見出し画像

中学生でもわかるMMT超入門

 どうもご無沙汰しております。yuyaです。自粛生活いかがお過ごしでしょうか。私はというと、仕事がなさ過ぎて暇なので、最近話題のMMTをお勉強しました。せっかくなのでnoteにアウトプットしようということで、今これを書いています。心理術とかどこ行ったんだろうという声も聞こえてきますが、マジで最近そんなパフォーマンス何もせずに、家でゴロゴロしているだけなので、もうそんな話はいいじゃないか。
 今回は別に専門分野でもないですし、色んな人に読んでもらいたいので無料記事となっています。しかし、上記通り仕事がないので、少しでもためになったとか、勉強になったとかがあれば、100円でも500円でも1000円でもサポート入れてくれたらご飯が食べられます!

そもそもMMTって何?

 MMTとは「Modern Monetary Theory」の略称で。日本語に訳すと「現代貨幣理論」となります。つまり、現代のお金の流れってどうなっているの?というのを考えましたってやつですね。歴史的にはケインズ派がどうとかいろいろありますが、このnoteを読んで興味を持たれたら調べてもおもしろいかもしれません。このnoteでは、理論のところだけを入門としてわかりやすく説明していこうと思います。

貨幣の価値はどこから生まれるのか

 現代貨幣理論というくらいですから、貨幣について考えていかねばなりません。ところで皆さん、貨幣は好きですか?好きな人がほとんどですよね。それはなぜかというと、貨幣があれば色んなものが買えるからです。それが貨幣の価値ですよね。ではなぜ、お店はあの紙切れと商品を交換してくれるのでしょうか?考えたことはあるでしょうか。
 一般的な説明としては、「皆が円の価値を信じているから価値がある」という説明がされます。まあ間違ってはいないんですが、MMTではもう少し具体的に説明されています。それは「租税が貨幣を動かす」ということです。具体的に考えていきましょう。

租税が貨幣を動かす

 MMTでは、納税で貨幣を使うから価値が生まれるとされています。順序はこうです。

1、政府が貨幣を生み出します。(この部分は後述)
2、政府が自国通貨(日本ならば円)で税金の支払いを求める。
3、これにより、国民は自国通貨を集め、自国通貨に価値を置くようになる。

 なんとなくわかりますかね。例えば戦国時代の税金ってなにかわかりますか?年貢といわれるもので、いわゆる米とか山菜とかですね(余談ですが60%くらいとられていたらしいです)。その時代みたいに、政府に対しての税金は米で払ってくださいとなったとき、皆さんは貨幣を集めますか?そうではなく、お金を払ってでも米を集めるのではないでしょうか。

 このように租税によって、貨幣に価値が生まれるというのを「租税貨幣論」「信用貨幣理論」と言い、MMTの主張の1つとなっています。

アダムの罪

 アダムスミスから受け継がれてきた古典経済学はこの「租税貨幣論」をわかっていませんでした。アダムスミスは著書国富論の中で、「まずは経済は物々交換だった。しかし、物々交換では物同士にミスマッチが生まれてしまう。その不便を解消するために生まれた商業用品がお金だ」と書いています。ここから経済学が始まったため、お金自体に価値があるものだという価値観が今の主流派経済学にも受け継がれています(商品貨幣論)。このように「アダムの罪」とさえ呼ばれる、お金に関する間違った認識のもとに、現在も経済政策を行っているのです。

貨幣とはなんだろう

 さて、貨幣の価値は納税によって生まれていることを学びましたが、そもそも貨幣とは何でしょうか。貨幣やお金というと、皆さんは福沢諭吉さんを想像するかもしれません。「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず」とか言っておきながら、「ただし、えたひにんは別だよ」って言ってたあの人です。
 もちろんそれも貨幣なのですが、現代においてもっとも大事なのはそれではなく、預金です。預金とは、銀行に預けているお金、通帳に記載されているものです。実は銀行自体には大した現金はありません。クレジット支払い、銀行引き落とし、キャッシュレスのこの時代、手元に全財産紙幣として持っている人はいないと思います。30万円給料が振り込まれて、全部引き落とす人なんていませんよね。つまり、銀行はそんなに現金がいらないのです。では、銀行自体が他の銀行や政府と取引するときはどうするかというと、日本銀当座預金というところにお金を預けており、必要に応じてそこから使えるようになっています。
 貨幣とは、預金と紙幣があるということを念頭に置いてください。

貨幣はどこにある?

