義変更され、いよいよ夫婦になった。
あとは私の失くした結婚指輪の再作成が届けば、もう少し実感も湧きやすいだろう。
まだ、夫婦という実感があまり無いけど、一応人妻という立場になった。
世帯主は私。

四年付き合ってからの結婚で、やっぱり結婚って普段の同棲生活の延長線上にあるのだなと思いながら、いつもどおりの生活を送る。
私の精神疾患も、当初に比べれば大分落ち着いて、薬や病気との付き合い方が分かってきた。

飲まないと不安になるが、色々な欲は戻ってくる。
薬を飲むと性欲は減退するが、できない訳ではないので、セックスレスなどとは無縁だろう。
彼が仕事に行く際も、必ずお見送りをして、キスをして見送る。

ただ、休職期間も三ヶ月と長いと、いよいよ仕事がしたくなるものだ。
人と触れ合わない、頭を回すこともない。
どんどんだらけた人間になりそうで、少し怖い。

瑞々しい文章が書きたかったのに、これじゃただの現実を記載しているようで、私の感性もほぼ死んでいるのだなあと思う。

ただ、昨日ほんの少しだけ外に出た時、早くも9月の風を感じたような気がした。
夏の終り、でもまだ秋とは言えないような、そんな匂い。

こうした風の匂いの変化で、私はいつも季節の変わり目を感じるのだけど、
これを分かってくれる人は少なくはないのではないかと思っている。

けたたましい蝉の声や死骸が少なくなったり、8月上旬よりは日が落ちるのが早くなったり、私は夏が一番好きなだけあって、
こうした夏の終りを少しでも感じると切なくなってしまう

冬は嫌いだ。寒いから
そして、散歩に出る気力も無くなってしまう。

この間、夫と二人で戸籍謄本を取りに行くついでに桜木町近辺でデートをした。
昔みたいに、夜景を二人で見たくて行ったのだが、最近の夫はスマホで競馬に夢中だ。
でも、話しかければその夜景を見てくれるので、そういった変化も長年付き合ってきたからだと、自分の中で飲み込む。

私はずっとアウトドアだし(冬以外)、彼はインドアで、それは昔から変わらないのだけど。
そして、この場所は一人のほうがいいとか、そういった選択もできるようになって、私達って本当に長年一緒に暮らしてきたんだなと思う。

これから先も、ずっとこうしていくのかな、と思うと
やはりどこかで変わってほしい所もあるなあと思う反面、それで平和な生活が保たれるなら、飲み込んでいくしかない。

結構お互い違う面があるけど、それで丁度いいのかも知れない。

夫婦生活とは、という哲学的なことを考えてしまう前に、
認知療法をしてこれからも生きていく。


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