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努力の方向

自分よりアイツの方が稼いでいて、フォロワーも多くて、しかも素敵な彼女もいる。というような状況は、悔しいけれどよくあります。これは多くの場合において、アイツの方が自分より努力しているだけなので、毎日コツコツと積み重ねる以外に、アイツに勝つ方法はありません。

しかし、闇雲に努力(っぽいことを)するだけではなく、努力する方向って大事だよね、みたいな話をしたいと思います。私は20代前半の頃、トヨタグループ商社の子会社で働いていました。子会社だったので、年収は親会社の人より低かったです。これは入り口が違うので仕方ない。「俺の方が仕事できるのに」と思ったことも何度もありました。しかし、この手の不満は幼稚と言わざるをえません。なぜなら、それを分かっていて入社しているからであり、分かっていなければただの調査不足だからです。

親会社の人たちは、ピカピカの学歴、帰国子女で英語ペラペラ、ラグビー部で花園出場みたいな経歴ばかりです。有名大学ではなく、日本語しか話せない、しかもヒョロヒョロの元バンドマンの私に勝ち目はありません。しかし一つだけ、俺が勝てるなと思ったことがありました。

それは「営業力」です。私は大学時代にバンド活動、読書、映画鑑賞、彼女とのデートに時間を割きたかったので、歩合制のアルバイトをしていました。そのアルバイトは「家庭教師の営業」です。家庭教師を始めたいと思っているお宅に訪問し、契約を取ってくる仕事でした。私はこのアルバイトで驚異的な成績を上げました。社員や他のアルバイトは5件に1件決めれば良い方でしたが、私は成約率70%以上、連続で20件以上決めたこともあります。もちろんそのまま社員になってほしいと言われましたが、卒業後もバンドがやりたくて断りました。

少し話がズレてしまったので元に戻します。そのような営業の素地があったこともあり、私はそのトヨタグループ商社の子会社でも良い営業成績を上げていきます。既存顧客フォロー中心の会社でしたが、私は自ら志願して、新規開拓営業も始めました。そしてそちらも成功していきます。しかし、ここで問題が起きました。私がどれだけ営業成績を上げても、同期の社員とボーナス額が一緒だったのです。親会社との給料格差は受け入れるとしても、これでは(給与の面だけ考えると)やればやるだけ損ということになります。(実はその考えは間違っているのですが、今回の記事では理由は割愛)

ここで私は気付きました。「ここは俺の居場所ではない」と。大学の家庭教師のアルバイトのように、歩合で成績に応じて給料が決まる方が俺には向いている。そう思ってリサーチを始めました。そこであるキーワードに辿り着きます。それは、「外資系」です。どうやら外資系は、デキる奴なら20代で年収1000万円以上もらえるらしい。それが当時の私がたどり着いた結論でした。一方で営業には自信がありましたが、英語が全く話せない。どうしたものか?そうだ!話せることにして面接を乗り切り、後で勉強して帳尻を合わせればいいんだ!と考えました。いま思えばとても浅はかです笑。

私はすぐにオンライン英会話を始めました。会社に行く前にフィリピン人の先生と30分話す。最初は全く話せませんでしたが、3ヶ月、半年、一年も経つとそれなりに話せるようになります。私の唯一の長所は、「継続できること」です。そして間もなく外資系企業へ転職でき、その後独立しました。

前置きが長くなりましたが、20代前半の私にとっての正しい努力とは「英語の勉強」でした。英語と持ち前の営業力を掛け合わせることで、外資系半導体商社でも活躍でき、最年少マネージャーにもなり、その後独立し紆余曲折を経て、1年間で半導体を43億円売るまでに至りました。

私が働いていたトヨタグループの会社はとても良い会社でしたし、そこで学んだことも数多くあります。しかし、私はそこで努力して昇進する道ではなく、自分の力でどこまで行けるかを試す道を選びました。これはどちらが正しいとかではなく、何をしたいかという話です。

あなたのいる会社は、あなたの努力が最大限に報われる環境ですか?そして、あなたの努力の方向は正しいですか?そして、そのまま進んでいけば、あなたの夢にたどり着けますか?

答えがYesなら突き進もう。Noならば、勇気を出して今の環境から飛び出そう。