とあるSaaS企業のシード調達前後のリアルな反省
1年の計は元旦にあり、ということで、会社としての昨年の振り返りをします。結果として、シード調達前後の反省点まとめになってしまいました笑
シード調達前のスタートアップの方には参考になるかもしれません🙏
2019年のまとめ
2019年の始まりは代官山のボロ一軒家で迎えました。当時は私とCOOの橋本がシェアハウスをしながら、家兼オフィスとして過ごしていたので、お正月もなにもなく、常に仕事をしていた記憶があります。
サービスの導入先が徐々に増え始め、6月にはシードラウンドの資金調達も行いました。
調達も相まってチームも増え、9月には五反田にオフィスを移転。
2019年は最終的にMRRベースで約400%の成長となりました。
そんな中でも社長としての自分の反省点、会社の反省点は多く、学びもとても多かった1年でした。その中でも代表的な反省点を挙げます。
反省点1 : PMF前の営業の重要性を軽視してしまった
「PMF」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。プロダクトマーケットフィットと言って、ペインの深さ、そのマーケットの大きさ、それに対しプロダクトが"ハマっている"かを測るもので、「PMFした」とか「PMF前」とかいいます。
SaaSはサブスクリプション型のビジネスなので、PMF前に無闇に拡販すると「間違った顧客に売る」ことになったりしてNGなのですが、とはいえPMF検証をするために一定数の顧客が必要になります。また、PMF検証で重要な論点の一つは「本当にお金を払ってもらえるのか？」です。無料なら使いたいという人は5万といますが、実際にビジネスが成り立つラインの金額を支払う価値があるサービスかどうか？(少なくともそうなるポテンシャルはあるか？)を検証するためにも、実際に売ることは重要です。
特にcommmuneはホリゾンタルエンタープライズSaaSなので、使われる業界やユーザー層によっても刺さるかどうか、なにを価値と感じてもらえるのか？が異なる可能性があり、より一層実際に使ってもらいながら検証することが重要なプロダクトです。
それにも関わらず、「今のフェーズで売ってもしょうがない。大事なのはいいプロダクトを作ることとカスタマーサクセス」と思ってしまい、あまりにも初期の営業活動に力を入れていませんでいた。
それによりPMF検証のスピードが遅くなってしまい、結果的に立ち上がり速度が遅くなってしまったと考えています。
現在立ち上げ期のSaaS企業におかれましては、初期からガンガン売っていった方がいいと思います。(そんなに簡単に売れないし)
反省点2 : 資金調達成功を前提とした戦略策定ができておらず、調達直後に停滞時期を迎えてしまった
2019年6月に資金調達をしました。念願叶って、いいなと思っていたUBVが出資をしてくれたので調達自体の結果は満足しているのですが、初めての外部資金調達でイメージが湧いておらず、反省点もあります。
シードラウンドだと、調達した資金の使途は主として人件費だと思うのですが、当たり前ですが今日採用しようとして明日優秀な人材が採用できるわけではありません。どんなに当社に興味を持ってもらえても、初めて声をかけてから3ヶ月は入社にかかると思うべきです。
当社では、6月に資金調達してからチームの拡大までに時間を要してしまい、リソースの制約から調達プレスリリースのモメンタムを最大限活かすことができませんでした。
ある程度腹をくくって、絶対に資金調達が上手くいく前提で採用活動を前々から行っておけばよかったと反省しています。
反省点3 : セミナーとか勉強会に時間を投資しすぎた
コンサルからスタートアップの世界に入ってすごくびっくりしたんですが、特にカスタマーサクセスとかマーケティングの領域は、めちゃめちゃたくさん勉強会とかセミナーとかしてるんですよね。
で、そういうセミナー自体はすごく役立つ知識を共有してもらえる貴重な機会だと思うのですが、「型を学ぶ」だけでは何の価値もなくて、それを自社サービスに落とし込む必要があります。
しかし、残念ながらシード期のスタートアップではほとんどの場合リソースや資金・プロダクト成熟度の問題があって、セミナーで聞いたことを活かしきることができません。また、そもそもシード期にはまだまだサービスが柔らかいため、型をはめることが必ずしも正しくない状況も多いです。
いやいやそんなの百も承知でセミナー行ってるんだわ、という人もいるかもしれませんし、あくまで私たちの場合にはそうだった、という但し書きつきですが、シード期には「型を学ぶ」よりも「徹底的に顧客に向きあう」方が重要だと感じました。
一回のセミナーが2時間くらいだとすると、同じ時間あればお客様と飲みに行ってサービスフィードバックもらったほうがシード期には価値あるよね、と思っています。
といいつつ、当社はちょうどシード期から脱却していくフェーズなので、2020年も引き続きいろいろな界隈で当社メンバーが勉強させていただきたいと思っています！
2020年に向けて
当社の2020年のテーマは、チームで勝つことです。
プレシードからシード調達までは、経営陣の個人プレーが重要ですし、それだけでなんとかなります。
しかし、これからを見据えるとそうは行きません。
勝つべくして勝つ、そのために、最強のチーム創りに取り組みます。(年末に2日で56巻読破したキングダムの影響を受けています)
全職種募集していますので、少しでもご興味ある方はランチかお茶いきましょう！
DMも大歓迎です！
また、多分2020年も、色々と反省が出ることは間違いないと思うのですが、反省はあっても後悔はないようやりきりたいと思います。
「こっからっす！」精神で走りきります！
(わからない方はtwitterで「オープンハウス」で検索して下さいｗ)
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