お金の見栄と労働の話。

前回。
友だちに渡すプレゼントの金額の話をした。
私の渡したものの方がもらったものより金額が高かったことで安心をしたという話。

学生時代を振り返ってよくよく考えて、出てきた風景は、また友だちとの会話だった。

友だちは旅行が好きな子だった。
長期休みになるたびに、旅行に誘ってくれた。

でも私は元々旅行が好きな人間ではなく、色々な理由で断っていた。

色々な理由はその都度その都度、「本当」だったのだけれど、一つだけ、「お金」に関することだけは言いづらく、長い間言えていなかったように思う。

大学生活を終えようとしていた1月。
またその友だちは旅行に誘ってくれた。

卒業旅行。

本当は海外に行きたいねって話をしていたのだけれど、さすがに私の貯金では届かない額の国がいくつも出てきて、それでやっと
「ごめん、そこだとお金が足りなくて無理だ」と伝えることができた。

それを一度言ってからは、すごく心が楽になった。


思えば、周りの学生は「お金がない」とよく言っていたのに、なぜ私はそれを言うことができなかったのか。

比較してみて思い浮かんだのは、アルバイトをしている自分だった。
私も他の学生と同じように接客のアルバイトをしていたけれど、入る回数が桁違いに少なかったと思う。

私のリサーチ不足ではあると思うのだけれど、学生アルバイトは接客しかないと、そして、学生時代は接客をやらなきゃいけないと思い込んでいた。

だから、接客アルバイトを選んだ。

けれど、私は接客が苦手な人間だった。
出勤する前、毎回腹痛に見舞われた。
お客様が来られてもなかなか最初の一歩が踏み出せなかった。

そんなことが重なるうちに、私は週に2日しか入ることができなくなっていた。
(それでも温かく雇い続けてくれたお店には、感謝している)

先に出てきたよく「お金がない」と言っている学生は、私より何倍も多くシフトに入っていた。
そのことが私のコンプレックスになっていた。


このような経験があったため、この頃の私はお金に関する見栄を張ったのかもしれない。
そしてそれは今も続いているのかもしれない

と、ふと思った。

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