 貨幣の種類はわかっていただけたと思いますが、その貨幣はいったいどこで作られているでしょうか?紙幣自体は日銀で刷っているのはなんとなくわかると思うのですが、銀行にお金がないとすると、例えば給料で振り込まれた30万円はいったいどこにあるのでしょう。正解はどこにもありません。
え?どういうこと?と思う方も多いでしょうが、すごく簡単な話なのです。「銀行がその人の口座に30万円と書いて、振り込んだ会社から30万円を消した。」ただそれだけです。そこで貨幣が増えたわけでも減ったわけでもありません。

貨幣は銀行で借りることによってつくられる

 貨幣が増えたわけでも減ったわけでもないと書いていますが、そうは言っても貨幣は実際ありますよね。では先ほどの30万はどこから湧き出たのでしょう。
 答えはタイトルにもある通り「貨幣は銀行で借りることによってつくられる」のです。例えばあなたが、なにか事業をしようとして、100万円銀行から借りることにしました。その際、借用証書と引き換えに100万円という数が口座に記載されますよね?これが貨幣の生まれる瞬間です。「万年筆マネー」とも呼ばれますが、銀行で100万円と記載されれば貨幣が生み出されるのです。逆にこの100万円を返してしまうと、100万円がこの世から消えてなくなります。
 ここは大事なところなうえ、少し受け入れづらいかと思うので、企業で考えた簡単な例も書いておきます。ある企業が事業を始めるときに、1億円を銀行から借りました。この瞬間お金が1億円生まれます。その事業が成功して10億円手に入ったので、1億円返しました。この瞬間1億円は消えてなくなります。その企業は9億円儲かっていますが、この9億円は、また別の誰かが借りて生み出したお金が移動してきただけです。(利子とか税金とかややこしいので一旦無視で)
 つまり、誰かが借りたお金から返したお金を引いた分だけ、世の中にお金があるということです。誰かが常に、余分にお金を借りておいてくれないと、世の中からお金が無くなってしまうのです。「誰かの借金が誰かの資産」これがMMTです。

大きなお金を生み出すのは政府

 しかし、例えば僕が貨幣を生み出そうとして100億円借りようとして借りられるでしょうか?それは無理ですよね、なぜかというと信用がないからです。「心理術パフォーマー?どうせニートだろ?金なんて貸すかよ。」と言われるに決まっています。言い換えれば返せるかどうかというところが問題なのです。
つまり生み出せる貨幣の大きさは、個人より中小企業、中小企業より大企業、大企業より政府が大きくなります。政府は貨幣を刷れるんだから返せるでしょということですね。政府にお金をどんどん借りてもらって、経済をまわしてくださいというのが、MMTの主張ですね。

政府の借金が増えるのはいいこと

 ニュースなんかで、「政府の借金○○兆円、国民一人あたりの借金○○万円!」みたいなものよく見かけますよね。これは国民の不安を煽って間違った認識にするためのテンプレになっています。「このままだと借金が増えて財政破綻するぞ!」というね。
 しかし先ほどの「誰かの借金は誰かの資産」という理論から言うと、「政府の借金は国民の資産」になるはずなのです。つまり政府赤字が民間(企業や家庭)の貯蓄を創造するのであって、民間の貯蓄が赤字より先に存在することはありえないわけです。政府赤字がそれと同等の民間黒字を生み出すのだから、政府が貯蓄の供給不足に直面することはありえません。政府はいくらでも貨幣を刷って、民間部門の黒字を生み出すことが出来るのですから。

国債とは

 なんとなくはわかるけど、政府の借金というのがそもそもよくわからないという人もいるでしょう。なので、政府の借金「国債(政府の借用証書)」から、どのように貨幣がつくられるのかを説明します。

1、日本政府は、銀行から日銀当座預金を借り入れて国債を発行して、お金を借ります。
2、日銀当座預金では、我々民間に支出が出来ないため、政府小切手という形で、公共事業などの支払いを民間(企業)にします。
3、民間(企業)側は政府小切手をもらっても困るので、その小切手をもって銀行に行き、銀行預金に変えます(お金が生まれ、これで給料などを支払い、家計の預金が増える)。
4、銀行も小切手を持っていても仕方ないので、小切手を日本銀行に持ち込み、日銀当座預金に変えてもらいます。
5、あら不思議、銀行には日銀当座預金が同額戻ってきます。

