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やっと出会えた心療内科

診察室に入ると、50代くらいの男性のドクターが立ち上がって「こんにちは」と出迎えて下さいました。
私もドキドキしながら「よろしくお願いします」と挨拶をして大きな茶色のソファに座りました。

診察室も木が使われていて緑も置いてあり、とても落ち着く雰囲気です。

一呼吸置いてから私は今までの経緯を説明しました。
パニック症となり、今は広場恐怖症にもなっていき、このままどうなるんだろうという不安が大きいことと、SSRIのお薬の副作用で不安と恐怖がとても大きくなり、激しい動悸と息苦しさで「死んでしまうかも!!」となり、外へも出られなくなった経験から、怖くて薬が飲めなくなったことを話しました。
以前通っていたクリニックで「薬が飲めないなら治療する方法がありませんね」と言われ、「それ以来薬を飲めない自分を責めるようになりました」と。

すると先生は、「ん??どうして責めるの?」と私に聞かれました。
私は質問の意味が分からなくて「え?」と言うと

「薬を飲んでそんなにしんどい目に遭ったんですよね?だったら次から飲むのが怖くなったりするのは当然のことじゃないですか?」

「自分を守る為に飲まなくなるのは当たり前のことだと思うけど?」

「どうしてそれを悪いと思うのですかね?」
と話してくれました。

私は思わず「ありがとうございます」と言ったのですが、先生は「ありがとうじゃなくて、おかしいと思わない?自分の事を守るのが当たり前なのに、それを悪いと思うのは」と。

私はなんだか怒られているような気がして少し焦りましたが(笑)今までそんな事を考えた事もなかったので、その時初めて
「そうだよね、私って悪く無いよね?」と思えて自分が許された気持ちになり、
「そうですね、そう思います。初めて気付きました。」と言った後、今までガチガチに凝り固まって息苦しかった心がジワーっと溶けて行きました。

そしてこれからは薬を使わずに治して行きたい。その為には
「認知行動療法に取り組んで行きたいので手伝って頂けないでしょうか?」と聞きました。
すると、
「はい、いいですよ。認知療法は効果もあってとても良いですし、やってみましょう」と二つ返事でOKして下さりました。

私は以前にも認知行動療法をして下さる病院を探していて、一度受診したクリニックで同じ事を話した時に
「認知療法は大変だからまずは薬を飲んで落ち着いた状態になってからじゃないとできないからね」と言われて絶望した事があったので、こんなに心よくOKして頂けるとは思いもよらず、かなり驚きました。

私はやっと今の自分に合った病院に出会う事ができました。

薬を使わず認知行動療法をしてくれるという希望も叶いそうです。

その後は家族構成や私の今の状況などを聞いて下さり、発作がひどい時は今まで通りソラナックスを半錠飲む事と新しいお薬は漢方を1つ処方して下さりました。

この処方なら私的にも無理なく自分で加減して服用できるのでお薬に対するストレスも減りました。

紆余曲折あった長い間の病院探しで、うまく行かず、期待してはガッカリしたりのイライラや、このままでは酷くなる一方だという不安や焦りから解放され、この日はホッとしながらも、これからどんな治療ができるのかな?とワクワクしながら家路に着いたのでした。


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