見出し画像

フリーランスが受けられる、行政からの支援制度について網羅的にまとめました

時間や組織に束縛されることがなく自由に活動でき、仕事に対する満足度も高いといわれるフリーランスですが、新型コロナ感染拡大による世相の変化か、フリーランスが急増しているというデータがあります。

コロナ禍前の2020年2月の調査では1,062万人だったフリーランス人口が2021年10月には1,577万人と、わずか1年半で1.5倍に増えています。(内、ライターを含む「クリエイティブ職」は9.4%)

資料:「【ランサーズ】新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」p.6,p.13(以下のURLからダウンロード)
https://speakerdeck.com/lancers_pr/xin-huriransushi-tai-diao-cha-2021-2022nian-ban


一方で今回のコロナ禍のような外的混乱による影響を受けやすく、発注業者との関係性においても微妙な立場に立たされやすいという傾向があります。

フリーランスは非常に多数いるため、彼らの有する課題はすでに社会的な課題となりつつあり、行政もそれに対応し、様々な支援制度を用意しています。今回はその「フリーランス向け支援制度」について、まとめました。


大別すると、支援制度にはコロナ禍に関係なく受けられるものと、コロナ禍の影響への支援に特化したものとがあります。


1. コロナ禍とは関係なく受けられる支援制度


下請かけこみ寺
発注事業者との関係で困ったとき、悩んだときに専門相談員や弁護士のアドバイスが無料で受けられるサービスです。
対面だけでなく、オンラインや電話でも相談することができます。

資料:中小企業庁「中小企業・個人事業主・フリーランスの皆さん 取引上の悩みを抱えていませんか?(下請かけこみ寺)」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/download/shitauke_kakekomi.pdf


中小企業庁の委託調査によると、企業との業務委託契約をめぐって、これまでに取引上のトラブルを経験したことがあると答えたフリーランスは、45.6%と半数近くに上っています。

トラブル内容の上位5位は多い順に、「報酬の支払が遅延される」「契約の一方的な変更を受ける」「あらかじめ定めた報酬を減額される」「買いたたきを受ける」「書面を作成し、交付してくれない 」となっています。

こうした状況から、企業を相手に個人で対応しなければならないフリーランスの弱い立場が窺えますが、さらに問題なのは、こうしたトラブルへの対処方法です。

同調査では、トラブルがあったときの相談先として最も多かったのが「知人、家族」(44.1%)、次いで「弁護士、法テラス」(23.5%)、そして第3位が「下請かけこみ寺」ですが、その割合はわずか8%にすぎませんでした。

資料:中小企業庁(2020)(フリーランス協会)「フリーランスの取引実態と課題」p.22,p.23,p.25
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/seidsekkei/download/002_02-1.pdf


ちなみに、2021年3月に厚生労働省、経済産業省・公正取引委員会の連名で、フリーランスと取り引きする発注事業者に向けて「配慮要請」が発表されました。

この要請では、フリーランスとの契約、発注、コロナ関連の諸事情による納期延期に対して、下請振興法、独占禁止法、下請代金法を遵守し、フリーターの立場に立って柔軟な対応をすることが求められています。

資料:経済産業省「個人事業主・フリーランスとの 取引に関する配慮要請 」
https://www.meti.go.jp/covid-19/support/04/04_02.pdf
(配慮要請通知)
https://www.keidanren.or.jp/announce/2020/0312_betten2.pdf


発注事業者の対応に疑問を抱いた場合、泣き寝入りせずに、「下請かけこみ寺」を活用するのも1つの方法です。


ここから先は

4,841字 / 4画像
インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?