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52歳の女と“音楽”。

みなさんは、自分のお小遣いで初めて買った音楽アルバム、おぼえていますか? 

私はこれ。

ABBAのベスト


初めて自分のお金で買ったアルバム、今でも大事に持っています。


買ったのは、たしか1980年。まだ10歳。今でも記憶してるのですが、何かのテレビ番組で「Gimme! Gimme! Gimme!」を歌うABBAを初めて観て、その時ね、打たれたんです、稲妻に笑。こんなにもカッコいい曲が世の中にはあるんだって知って、それからお小遣いを貯めはじめ、このねずみ色のABBAのレコードを買いました。そして、よくわからない外国の言葉(それがまだ英語だともわかっていない)を聴こえたままにカタカナに変換して、聴こえた通りに歌ったりしていました。アルバムの中には他にも素敵な曲がたくさん収録されていて、「ダンシング・クイーン」も、これで知りました。なんてドラマチックな曲なんだろう‥って、子供ながらに感動したこと、昨日のようにおぼえています。

当時の日本はアイドル文化花盛り。毎日何かしらの歌番組が放送されていて、すべての国民がソラで歌えるほどのヒット曲がボコボコと生み出されているような時代でした。ミーハーでテレビっ子だった私は、当然のごとく、ブラウン管の向こうのキラキラな歌謡曲ワールドに夢中になっていました。が、ABBAに出会ってから変わってしまったんですよね、私の「音楽」に対する思いや憧れというやつが‥。残念ながら日本ではなく、海の先にある、遥か遠くの国に向いてしまったんです。そして、海の先の遠くの国の「音楽」との出会いをきっかけに、欧米カルチャー全般に好奇心を抱くように。そしてこの頃、私の人格形成も確定されたように思います笑。



小学6年生の時は、マイケル・ジャクソンの「スリラー」がリリースされ、買いました、これもお小遣いで。「スリラー」を初めて聴いたときの衝撃もまた、忘れられません。言葉でどう表現したらいいのかわからないけれど、とにかく聴こえてくる全てのリズムで、体中が刻まれてゆくような感覚‥。何なのこれ?って感じ。でも聴くほどに楽しくて。今思うと、これが私とR&Bサウンドとのファーストミーティングだったのかな。知らなかったことをスポンジのようにギュンギュン吸収しながら、私の音の世界はどんどん広がってゆくのでした。



中学生になってからは、さらに洋楽の沼にハマってゆきます。小林克也の「ベスト・ヒットUSA」、全盛期の「MTV」、神奈川TVの「billboard TOP40」、海外生中継が楽しみだった「夜のヒットスタジオ」、そして社会現象にもなったあの「ライブ・エイド」も中学生で体験。テレビ放送を通じて海外のロックやポップスに触れるたび、私の心は多幸感でいっぱいになりました。高校生になると、音楽シーンはウチからソトへ。アーティストの来日公演に行ったり、友達とディスコでキャッキャしたり。好きな音楽を誰かと共有することが嬉しくてたまらなかった‥。



大学生になり、親からアルバイトが認められると、すぐさま地元のCD店で働き始めました。時給はとても安かったですが、音楽が溢れる現場は本当に楽しかった!マライア・キャリーやニルヴァーナが、彗星のごとくチャートに登場するリアルも体感できたし。ジャンルにとらわれず好きに自由に音に触れることがどれだけ幸せなことか、ともに働く仲間や先輩たちから教えてもらえたし。充実した4年間を過ごしました。



そして、進路。音楽関係の企業に一社内定をもらってはいたのですが、悩みに悩んで、あえて音楽を仕事にするのはやめることにしました。もっとライトに音楽と触れ合いたいって気持ちが勝って。今でも、あの時選択をそっち側にしていたら人生どうなっていたかな?って考えることはあります。仕事にしていたほうが、好きなアーティストともっと近い位置にいれたかもしれません。メリットもたくさん享受できたかもしれない。でもね、業界に入らず、いちリスナーとして自由に音楽と向き合う選択をして良かったと思っています。なぜなら、今、素直な感性だけで純粋に音楽を楽しむことができて、とても幸せだから。




まだ、続けていいですか?笑


先日、あるミュージシャンのライブに行ってきました。彼の名はジェイコブ・コリアー。今、最も才能ある若きミュージシャンといえば彼をおいて他にいないとも言われている、超天才的なマルチプレイヤーです。そんな彼のライブは、まるで宝石箱の中のようにキラキラ輝いていて、これ魔法なの?、奇跡なの?って誰かに聞きたくなるくらいの非日常感。最高にハッピーな2時間を過ごし、その後2日間くらいは、現実の世界に戻ってこれずで、大変でした‥笑。



そのライブでね、彼がくれたメッセージがとても素敵だったんです。「音楽はハート」だという話をしてくれたのですが、“僕たち(彼とサポートメンバー)はテクニックよりも何よりも、ハートを一番大事にしながら音楽を奏でているんだ”と。超人的な才能と技術を持つ彼がそんなことを語るのですよね。さらっと。真剣に。でもすごく楽しそうに。


私、そんな彼の言葉を聞き“はっ”と気づいたんです。そういえば、私の琴線に触れる音楽って、どれも“美しく豊かな心”を感じるなあ、と。子供の頃に出会ったABBAもそう。マイケルもそう。私の好きなアーティストみんな、ハートフルで優しい。音楽を聴くと幸せな気持ちでいっぱいになるのは、アーティストたちのハートが、メロディーに乗って私達にちゃんと届いているからなのでしょう。


残念ながら楽器を演奏する能力は1ミリも授かりませんでしたが、良い音楽と出会える能力(?笑)を得たことは神様からのギフトだと、ありがたく受け止めています。これからも、心に響く音楽と共に在り続けてゆきます、私。


おまけ。
オーディエンスとハートがひとつになる、ジェイコブ・コリアーのライブ。素晴らしいです。良かったらどうぞ。


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