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マネージャーの本質を定義する

はじめに

中原さんの本を読んで学んだことや現在実践していること書く。

マネージャーの本質を定義する

本書では、マネージャーの本質は「Getting things done through others」と定義している。

優秀なプレーヤーだからこそマネジャーに抜擢された方が多いと思うが、「エキスパート」としての自分のあり方を一部棄却(捨て去ること)を通して、自分以外の人に仕事を任せることが求められる。

また、ここでいう他社は部下だけではない。部下は他者の一人であり、全てではなく、他の雑多な存在を含む。例えば、上司や経営者などだ。彼らと付き合い、動かしていくことがマネージャーには求められる。

マネージャーの仕事は何か?

本書では、マネージャーの役割を10項目に整理した過去の先行研究を紹介している。

(1)対人関係の役割

①挨拶屋:組織を代表して挨拶を行ったり、親睦を深める役割。マネージャーは組織を代表する役割の為、儀礼を執り行うべし。
②ベクトル合わせ屋:組織の中には多様な人がおり、人を集めただけで「組織」としてまとまった「機能」を果たすことができるのは極めて稀。マネージャーは組織の中の人々のベクトル(方向性)を合わせる行動をとるべし。
③連絡屋:マネージャーは職場メンバーの狭間を生きるだけでなく、組織を構成する複数のチームの狭間を生き、それらをつなぐ役割を持っている。社内外の人々のつながりを円滑にする行動をとるべし。

(2)情報関係の役割

④分析屋:社内外の情報ネットワークに流れる各種の情報を収集して、分析する役割。いわば、情報のハブ。必要な情報を収集し、その情報を使って、様々な物事を動かすべし。
⑤伝達屋:社内外の情報ネットワークに流れる情報を自分の組織に伝達する役割。伝達はだいたい一度ではすまないため、繰り返し且つ咀嚼して説明しすべし。また、時には部下の意見を吸い上げたり、ガス抜きしたりする必要もある。
⑥宣伝屋:外部に対して自分の職場の情報を流す役割。マネージャーは、いわば自らが「メディア」。組織を代表して、外交におけるスポークスマン(報道官)のように管理された情報を伝達すべし。

(3)意思決定に関わる役割

⑦変革屋:外部環境の変化に応じて、組織の中でリスクをとって変革を起こしていく役割。粛々と仕事をこなすだけでは不足で、外部環境に応じて職場や事業のあり方を変革すべし。
⑧障害やりくり屋:組織内に発生する様々なコンフリクト(葛藤)や人間関係のトラブルなどの解決に当たる役割。マネージャーには白なのか、黒なのか、判定が容易につくようなものは持ち込まれない。持ち込まれるのは、あっちが立てばこっちが立たないようなややこしい問題。マネージャーはこの障害を解決ではなく、やりくりすべし。
⑨配分屋:組織の目標を達成するために、職場メンバーに対して、ヒトモノカネなどの資源を配る役割。物事を達成するためにそれに資することの出来る人に資源を配るべし。
⑩決定屋:組織の顔として外部と交渉し、最終的な意思決定を行う役割。マネージャーは部門の代表として、部門の意思決定を行うべし。

マネージャーの仕事や行動は多岐にわたるし、その担うべき役割には様々な意見がある。本書では、まずは実務担当者とは求められることが違うのだということ認識してもらうことの大切を述べている。

マネージャーの実態は?

あくまで一例ではあるが、マネージャーの実態をまとめた。

短期的に上からは業績を求められ、プレイングマネージャーとして結果を自ら出さなければならない場合もあるし、「給与に納得いかない」、「xxさんが◯◯で、、、」と、部下の愚痴を聞いて調整する場合もある。

とにかくマネージャーは時間におわれて忙しい。

本来は中長期的に業績が上がる仕組みを作り上げたいし、自分の代わりとなるような部下を育成する時間を割きたいのになかなか時間が割けないというのが現状だろう。

忙しいマネージャーのために大事にしたいこと

①チーム間連携:この場合のチームは自分のチームだけでなく、自分と同レイヤーのチーム経営チームも含む。みんなでマネージャーを助けるべし。

経営チームからのヘルプとして、マネージャーの成長を促す環境作り。例えば、マネージャーの仕事の定義伝達、1on1の仕方など。自分らしいマネジメントをして良いと伝えるだけでも良いだろう。

また、マネージャー同士の連携。例えば、良かった事例/悪かった事例をマネージャー同士で共有する場を持つなど。

さらに、自分らしさをチームメンバーに伝える。例えば、自分がキャラクターとして強いマネージャー像を振る舞うのは難しいなど、気苦労を率直に伝えたり、マネージャーの仕事をメンバーに疑似体験してもらうような機会を設ける。

②やらないことを決める:マネージャーの役割を10項目に整理して伝えたが、マネージャーはとにかくやるべきことが多い。

そのため、やらないことを決めることで、やるべきことに集中する環境を作るべし。

マネージャーとして自分のスタンスとやっていること/やりたいこと

自分のスタンスは「行動変容を促す準備は常にする」だ。

こちらの画像を引用元の記事にもあるが、人(メンバー)を変えるのは難しいが、行動変容を促すような取り組みはいくらでも出来る。

You can take a horse to the water,but you can’t make him drink.」

自分やチームの可能性を信じているので、相互成長する努力を続けたいと意図だ。

尚、アトラエという組織の場合、マネージャーという概念自体が存在しないので、そういう気概で主体的に朗働することだと理解している。

それでは自分がやっていること/やりたいことは何か。

主に以下3つかなと思う。上述のマネージャーの役割を10項目に整理した内容と合わせるとこんな感じかな。

1.情報シェアする(事実と解釈を分けて):「(2)情報関係の役割」
2.ファシリテーションする:(1)対人関係の役割
3.仲間に高いレベルを求める:(3)意思決定に関わる役割

1について意識しているのはまずシェアだ。これだけ情報が溢れている中で、自社に必要な情報を取捨選択し、事実と自社に有益そうと思える解釈セットで伝える行動は有意義だと思っている。

2については組織/チームとしてやるべきことや課題に関するMTGのファシリテーションだ。分かりやすいのはMTGの司会進行と議事録共有だが、1on1で意見を伝えることもファシリテーションに内包している。

3については常に高いレベルを自分とチームに求めることだ。B.LEAGUE(Bリーグ)でプレーできるようになったら、次はNBAで活躍できるように準備する。

最後に

マネージャーとして自分のチームの状態を可視化したい場合、以下よりお問い合わせ下さい。私が個別に対応予定です。

また、私個人に何らか相談がある場合、こちらからご相談下さい。(スタートアップスタジオお問い合わせ窓口です)

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