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キャンディキャンディ

11歳の長女が、絵画教室の先生に読ませて貰う機会があり。面白さを熱弁していたことから、興味を持った「キャンディキャンディ」。

調べてみると、諸事情によりまさかの絶版。

今後再販されることも無い、電子書籍にもなっていないと。事情を知れば尚更、絵画教室の先生に宝物を貸してくださいと頼む訳にもいかず。

ご縁があったら読んでみたいんだと、同じ趣味を持つ親友に話すと。彼女は幼い頃に読んだことがあり、とても面白かったと言うから、更に興味が湧いた。


それから1ヵ月程経ち、親友と再び会った日。

定期的に覗きに行く古本屋さんにて、プラ紐で括られた全巻セットに遭遇。嬉しさと驚きで鳥肌が立った。

買えないことも無いけれど、な、プレミア価格に若干圧倒されながらも、親友の後押しと、これは状況的にも絶対運命だと、勢いで購入。


恐らくワンオーナーと思われる、まとまった状態で手に入れたこともあり、改めて発行年数をざっと確認してみると。

半分以上が初版という、ファンには堪らないコンディション!タイムカプセルを開いた時のような高揚感があった。


そして何より楽しみにしていた、肝心の「中身」。

大切に大切に、読み進めた。


キャンディの人としての魅力、切ない恋愛や人間関係、感動がギュッと詰まった、涙無しでは読めない作品だった。

この作品について何か言おうものなら、感情が溢れてネタバレしてしまいそうなので、内容についてはこれ以上書かないでおく。


昭和ならではの独特な言い回しや言葉遣い、表情。時々インクが濃く印刷されたページがあるのも堪らない。

その全てが、生きたことの無い時代に私をタイムスリップさせてくれる感覚も好きだ。

キャンディキャンディは、繰り返し読みたい、私の宝物のひとつになった。

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自分の顔にある点々がそばかすというものだと認識して「嫌だなぁ」と母の前で言った時。

「キャンディキャンディみたいで可愛いよ。♫そばかすなんて気にしないわ〜って曲だってあるんだよ」

そんな会話の中で、キャンディキャンディという愛らしい響きを覚えた、という幼い頃の記憶がふと蘇った。

勇気づけられたような、はぐらかされて腑に落ちないような、曖昧な当時の気持ちに、

「キャンディとお揃いなら」という前向きな気持ちが、30年近く経ってから付け足された。

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