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【69】今後、「稼ごうとする物書き」が活躍できるマーケットと、とるべき戦略の話。

20世紀は「出版」と「マスメディア」が、物書きのフロンティアだった

「未来」を想像するためには、歴史を知る必要がありますので、少々物書きの歴史から入ります。


物書き自体は太古の昔から存在していましたが「物書きを仕事として生活できる一般人」が数多く出現したのは印刷技術と著作権が発明され、そして整備された、ここ2、3百年のことです。

また電信技術の発達とともに「マスメディア」が生まれたのは19世紀末ですから、大量のテキストが送受信されるようになったのは、ここ100年程度、と言えます。

さらに、20世紀終わりまで、消費者に対する文章の流通は「紙媒体」に依存していたため、市井のいち個人が、物書きだけで生活することはほぼ不可能でした。

したがって、「物書き」の歴史は浅く、まだまだ発展途上の商売といってもいいでしょう。


では現在、一般的に想像される、20世紀末の「物書き」はどこにいたか。

それは「出版」あるいは「マスメディア」といった大きな資本の傍です。

そうした資本と手を組めた「書ける」個人のみが、存在していました。それゆえ20世紀の世界は、選ばれた人だけが「書く仕事」にありつけていました。

つまりそれは「文筆業の独占」です。


00年代はブロガー、アフィリエイトが「稼ごうとする物書き」のフロンティア

ところが21世紀に入り、状況は大きく変わりました。皆さまご存じの通り、インターネットの隆盛です。
これにより「文章」の価値が大幅に上がりました。
下がったのではありません。上がったのです。


というのも、現在のインターネット、そして検索エンジンは、ほぼテキストベースのため、所有するサイトへアクセスを誘引するには、大量の文字情報をサイトに配置する必要があるからです。

つまり「文章」が足りない状態になりました。
おそらく人類史上初めて、文字情報への需要が供給を上回ったのではないでしょうか。
凄まじい異常事態です。


その結果「文章を書いて生活できる人」が大量に出現しました。
しかし、それは旧来の「出版」あるいは「マスメディア」で活躍していた人々ではありませんでした。

彼らは全く別の領域の住人でした。
それは「インターネット広告業」です。

インターネット広告業とつながった彼らは、アフィリエイター、webライター、ブロガーなどと呼ばれる、新種の「物書き」でした。


「広告業には昔からライターはたくさんいたよ」という方もいるでしょう。
もちろん、その通りです。

しかし、クラシカルな広告業のライターは、前述したように「出版社」あるいは「マスメディア」、あるいはその近傍の「広告代理店」に依存していました。

彼らとの取引を許された、ごく一部の幸運なライターだけが、彼らのメディア上でライティングすることを許され、報酬を受け取っていました。


ところが21世紀の「物書き」はそうではありません。彼らの多くはメディア企業に所属しているわけでもなければ、旧来の広告代理店との取引もありません。

必要なのは、インターネット広告を制するGoogleやAmazon、そして「インターネット広告をやります」という登録作業だけです。
したがって、広告代理店とのコネクションも、営業活動も不要でした。


しかも、それだけではありません。
クライアントとの折衝も、面倒な締め切りも、うるさい編集者からの書き直し指示もありません。

そこにあるのは「ビューを稼いで、商品を売る」という成果のみ。
これは、「新しい物書き」にとっては、非常に魅力的なことでした。
なにせ、既得権者とのコネクションが不要なのです。


20世紀のように
「大きな資本に雇われて書く」
「紙媒体の流通に乗せる」
「業界とのコネクションを作る」
ことをせずとも、彼らは自らwebメディアを作り上げ、インターネットをうまく利用することで多くの読者を獲得し、そこから収益を得ることができました。

結果的にコンテンツの独占配信が崩れたことで、出版社やマスメディア、そしてマスメディアに従属する広告代理店の地位が相対的に下落したことは、記憶に新しいところです。


この現象は、2010年ごろから2015年ごろまでが最盛期で、「月に100万円以上を稼げる」と称するアフィリエイター、webライター、ブロガーが巷を賑わせました。

したがって、2010年当時、稼ごうとする物書きにとってのフロンティアは間違いなく、アフィリエイト、ブログにありました。


2010年代からさらに、インターネット文筆業マーケットの変化が進む

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