マネージャーであることを言い訳にせず、手を動かし続ける

※この記事はLayerXが重要視する価値観のひとつである「Trustful Team」をテーマとした「LayerXアドベントカレンダー2023春」の30日目の記事です。

前回は@y_ukkyyさんのコトに向き合い、Trustfulな組織を実現するために』でした。次回は事業開発チームnoriさんによる記事です。お楽しみに!

すべての経済活動をデジタル化したい@yu-ya4です。2022年9月に機械学習エンジニアとしてLayerXに入社してから気づけば半年以上経っていました。時の流れは恐ろしく早い。

宣誓

この4月から機械学習チームのマネージャーを務めることとなりました。また、本日30歳を迎えました(信じられない)。このブログは、LayerXアドベントカレンダーという場を借りた、そんな私の今後の働き方についての宣誓です。

「マネージャーであることを言い訳にせず、手を動かし続けます。」

言いたいことは以上です。少しだけ背景も記します。書いてるうちに少しでもなくなった。

「マネージャーは手を動かすべきではない」という考え方

マネージャーとはとても忙しいものです。プロダクトや組織、技術など広く責任を持ち、様々な問題解決や意思決定に取り組みます。短期と中長期の両方の視点で戦略を練り目標を設定し、具体的なプロジェクトの管理からメンバーの体調やモチベーションの管理、評価や育成、採用などなど、チームの成果を最大化させるために必要なことをなんでもやるマンです。自ずとミーティングは多くなり、カジュアル面談や選考に費やす時間は増え、名前のつかないタスクや調整業務に追われ気づけば1日が終わっているなんてことがざらにあります。

私は前職でも開発組織のマネージャーを務めており、誇張なしで業務時間の8-9割ほどはなんらかのミーティングで埋まっていました。だからと言って無駄なミーティングでいっぱいだったかというとそうではなく、今思い返してみても大半が必要な時間であったように思います。その結果、これだけやるべきことの多い役割において十分にその責務を果たすためには、「マネージャーは手を動かすべきではない」のかもしれないという考えを持つようになりました。そして業務においてほぼコードを書けておらず、技術的なインプットやアウトプットがどんどん減ってしまっている状況を、マネージャーであることを言い訳にして無理やり納得させている自分がいました。

この考え方は今でも間違っていたとは思いません。同じマネージャーという役割でもその個人の能力や特性、組織の状況やチームの性質などによって求められるスタイルは様々でしょう。ただ、当時の私は少なくとももうしばらくはエンジニアとして手を動かし続けたいという思いが強く、LayerXに入社する際にはICとして次のキャリアを歩むことを決めました。

LayerXの手を動かすマネージャーとそれを実現するTrustful Team

そうしてLayerXに入社した私が目にしたのは、あらゆるマネージャーが自らめちゃくちゃ現場で手を動かしている姿でした。代表取締役CTOの@y_matsuwitterをはじめ、取締役の事業部CTO/CPOの@mosa_siruや執行役員の@snamura、そして各チームのエンジニアのマネージャーはめちゃくちゃプロダクトのコードを書くし、当たり前のように日々新しい技術に触れ検証をしています。セールスのマネージャーはめちゃくちゃお客さまと商談・ヒアリングしています。それでもチームはうまく回っていて、すごいスピードで新しいプロダクトや機能がリリースされるし、新しくその価値を実感してくださるお客様がどんどん増えています。

このような状況を作り上げている要因のひとつとして、LayerXが現場を大変重視している会社であることが挙げられます。ビジネスなどで解決すべき課題およびその答えは常に現場にあります。実際に現場に出て声を聞いたり、あるいは現場を体験することで一次情報を浴びて初めて真の課題解決に近づくものと考えています。代表取締役CEOの@fukkyyをはじめ、本当にたくさんのメンバーが現場を大切にしているなと仕事をする中で日々感じます(試しにslackで「現場 from:@fukkyy」と検索するといっぱい出てきました)。そして、それはもちろんマネージャーも同様です。むしろ、戦略を考えるマネージャーこそ現場を知るべきなのです。目の前のいわゆるマネージャー業務にいっぱいいっぱいで、現場から離れてしまったマネージャーが考えた戦略どおりに実行したところで、果たして本当に良いモノが作れるのだろうか、いや作れない。

