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#221 管理職の仕事は、いい仕事を作ること

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日、部長から昨年度評価のフィードバックを受ける面談をしました。
もともと5分くらいで評価のフィードバックだけ聞いて終わる予定でしたが、部長から自分に対する今年度の期待について色々と議論が結構白熱して30分では足りないくらい話をし、血湧き肉躍る気持ちになったので、その話をします。

昨年度は、今の担当しているプロジェクトの立ち上げフェーズでした。
私は、昨年4月に今の部署に異動してきました。異動があるということは、当然人が足りていないからその補充として異動が発生するわけで、私の場合も漏れなく「人手不足」の状態でした。

プロジェクト内容がよく分からないけど、それでも目の前にやらないといけない仕事がたくさん転がっていたので、とにかくできることから何とか力になりたいという一心で取り組みました。
とにかく今のプロジェクトの外枠を固めて軌道に乗せることがミッションでしたから、社内外のステークホルダーを巻き込みながら、みんなが動ける状況まで作るのに精一杯な1年でした。

一方で今年度はというと、何とか今のプロジェクトも形にはなってきたので、また違ったミッションを担うことになりました。一言で言うと「さらに未来の仕事を作る仕事」というように自分は捉えています。
昨年度立ち上げたプロジェクトも完了は2年後を予定していますが、さらに先を見据えて「今」やることを定義する、これが自分の役割だと認識しています。

「管理職」といっても様々な役割がありますから、あくまで私のタイプの管理職は、ということになってしまいますが、私にとって「管理職の仕事は、いい仕事を作ること」、これに尽きると考えています。

個別具体の話ではありますが、「へー管理職の人ってそんなこと考えてるんだ」という皆さんの身の回りのマネージャーの方の頭の中を覗いてみる気持ちでお読み頂ければ幸いです。


「いい仕事」=「ワクワクする仕事」

管理職の仕事とは、いい仕事を作ることである、と申し上げましたが、「いい仕事」とは何か。私が考える3つの観点に沿ってお話していきます。

まずは、「いい仕事」=「ワクワクする仕事」という定義です。ワクワクするた目の要素として幾つかあると思いますが、私にとっての「ワクワクする仕事」というのは、既定路線上にない仕事と定義しています。

特に、既に事業が軌道に乗っていて、何年も何十年も同じようなやり方で運営してこれている仕事というのは、ある程度仕事のやり方が確立しています。
もちろん、過去に様々な人たちの努力があってこその事業基盤であるので、それ自体には感謝と尊敬の心を忘れてはいけないです。しかし、長い歴史の中での経験によりやり方が確立された仕事というのは、ともすれば自分たちを苦しめる面があることを理解しないといけません。

長い歴史の中で確立されてきた仕事というのは、未来についてもその延長線上にあるものと捉えやすい側面があります。
つまり、今のやり方を続けていれば、同じように未来もこの事業が継続できるということです。
それは素晴らしいことである一方で、時には色々やってみたいと考える人にとっては窮屈に感じることもあります。規定路線上の仕事であったとしても、仕事を通じて価値を生み出し続けるためには、魅力的な人材を惹きつける組織になることも重要な観点です。
その視点で言えば、優秀な人を惹きつけてやまない「問い」を設定する、というのが、マネージャーには重要な仕事なのです。

ネットやAIといった技術の進展により、「答え」や「解き方」自体は飽和しています需給バランスの原理で価値は下がる。一方で、「解きがいがある問い」をAIが作ることは難しいですから、むしろその価値は相対的に上がっているとも言えます。

この「解きがいのある問い」というのが、具体的には「あ、この事業部でこういうことができるんだ!」という驚きとワクワクをもたらす「規定路線上にない仕事」であると考えています。

冒頭話した部長との面談で今年度の目標に追加されたのが、「規定路線上にない仕事の提案を3つ」外に対して打ち込むことです。私が今のプロジェクトに配属された時には、昨年立ち上げたプロジェクトを完遂することがミッションと考えていましたが、それは当然として「3つの新規ビジネスの提案」が加えられたのです。
私にとっては、これが「解きがいのある問い」が与えられた形になっているわけで、その意味では部長も策士ですね。笑

「いい仕事」=「成長する仕事」

次に、過去の自身の体験からも、人の成長に必要なのは、色んなお客さんと仕事をすることだと考えています。
お客さんによって、大切にしている価値観は違うし、仕事の進め方も違います。必ずしもお客さんでなくとも、一緒にプロジェクトに取り組む社外のステークホルダーも本当に色んな人がいます。

過去からの基盤があって比較的安定した事業を担当する事業部というのは、それだけで相応のビジネスサイズがありますから、1つの固定のお客さん向けの事業部ということになりやすいです。しかし、上述したセオリーから言えば、本来は色んなお客さんの案件を担当する事業部の方が、組織としての成長度は高いという考えを持っています。

そうなると必要なのは、当然「色んなお客さんと接する機会がある組織」であり、少なくとも「1つのお客さんであったとしても、仕事の進め方が全く異なるプロジェクトを複数持つ組織」であると考えます。

もちろん、人的リソースという経営資源を選択と集中で固めた方が経営効率が良くなるという側面もありますが、中長期的には、そこで働く人がより成長する組織作りという観点を忘れてはならないと思うのです。
その意味で、上述した「既存のレールの上にない3つの新規ビジネスの提案」という今年度目標は、全く異なるお客さんに対するアプローチも含めたいと考えています。
先日解説した話にも通ずるところで「今目の前に取りたい選択肢がない時は、自分で作ってしまおう!精神」です。

「いい仕事」=「働きやすい仕事」

最後は、メンバーが伸び伸びと仕事ができる環境の整備です。

まずは「働き方改革」ならぬ「働いてもらい方改革」、つまり今年度のチャレンジとして取り組んでいる「チーム時短」実現ですね。
早くも今年度も四半期が終わりそうなので、近々チーム時短の成果について振り返ろうと思いますが、何と今のところは結構順調に進められています。

そして、以前詳細解説した「今いる人のエンゲージメント向上」です。

ここは現場マネージャーとして取り組める余地が大きなところではありますが、過去に自分のチームではやっていなかった「プロジェクトメンバーが他拠点の仲間」と対面で議論する時間を作ったり、部長にも働きかけて海外研修の機会を作ったりしています。

「ああ、この組織に所属していると、こんなことまでできるのか!」というサプライズでメンバーを魅せ続けることがマネージャーには必要だと思うんですよね。
これは、自分自身も担当者の時に、当時の上司が自分にしてくれていたことで、あの時の仕事ならではの面白さを継承していく責務があります。

自分に高いハードルを課しまくってしまいましたが、先日の部長面談を終えて、今年度自分はこれをやっていくぞ!という目標宣言でございました。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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