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失恋保険に加入しとけばよかった【ヨーロッパ電車一人旅①】

保険大国、ドイツ。歯医者から妊娠までしっかりカバーする保険に加入しなければ学生ビザを貰えないほど保険大好きな国です。人それぞれのどんなニーズにも応えられるほど多種多様なドイツの保険ですが、私が加入しているのはTK(Techniker Krankenkasse)の学生用の保険と、入学時に加入するよう猛烈に勧められた損害賠償保険だけ。

この度、想定外の『失恋』を経験してしまい、もはや失恋保険に入っておけばよかったと思いました。なんといっても失恋がこんなに辛いものだとは予想外。全く心も体も準備ができていなかった結果、ヨーロッパ電車一人旅に挑むことになりました。

記念日旅行から失恋旅行へ

「猪突猛進」の根性を掲げて、言語と文化の壁に体当たりしつつドイツ移住生活を突き進んでまいりましたが、最愛の人に復縁の隙も無く徹底的に振られてしまった私。寝れず、飲めず、動けず、食えず…大学院の試験期間の真っ最中に人生最大のどん底に落ちました。もはや曜日や時間もわからないまま日々がすぎてゆき…苦しすぎるときは日本にいる家族にひたすら電話をかけて泣きまくる毎日。

食べることが大好きな自分が、唯一食べたいものはスーパーに売ってる冷えた煮ビーツだけ。約6日間ほど煮ビーツだけ食べてました。大学の心理セラピーを受けつつも全く回復せず。Googleで "How to get over a heart break(ハートブレイクの乗り越え方)"と検索し、書いてあることを忠実に実現。チョコチップクッキーを焼いたり、新しい趣味を始めてみたり、日記に気持ちを書き出したりと言われたことは全てやりきりました。
そんな中最後の一撃が、楽しみにしていた3年記念日の北ドイツへのプチ旅行。3年記念日直前に別れてしまい、実現しなかった悔しさと悲しさに負けて、デビットカードでInterrailの4日間のチケットとホステルを購入してしまったのがこの奇想天外旅行のはじまり、はじまり。

Interrailとは?

Interrail (Eurail)とは、日本のJRの青春18切符のような鉄道パスです。ただ青春18切符とはスケールが全く違い、なんとヨーロッパ33ヵ国を電車で移動し放題というものすごいやばい鉄道パスなのです。旅したい月数と日数、年齢とEU圏内の居住者かそうでないかで値段が変わってきますが、一番人気なのは2週間〜1ヶ月のパス。私はすでに近々日本に一時帰国する航空券を購入してたので、シンプルな4日間乗り放題のインターレールパスを購入しました。

ざっくりと立てた旅程は、ドイツ→パリ(フランス)→ニース(フランス)→フィレンツェ(イタリア)→ザルツブルグ(オーストリア)→ドイツを8日間で回るチャレンジでした。しかし実際はそう上手くいかず…さまざまなハプニングを経験し、失恋してる余裕も隙もない貴重な経験をしたのです。

失恋保険に加入しておけばよかった

そもそも失恋保険がドイツにあるのかはわかりませんが、失恋を乗り越える努力をするためにかかった時間とお金とエネルギー、失恋保険に入っていればもっと楽だったかもしれない(財布にも優しかったかもしれない)。でも、いつかこの経験を通して「あの時失恋しておいて本当によかった」と思える日が来てしまうかもしれない。保険に頼らずに、周りのサポートと自分の力で回復する経験は、予想以上に人生の糧となるのかもしれない。

寂しさの涙と震えが止まらなくなった時、
心が粉々に砕けてどっかに消えて無くなってしまった時、
自己肯定感をぶっ壊す発言に心が八つ裂きにされた時、
自暴自棄になってしまう時、
失恋保険に加入しておけばよかったと心の底から思う。
こんなクソみたいな経験したくないと、心から感じる。

でも「せっかくだからこの機会に、新しい世界を見に
一歩踏み出してみればいいじゃない」と、自分に言い聞かせてみて。
もうこれ以上失うものはないくらい、心が辛いどん底だからこそ
新しい方向に一歩進めるのかもしれない。

失恋保険に加入し忘れたみなさん、
一緒に新しい世界を見に行きましょう!


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