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#204 地域交通の課題を自分事で考えてみた

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

現在進めている「ジブン株式会社RADIO」企画で、今度2回目の対談を控えています。
対談のお相手は、3児移住ワーママAさんで、テーマは「自治体のライドシェア・モビリティ」を予定しています。私はこの辺りは完全に素人でして、事前に最低限のファクトや自分の生活に置き換えた時の課題が何か頭の体操をしておかないと、インタビュアーとして完全に太刀打ちできないという気持ちで筆を執っています。笑

地域交通の課題については、過去に何度か記事にまとめてみたことがある程度で、日本型ライドシェアの論点や、実家のある福井県に帰省していた時に色々と感じたことをまとめています。私の場合は、両親が福井県に住んでいますから、この先5〜10年間で起きうることをリアリティもって考えてみると、ちゃんと真面目に向き合わないといけないという気がしてきました。

しかもこの問題は、地方出身で、親は実家で生活をしたままだけど、自分は都会で生活しているという方々が既に直面、あるいはこの先10年くらいで一気に直面していく話だと思います。
あまり真面目に向き合ってこなかった問題について、今回改めて考えるきっかけを作ってくれた3児移住ワーママAさんには、既に感謝の気持ちでいっぱいです!


地域交通に対する自分事としての課題

私は福井県出身で、現在は東京に家を買って暮らしています。
父方の祖父母は共に90歳近くになりますが今のところまだまだ元気で、自分の両親も60代前半で福井県の実家で元気に暮らしています。

妹が一人いますが、既に結婚して富山県で生活しており、実家には祖父母と両親が4人で暮らしています。
今のところ、両親が2人とも車を持っているため、祖父母の病院や買い物など、ちょっとした用事がある時には、車に乗せて移動、という感じで対応しています。
しかし、この先5〜10年経つとどうなるでしょうか?

私が20代から30代後半に差し掛かった現在にかけては、年に1〜2回、実家に帰るイベントも、大学を卒業して仕事を始めてから、毎回変わり映えしないものでした。
小松空港経由で帰れば、空港まで親が迎えに来てくれるし、JRで帰る時には駅まで送ってくれます。家族でどこかに出かける時も自分の家の車で移動するというのが、高校を卒業して20年近く経った今まで、当たり前になっていました。

しかし、さすがに親が70代に入るくらいには、免許返納している可能性も高いです。父親は、今年64歳になりますが、よく仲間内で車で全国を旅行しています。この記事を書いている今も、福井県から1週間以上かけて北海道への自動車往復の旅行を楽しんでおり、時々写真が家族Lineで送られてきます。

これが自分にとっては、当たり前の日常すぎてあまり気にも留めていませんでしたが、20代前後から自動車と共に生活してきた両親が車に乗らなくなってしまうと、生活圏が極端に狭くなり、人と会うことも少なくなり、外に積極的に出掛ける機会も減ってしまうのでは?という不安があります。

近くのバス停やJRの最寄駅に行くのも徒歩10分以上かかりますし、路線バスは減便を続けていますから、1時間に1回来るかどうかです。
そうなると、現実的に自分の親がバスや電車といった公共交通機関を使うとは想像できず、中距離の移動手段の選択肢は、タクシーやライドシェアのような、自分の家(か、歩いても徒歩5分以内くらいのところ)から乗れる乗り物に限定されそうです。

地域の公共交通リ・デザイン実現会議

国としてのモビリティに関する検討状況の概況を把握するために、国土交通省の総合政策局でモビリティを担当している先輩がちょうど3日前に公表していた「地域の公共交通リ・デザイン実現会議」の議論内容を見てみました。

2023年9月に設置された会議とのことで、これまで6回にわたる検討会での議論等を踏まえて公表されたもののようです。
これを見ると、国としての課題認識として、「2050年には全国の約半数の地域で人口が50%以上減少」「2008年度から2022年度にかけて約2万kmの路線バスが廃止、鉄道も約589km、17の路線が廃止」「ドライバー数は、乗合バスで2019年度から2021年度にかけて約12%減少、タクシーも約15%減少」などが挙げられています。

まぁこのあたりは、高度成長の後、人口も増加傾向にある時に、地方部も含めて交通網を広げすぎたのが実態、という認識なので、人口減少局面に入り起きていることとしては、課題というより、まぁそうなるよね、という印象です。

このレポートを見て1つポイントと感じたのは、「地域交通」と一言で言っても、地域類型により状況は大きく異なっているということです。
「交通空白地」「地方中心都市」「大都市」「地域間」の類型で地域交通が分類されていますが、実家のある福井県福井市は、「地域公共交通の路線や本数の減少傾向が続き、公共交通事業者だけでは移動手段を十分に提供することが困難」という定義に当てはまるため「交通空白地」に該当しそうです。

「交通空白地」で活用されている「自家用有償旅客運送」の見直しという記載は「自治体ライドシェア」のことを指していると理解しましたが、それ以外にもスクールバスの空き時間活用、介護サービス車両の空き時間活用などの手段が挙げられていました。

全国を自動車で回るのが好きな父親には代替手段になりにくいですが、職場への往復やスーパーへの買い物、祖父母の病院やパチンコ店への送り迎えといった、ちょっとした用事くらいでしか車を使っていない母親にとっては、乗合型のサービスが本格的にモビリティサービスを始めてくれれば、意外と解決策になるのかもしれません。

「地域の自家用車・ドライバーを活用した新制度の活用」では、「タクシー事業者の管理の下で地域の自家用車や一般ドライバーによって有償で運送サービスを提供することを可能とする制度」について言及がありますが、ここは1日でも早く他国のようなライドシェアの形態が実現されていくことを願うばかりです。

東南アジアで仕事をしていた時には、通勤などでほぼ毎日ライドシェアを使っていましたが、それまで自分でタクシードライバーと個別に料金調整をして乗っていた時代と比べると、アプリとドライバーのスコアリングの仕組みにより、本当に便利で安全になりました。

もちろん、トラブルはゼロにはならないと思いますが、現状もタクシードライバーとしばしばトラブルが発生している現状があることを踏まえると、単純に「ライドシェアが悪い」という論調にはならないはずです。

他にも、2025年度を目処に国内50ヶ所、2027年度に100ヶ所以上の無人自動運転サービスを実現すべく、2024年度において全ての都道府県で1ヶ所以上の計画・運行を目指しているとのことです。

自治体ライドシェアや無人タクシーの検証状況は?

国が出しているレポートを見たり、自分事に置き換えて「地域交通」の課題を捉え直してみたりすると、「日本型ライドシェア」と「自治体ライドシェア」って単純に形態が異なるだけ?とか、無人タクシーや無人バスが既に商用サービスとして動いているところはあるの?とか、色々と疑問が浮かんできました。
そして、自分がいかにこのあたりに対して無知なのか、再認識しています。

専門ではないので余計なことは言わないでおこうと思いますが、単純に地域に住んでいる人目線で地域交通に対してどのようなことを考えられているか、色々と聞いてみたいと思います。元々その地域に住んでいる人と、移住で外から来た人では、地域交通に対する期待感も違ったりするのかな?と感じたりしています。

それでは、今日はこの辺で。
今日も良い1日をお過ごしください!

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