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読書感想:20代で得た知見

1.概要

1-1.本の情報

  • 題名:20代で得た知見

  • 著者:F

  • 発行:株式会社KADOKAWA

1-2.内容

「二十代の人生は、忘れがたい断片にいくつ出会い、心を動かされたかで決まる」私はその断片を「二十代で得た知見」と名づけることにしました。(中略)「二十代の内に知っておいた方が良いこととはなんですか」と私は数百名の方々に訊ねました。セレブに無名無色、社長、末期癌患者、善人悪人極悪人一切問わず訊ねた。そんな私の断片と、彼らの断片を集めたもの。(本書「ご挨拶」より)

1-3.著者について

F
1989年11月生まれ。神戸出身、新宿在住。男。著作に『後日分かれる。でもそれは今日ではない』『真夜中乙女戦争』(ともにKADOKAWA)(表紙より)

2.感想 ※微ネタバレ注意

  • 前々から、本屋の目立つところに置いてあったため、存在には気づいていた。Instagramの読書好きなアカウントにも、登場していた。某中古本屋にたまたまあったため、購入した。

  • 内容は、抽象的で詩的な言葉の集まりだった。久しぶりの詩的な文章だったため、むずかゆくなったが、負けずに読み進めると、慣れてかゆみを感じなくなった。

  • 本には、私の中からは出てこないような言葉の結晶が詰まっていた。人生のこの場面に役立つ!と言える知識はないが、何に役立つか分からない抽象的なものを得られる本も、中々ないのではないだろうか。人生の考え方など、面と向かって人に聞くことは少ない(というか、聞けない)。本を通して、様々な人生観に触れることができるというだけで価値を感じる。

  • この本は、電子書籍ではなく、リアル本を購入したほうが良い。表紙のざらざらとした感触、内容によって変わるページの色、まれに挟まる写真。こだわりを感じて、良い本を手にしたと実感する。

  • 人生に対して、「※個人の感想です」という注釈がつきまくる、偏った考えが集まっている。20代以下の人は「へー、ほー、ふーん」と人生の解像度を高めて、20代より上の人はうなずいたり、反論したり、20代に向けて書けることを考えたりして、楽しめそうだ。

  • 好きなものをキリがないが、以下好きなものの一部である。
    「6 色気と違反」
    「25 ここに五人の人間がいる」
    「全二十代に捧ぐ55の知見」
    「59 審美眼とは違和感の事である」
    「39 矛盾を愛する2」
    「46 時にマックイーンを誰よりも美しく思う」
    「51 夢が破れた人間の話をしよう」
    「54 才能と呼ばれるものの正体」
    「77 大人の義務」
    「93 もう二度と会えない、という猛毒の花束」
    「112 真昼、三トントラックに真横から吹っ飛ばされて」
    「137 年を取るとできなくなること」
    「恋愛に関する55の知見」
    「149 私たちは美しく敗北するために生まれてきたのだ」
    「156 我々が言うべきただ一つの台詞」
    「162 一つ屋根の下で一緒に暮らす行為の本質とは、嫌がらせである」

トップ画像:Black And White Reading Guy - Free photo on Pixabay

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