実行と戦略をわけない / LayerX羅針盤より

一方で、現場が大事だからマネージャーもみんな現場に行って手を動かそうという考えだけが先行してしまうと、大抵の場合は知らず知らずのうちにチームの状況が悪くなってしまい、最悪の場合組織崩壊に繋がってしまうこともあるでしょう。ではなぜLayerXがそうならないかというと、行動指針のひとつである「Trustful Team」を皆が大切にしている、それに共感して実行できるメンバーが集まってTrustfulなチームが形成されていることが大きな理由だと感じています。

Trustfulなチームにおいては、高いスキルを持つそれぞれのメンバーがプロフェッショナルとして妥協せず、時にはシビアな判断も含めて戦略を自立的に実行します。そのためには互いを深く信頼しあうことが必要であり、透明性のあるコミュニケーションを徹底する必要があります。LayerXではそれをメンバー間はもちろん、マネージャーとメンバーの間でも高いレベルで実現できているからこそ、マネージャーの干渉を最小限にとどめた上で、組織全体がコトに向かい重要な課題解決に取り組めているという実感があります。

行動指針 Trustful Team /  LayerX羅針盤より

もちろんマネージャーがマネージャー業務を放棄しているわけではありません。マネージャーとして必要なメンバーのケアは丁寧に行われますし、評価における期待値の擦り合わせなど重要なことはきちんと行います。ただ、あくまでチームメンバーを信頼し信頼される、そうたらしめるために必要なことを全員が高いレベルで凡事徹底することで組織全体で自立的な戦略の実行が行えているのです。その結果として、マネージャーも含めた全員が現場で手を動かし続けることができているのです。

その他にもこの組織を成立させる上で重要な指針・考え方はたくさんありますがここでは紹介しきれませんので、気になった方はこれらがまとまった LayerX 羅針盤をご覧ください。あるいは現場のメンバーと是非お話ししましょう!

LLMの潮流で再認識した手を動かすことの重要さ

最近、自分で手を動かすことの重要さを再認識した出来事がありました。みなさんご存知の通り、ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の発展には目を見張るものがあります。目まぐるしいスピードで新しいアップデートがリリースされ、それらを活用するためのツールや活用事例が毎日のように新しく出現しています。LayerXは比較的早い段階でこの重要性と可能性を認識し、組織として投資をし始めました。

特に代表取締役CTOの松本は毎日寝食を忘れるほどの勢いで一次情報に触れつつ実際に自分の手を動かして様々な検証を行い続けています。松本と話したりslackのやりとりなどを見ていると、本当に高い解像度で今の状況を理解しているなと感じますし、事業や社会の発展に繋げていくための思考の深さも並々ならぬものです。またそれらを社内外に発信することで、結果として彼の元にはさらに情報が集まり、様々な機会が訪れています。気づいたら LLM Labsというチームまで立ち上がっていました。その圧倒的な手を動かす姿勢を、私では比べものにならないくらい多忙な状況で貫いていることが、正直めちゃくちゃ悔しいです。

この会社としてのLLMへの投資が結果としてどう転ぶかは分かりません。全くの不発に終わる可能性もあります。しかし、この高い不確実性を伴いつつも大きな可能性を感じる状況において、まず手を動かし続けることで得られたものはとても大きいのではないかと感じています。

というわけで、手を動かしていきます

最初の宣誓に戻りますが、「マネージャーであることを言い訳にせず、手を動かし続けます。」もし松村がサボっていたらこのnoteのリンクを送りつけてやってください。頑張ってたらたまに褒めてあげてください。

マネージャーが現場で手を動かし続けられるTrustfulなチームを一緒に作りましょう

LayerX では全方面で絶賛採用中です!そのような環境を魅力に思っていただけた方、興味を持っていただけた方、一緒にTrustfulなチームで働けることを心待ちにしております。まずはぜひカジュアルにお話ししましょう。TwitterのDMやLayerX Open Door などから気軽にご連絡ください!


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