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家に帰れた

入院中は早く家に帰りたかった。完治まで3.5か月はかかると言われたから、その間右足使えないし松葉杖だし、普通に生活ができるとは思ってなかったけど、だけどもうちょっと自力でできる事あると思ってた。浅はかだった。入院中ほぼ寝たきりで体力落てるせいか、ほんの数メートル松葉杖で歩くだけでハーハー息はきれるし汗だく。病院では上膳据膳で掃除もしてくれる。自分でする事といえば、ちょっとした身支度とベッドを気持ち整えるくらいだった。
手術の翌週には退院できるから、後で相談しようとドクターに言われて、なんとなく、退院=ある程度治ってるみたいな感覚を持っていた。結局、きちんと意思疎通や細かな話しができず、2月6日に怪我してそのまま入院して、13日に手術、22日に退院した。当初書類上では27日退院予定が、ロシア祝日で長い週末のせいもあって、前日21日夜に、22日の退院が決まった。
退院翌日と翌々日とまた別の病院へ通わなければならず、家事もままならず、動くと汗だくになりそして冷えるを繰り返し、退院3日後には風邪を引いて、38度以上の熱が3日続いた。急いで退院するべきではなかったのかと、助けてくれてる友達に申し訳ないやら、自分にもどかしいやら。
熱が引いた翌日、退院から6日目、病院行って抜糸した。院長みたいな先生が自ら診察にあたってくれ、予定外のレントゲンもとって、順調に回復してる事を確認してくれた。先生のお父様が昔日本へ行った事があって、自分も日本にとても興味があるから、私に会えて嬉しいといってくれた。こちらこそ、そんな事言って貰えて嬉しいし、よく診て貰えて感謝しかない。ロシア語話せなくてよくイラつかれたりするけど、それでもみんな助けてくれるし、最後には笑顔を見せてくる。ロシアでは今日本は非友好国である。ウクライナと戦争をしている。その先生の苗字はウクライナのものだそう。

怪我した日、友達の友達が車で来てくれて、24時間対応の救急診療所へ連れて行ってくれて、レントゲン撮って診察を受けた。足の脛の骨2本とも螺旋骨折でそこでは治せない事がわかり、救急車で大きな病院へ搬送された。猫が心配だし一度落ち着きたくて、どうしても家に帰りたかった。救急診療所から家に帰ることもできたけど、もし家に帰ったら、搬送先の病院はもう受け入れてくれないとの事で、すぐ入院するしかなかった。ロシア語も話せずに入院生活どうなるのか、まともに治療が受けられるのか。私立病院で一応英語可という所もあって、調べてくれたけど、1度の診察で数万ルーブル、手術が12-15万ルーブル(1ルーブルが約2円くらい)などなど、入院費は最早覚えてないけどとても払える金額ではなく、市立病院にしてもらった。TRP(РВП) と国民保険みたいなやつのお陰で全て無料。因みにしっかり税金は払ってます。大きな病院では、本当に手術をするための病院といった感じで、1週間手術のために足引っ張って骨を伸ばして、手術して、術後の回復まって退院。退院後、自分の住所のある地域の24時間救急診療所で、抜糸や検査やレントゲンなどで経過を診てもらい、完治を目指す。そんな感じ。退院後どこで診てもらうのか、抜糸は必要なのか、何をしてはいけなくて、何をしたらいいのか。退院するまで全然何もわからなかった。退院当日、カルテのような書類が渡されて、そこに入院してからの経過や手術の詳細、今後何が必要か、何日頃抜糸とか、6週間ごとにレントゲンとかそういうのが書かれていて、やっと訳がわかった気がした。
日本で骨折して手術したり入院の経験がないけど、なんとなくしっている感じでは、治るまで同じ病院で診てもらい、リハビリとかもあるイメージだった。
16日間の入院生活、こんなこというべきでないかもしれないけど、ルームメイトや病院に恵まれ、本当に良い経験ができた。入院当初のルームメイトがあのメンバーでなければ、もっと辛くて困難だったと思う。部屋にカーテンなどの仕切りは一切なく、同じタイミングで入院生活が始まったまだ大学生の女の子と私の2人は足の骨折で寝たきり。全て丸見えの状態でトイレもベッドの上。オムツと併用。彼女が全く気にする様子もなく、してるのを見て、私も恥ずかしがってる場合じゃないと吹っ切れた。けどトイレ以外でするのは至難の技すぎる。便秘になったしギリギリまで我慢するから体に悪い。とにかくトイレに行ける日が待ち遠しかった。他のルームメイトのおばさん2人は腕の骨折で歩けるし片手使えるしで結構元気で色々助けてくれた。少しでも快適に過ごす方法をお二人から学べた。そして私も少し動けるようになってからは、新しいルームメイトの全く動けないおばあちゃんを手伝ったり、自分がしてもらった事の半分もできなかったけど、できる事はした。最後の3日間は、メンバーも入れ替わった4人で、朝食とランチの間に、松葉杖練習がてらお湯を汲みにいって、お菓子交換したりして一緒にティータイムした。良いひと時だった。本当に人に恵まれた。

未だに一人でシャワー浴びれず、友達に手伝ってもらってる。買い物も、アパートのビルの1階にお店とかがあって 、そこや、横断歩道渡った向かいにモールがあって、そこにはフードコートもあるから食べ物にも困らないだろうと思ってた。
ところが。全然ダメだった。1階までエレベーターで降りてビルの入口までは行けるけど、まずドアが2重になってて、しかも自動ドアじゃない。重い。その2重ドアが出れたとして、敷地に入る門みたいな入口も通過できたとしても、外はまだたまに雪が降って積もったり溶けたり繰り返してて、ドロドロだったり、凍ってたりで一瞬の油断もできない。しかも滑りにく道路ならいいけど、敷地内はタイルみたいなので滑りそうな所もあるし。
家の中では、まず物が運べない。肩や首にかけたり、袋に入れて運んだり。猫の冬毛が抜け始めてるのか、あちこち毛だらけ。でも掃除機かけられず、クイックルワイパーみたいなやつでせっせと床掃除はしてるけど、超重労働だし取り切れない。そもそも猫にブラッシングできないから元を断てず。あまり吐かないうちの猫が、さすがに毛玉吐いてた。多分この2年間で5度目くらい。クイックルワイパー頑張ろう。狭い家で本当によかった。面倒臭がり合理性重視だけど、今はそれ全て諦めた。1つ1つ、1歩1歩、急がない。
あと約3週間右足は使えない。その後25%だけ使う練習を更に4週間。その後50%使う練習するらしい。待ち遠しい。

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