これが国債からお金が生まれる仕組みです。無駄にややこしいですが、とりあえず政府は借金が増えてもまったく痛くないということですね。

財政破綻論のウソ

 財政破綻論は、「家計に銀行預金があるからお金を借りられるが、いずれ政府の借金が家計を上回るから破綻する」という論理です。しかし、先ほど説明したように政府が借金をすれば家計の預金も増えるため、これはおかしいということがわかりますね。経済成長するには負債が必要で、国債はどんどん増やすべきです。日銀は政府の子会社のため(株の55%を政府が持っている)連結決算で返済が不要です。つまり、日銀が国債を買い取ったら、返済不要になります。実際、政府の負債は1885年から500倍以上になっていますが、まったく破綻していません。

なぜギリシャは財政破綻したのか

 記憶にある方も多いでしょうが、ギリシャは財政破綻をしてしまいました。債務が返せなくなったのです。しかし、日本はギリシャより債務比率が高いのにデフォルト(債務不履行)していません。それはなぜかというと、日本は主権通貨(主権を有する政府によって発行される、1国家1通貨の貨幣例、円、ポンド、ドル)を持っているからです。そのため、何度か言っているように記帳によっていくらでもお金を生み出せるのです。ギリシャは通貨がユーロなので、自由にお金を生み出せず、デフォルトに陥りました。ギリシャのように主権通貨を持っていない国は、債務を返済するために外貨を稼がなければならないためデフォルトするのです。

つまり、MMTは主権通貨を有している国で成り立つ理論と言えます。もちろん日本でも成り立ちます。財務省のホームページでも、「日米など先進国での、自国通貨建てデフォルトは考えられない。」とはっきり書いています。

国債は無限に発行できるのか

 では、無限に国債を発行できるかというとそうでもありません。
まずは国債金利、あまりに増えると財政破綻します。しかし、日本はデフレで、金利は下がる一方のため(マイナスになったりしています)あまり今は気にしなくていいです。もし上がりすぎても日銀が国債を買い取れば調整できます。
 次にインフレ率。よく貨幣の量が増えると直ちにハイパーインフレ(貨幣の価値が下がり物価が上がるインフレのすごい版。貨幣が紙くずになり物がなかなか買えない。困る。)になると思っている人がいますがそんなことはありません。なぜなら、貨幣は使ってこそ物価があがったり、貨幣価値が下がったりするからです。もちろん使う量は増えていくため、インフレにはなるでしょうが、そもそも緩やかなインフレを続けていくのが、経済成長なわけです。MMTは国の債務基準ではなく、このインフレ率基準でうまく調整していこうという理論なので、心配はありません。日本政府も2%のインフレ率を目標に掲げてはいますが、消費増税など、おかしな政策で20年間のデフレを生み出していますので、お金を多少増やしたところで、ハイパーインフレには程遠いでしょう。こちらも財務省のホームページに「ハイパーインフレの懸念はゼロに等しい」と書いています

税金の役割

 ここまでで、「国債をどんどん発行していっていいなら、なぜ税金を取られているんだ!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。その疑問が浮かび上がるのは税金を「政府の財源確保のためのもの」と思われているからだと思います。これは全くの間違いです。何度も言いますが、日本は記載さえすれば財源を確保できます。MMTでは、税金の意味を財源調達とは考えません。おおよそ次の四つだとしています。

1.インフレの抑制
 日本では今のところ無縁ですが、インフレ率が上がりすぎると困ったことになるのは前述したとおりです。なので、ある程度のインフレになったときに、消費税などで消費を抑え、インフレを抑制します。
2.所得と富の分配
 いわゆる累進課税です。お金持ちのところにお金が集まりすぎると消費が落ち込んだり、いろいろ不都合が起きるので、たくさん稼いでいる人からは多く税金を取り、富を分配していくという役割です。
3.悪い行動を抑止
 たばこ税や酒税などです。たばこを無制限に吸われると、医療費がかさんで困るので、税金で高くすることによって抑止しています。
4.通貨の価値をつくるため
 最初の方に説明した「租税貨幣論」です。租税によって通貨に価値を作っています。

終わりに

 いかがだったでしょうか。正直まだ書き足りない部分は多々あるのですが、MMTの本質はだいたい伝えられたかなと思います。好評なら、日本政府がいかに愚策をしているかなど、MMTから発展した話も書きたいですが、なんにせよ私ももう少し勉強したいのでいつになるかはわかりませんね。願わくば、私が勉強している間に、日本政府が正しい政策をとり、豊かになることによって、没原稿になるか、笑い話になるかにしてもらいたいものです。ではでは、皆さんの将来の幸せを祈りつつ。サポートボタンは下にあるよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?