未来 2023年7月号 掲載9首
ゆふかげに川久保玲の佇ちてをりかたびらゆきをさやかに掬ふ
一面にかはづざくらの桃花褐に咲き乱れたりNFTは
沈香のドイ・ステープのさくらばなはだれのごとく散りにけるかも
つきかげにさやぐ木擦れの玻璃窓ゆそめゐよしののメメント・モリよ
いちまいの羽根の零れつほのじろき桜香はさやに散りぼひにけり
さくらばなはだれのごとく散りにけり子を生さぬ身のうかるべしやは
珂雪のごとき花筏をば見てしかもそめゐよしのよ悪の華たれ
翡翠なるレーザー流るるクラブにて鶯宿の馨はひめやかに散る
さにつらふ妹背鳥の尾にかあらむはだれの雪は夜桜のごと
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