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今週の【情報通信をとりまく】気になるニュースまとめ

ウェブコンテンツにも食べ物と同じように「ラベル」をつけませんか?…そんな動きが出てきました。また今週特に気になったのは「国際標準」のニュース。「ルールは守るものではなく作るもの」という、意識の大転換が求められています。

①AI時代の「100%AI不使用ラベル」

ここでも食のアナロジーが活きています。

ー「オーガニック食品ラベル」のデジタル労働バージョンだ。「100%AIフリー認定」である
ーオーガニック食品ラベルは、質の悪いものに対し、質の高さを示すためのものだった。ところが、ここにも教訓がある──ブランド化には限界があるのだ
ーオーガニックラベルを取得するには高いコストがかかり、そもそもオーガニックであることを本当に検証するのは難しく、多くの場合、本当の意味をなさない。そしてWhole Foodsのような企業がブランド化をしても、栄養上、わかりやすいメリットはほとんどない

②アテンションエコノミーと選挙

先日私が書いたnoteとも関連する記事を見つけました。広告収入目的の一般ユーザーが多数いて、そのおかげで石丸氏の得票率が上がったのでは、という論点が面白いです。

ー能動的に動画を「選ぶ」というより、動画を推薦する運営企業のアルゴリズムの影響が強い。注目を集める動画ほど表示されやすくなる仕組みも石丸氏に有利に働いた
ー政治的な意思とは関係なく、動画配信の「広告収入」が目的とみられるアカウントも少なくない
ー人気の政治家を取り上げれば、再生数と広告収入が増えやすい
ー広告収入目的で第三者が投稿した動画が拡散し、結果として石丸氏の支持者が増えた

③偽情報の調査は違法、と主張する陣営

アメリカ大統領選は、情報空間全体にさらなるフェイクニュースの蔓延を許すかどうか、という運命の分かれ道(少なくとも4年間)かもしれない。

ーEIPはツイッター(現X)やフェイスブックといったSNS(交流サイト)で拡散する偽情報をあぶり出し、政府機関やSNS運営会社とも密にやり取りしてきた。こうした取り組みが表現の自由を保証する米国憲法修正第1条に反するというのが保守派の主張
ートランプ前大統領が政権を奪還すれば、共和党にとって都合が悪い調査を発表する研究者はさらなる政治リスクにさらされる。萎縮せずに調査できるか。米国の偽情報研究は正念場を迎えている

④「資金調達手段奪われる」メディアの悲鳴

やっぱりそうなんですよね。質の高いコンテンツが、搾取されてる構図。

ーグーグルによる生成AIの検索サービスは「広告やサブスクリプション、アフィリエイトを通じてコンテンツを収益化する報道機関の能力を大幅に低下させ、代わりに利益が直接グーグルにもたらされる」と指摘
ー「質の高いオリジナルコンテンツを制作するための資金調達手段を奪われる」とも訴えた

⑤値下げ圧力と、反発する市場と。

様々な思惑がうごめく。

ー長引くインフレで節約志向が強まる消費者の購買意欲を、安値で喚起しようとしている
ー欧州でも警戒は強まっている。欧州連合(EU)の欧州委員会は意思に沿わない選択肢に消費者を誘導する「ダークパターン」や、未成年に有害なコンテンツがサイトにないかテムとシーインに報告を求めた

⑥スバルが「国際標準」を掴み取る

ドローンのルールメーカーの役回りを、国内企業が抑えたことは称賛に値します。

ードローンはルールが未整備な所が多く、衝突回避の手順が世界で統一されていなかった
ー「誰かがやらないといけない」。スバルの航空宇宙技術開発部の山根章弘部長は回避ルール作りに乗り出した
ー3~4年かかる道のりを、スバルは日本無線やNEDOと挑んだ

⑦ルール「守る」ではなく「作る」へ

その意識の転換が、成長のエンジンになる。

ールールは守るものであり、成長につながる武器と捉えている企業は乏しい
ー司馬遼太郎氏は著書「この国のかたち」で「日本人は、いつも思想はそとからくるものだとおもっている」と指摘
ー日本企業はルールが海外から来て従うことに違和感を覚えていなかった
ー国際舞台の場で戦い続けるには、ルールは「つくるもの」という攻めの意識に転換することが重要となる

⑧「●●支持者と結婚ダメ」…分断の現実

ここまで来ると、両者が「同じ国」である必然性は、どこまであるのだろうか。

ー「自分の子供が対立政党の支持者と結婚してほしくない」と考える比率は民主党支持者と共和党支持者のいずれも4割に上る
ーどんな点でも対立し、折り合えるところが減っている。感情的な分極化の時代
ーイデオロギー対立が深まったいま、各党の支持者は固まって住み、対立政党の住民と出会うことも減っている

⑨AI時代、有望人材をいかに採用するか

私たちは、「能力のある人なら、いますぐこの場でその能力を示せるはずだ」という考え方に囚われがち、と。

ー面接は2回、実施すべき。1回目と2回目の間の進歩の度合を見れば、その候補者のポテンシャルを見抜く手がかりになる
ー面接は、単に候補者の基礎能力を把握する場にするのではなく、候補者が2回目の面接までにどれくらい機動力を発揮して進歩できるのかを見る場にすべき
ーAIの問題点の一つは、AIが過去の枠組みを学習のスタート地点にしていること。仮に未来が過去に似ていないなら、このモデルはいい答えを出せない

⑩知ってる?しなやかor硬直マインド

「しなやかマインド」と「硬直マインド」って? 5割近くの人が自発的な「学び」をしていないという日本。これは海外と比較して圧倒的に多いといいます。

ー後者(硬直マインド)は自分の能力を固定的に考える人で、一度つまずくとそれを自分の限界と受け止める
ー他方で「しなやか」型の人は努力や心がけで能力は伸びると考える

⑪「自己優遇の禁止」がもたらす弊害とは?

DMAの理念である「ビッグテックの独占と戦い、公正な市場を実現しよう!」は確かに美しいが、その裏には、複雑で厄介な現実が潜んでいると。

ー平等な取り扱いや公正なアクセスを強調するDMA型の規制は、消費者とイノベーションを犠牲にするリスクと隣り合わせ
ーDMA型の規制の中核にあるのは、自己優遇を悪とする考え
ーグーグルの検索結果にグーグルマップが表示されなくなることで利便性が低下したという指摘や、ブッキングサイトへのトラフィックが増えた一方で、個々のホテルやレストランのウェブサイトへの訪問数が減ったとの報告も

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