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誰もが幸せになれる制作を目指すために

写真の仕事をするようになって8年目を迎えようとしている。

看護師として働き始めた新卒の頃は想像もしていなかった。

色んな縁が重なり飛び込んだ東京。

写真家という生き方。

周りの人たちに恵まれてここまで続けることができたけれど、目まぐるしく変わっていくこの時代に不安が尽きる事はない。

最近は写真の仕事だけでなく、映像の制作もするようになり、企画段階から関わる案件も増えてきた。撮影の知識や技術の向上だけでなく、包括的に制作について考え、進めていく力の必要性を強く感じるようになった。

自分の作品制作でも行き詰まっていた。美しい写真や映像を撮る事はできても、それをどう表現していくかで悩むことが増えていた。発想はあっても、それを具現化する力、そして言葉にする力が足りていないと気づいていた。

クリエイティブ。その言葉が実は凄く苦手だ。

写真は元々自分にとって身近なもので生活の中にある。そんな存在だった。光があって、被写体があって、それを想いのままにカメラを通して残している。それがクリエイティブというものに値する行為なのか、個人的には未だに腑に落ちていない。

ディレクター。何かちょっと胡散臭いし偉そうだ。

2024年のある日、SNSを通じて見つけたNEON ACADEMYという場所。

いつしか僕はクリエイティブディレクターの門を叩こうとしていた。


今更ですが改めて自己紹介をさせて欲しい

photo : Yuya Watanabe

塩川 雄也(しおかわ ゆうや)
写真家・映像作家
1988年、福岡県北九州市生まれ。
山口大学医学部保健学科卒業後、附属の大学病院で看護師として勤務。
山口県宇部市にある​山本写真機店との出会いから、
人生を記録することの大切さを学び、写真の魅力に惹かれいく。
写真家を志して上京後、青山裕企氏に師事。 2017年 写真家として独立。
現在は東京を拠点とし、写真・映像に携わる。ライフワークとして自らの旅路を作品とし、国内外で制作発表を行っている。


ちょっと堅苦しくて、スカしてる感じがするので、もう少しゆるめな紹介もしておこうと思います。

・好きなもの:コーヒー、格闘技、映画
・趣味:旅、登山・トレッキング
・性格:好奇心旺盛、フットワーク軽い、温厚
・興味のある事:ものづくり、伝統工芸、農業、移住
・挑戦したい事:ロングトレイル、柔術、チャイ、角打ち、ファームステイ

とにかく好奇心旺盛で多趣味なのが特徴です。
美しいものを求めて世界中どこへでも飛んで行ってしまします。

Primorsky, 2018
Tubakurodake, 2023
Wasarasa, 2023
One Village One Product, 2023
India, 2024


本当は写真家になった経緯や関心のある事についても掘り下げていきたいところですが、また別の機会に触れられればと思います。

あと最近は妹の子供が生まれ、稼ぎの大半をプレゼントに費やして(搾取されて)いるおじになりました。可愛すぎてもう…

Nephew, 2022

そんな甥っ子のためにも新しい事に挑戦し続けようと誓い、入校を決意したネオンアカデミー。

クリエイティブディレクターを目指す5ヶ月間。

遂にその開講日を迎えました。


「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」

世界が連載再開を待ち望んでいる漫画。

『ハンターハンター』の主人公がおばさんから教えてもらった好きな言葉として登場してくるこの一文。

負の感情の中から自らの欲求を知ることができる。初回の講義を受けている際ににふとこの言葉を思い出しました。

技術を磨いたり、知識を身につけたりもちろん大事なことではありますが、それと同様に自己理解を深めることも必要だと気付かされました。

まずは自分自身の欲求を知るところから始まります。


「傷つき迷える者たちへ」

大切な事は全て漫画が教えてくれていたのではないか…

子供の頃に初めて手に取った単行本はおじさんがくれた『ダイの大冒険(ドラゴンクエスト)』でした。これも作中に出てくる言葉なのですが、主人公の師匠が本に書き記していた一節です。

「敗北とは傷つき倒れることではありません。そうした時に自分を見失った時のことを言うのです。」

「強く心を持ちなさい。あせらずにもう一度じっくりと自分の使命と力量を考えなおしてみなさい。自分にできることはいくつもない。」

「一人一人がもてる最善の力を尽くす時。たとえ状況が絶望の淵でも必ずや勝利への光明が見えるでしょう。」

疲弊しきっていた仲間達はこの言葉に励まされ、それぞれのするべき事を見つめ直し進んでいきます。


自分の欲求を知り、どのようなタイプかを認識することで進むべき道が明確になる。また、チームとして協力する際の役割や相互理解を深め、お互いに高め合う事ができる。講義を通してそんな未来が見えてきました。

僕自身はおそらく理想を追い求めるタイプで、やりたい事や関心がある事には夢中になって取り組むことができる反面、最終的にアウトプットする際は迷いが生じ、世に出せずに止めてしまう事も多々あります。

これで良いのか不安になったり、妥協することへの恐れもあります。中途半端な状態で出してしまったと思うと自己嫌悪に陥ってしまいがちです。

どうしても自分が憧れている人や目指している高い到達点に手を伸ばそうとしてしまうので、短期の目標を細かく定めたり、アウトプットできるか判断するために、より多面的に物事を理解できるようにインプットの仕方も考え直さなければいけないと感じました。


理想と現実に向き合っていく

制作において理想通りにいかないのは当たり前で、クライアント・制作会社・クリエイターや色んな人たちの立場があり、仕事環境も違い、それぞれの想いが交錯する中で、皆が同じ方向を向いて進めることは本当に難しいと感じます。

誰のために?何のために?大切なことを置き去りにされて進んでいく、そんな悔しいプロジェクトも経験してきました。

想いをしっかりと言葉にすることで士気を高め、本当の意味で誰もが幸せになれる制作ができればと思います。

クライアントも制作チームもそれぞれが心からやって良かったと思える日々が続くよう、自分の個性を活かしたクリエイティブディレクター像を確立したいと思います。

photo : Eri Ito (Hair and makeup)


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