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読書感想:実子誘拐ビジネスの闇

1.概要

1-1.本の情報

  • 題名:実子誘拐ビジネスの闇

  • 著者:池田良子

  • 発行:飛鳥新社

1-2.内容

多くの先進国では、同居中のもう一方の親に無断で子どもを連れ去った親には重罰が科される。場合によっては親権も剥奪される。「実子誘拐」などという子どもの利益を損害する親は、親として不適格なのだから親権は剥奪されて当然との考えだ。(中略)
一方の日本は、先進国の仕組みとは真逆。離婚後の子どもの養育をどうするか、夫婦同士で話し合おうとした親は、話し合いを拒否し子どもを連れ去った親から子どもを取り戻そうとすれば、刑事罰を科され、あるいは、離婚裁判で負け、親権を剥奪され、人生を破滅させられるほどの不利益を被る。夫婦の関係と親子の関係をきちんと切り分けた上で、子どものことを最優先に考える立派な親を罰するのが、日本の裁判運用である。(中略)
最高裁判官が出した浅はかな判決のせいで、我々の家庭は、結婚し子どもができた瞬間から、極めて簡単に壊れうるものとなった。そして、この仕組みを利用し、「実子誘拐」ビジネスを考案したのが、いわゆる人権派弁護士らである。彼らは言葉巧みに夫婦一方を唆し、「実子誘拐」をさせるのである―――。(本書より)

目次
第一章 世にもおそろしい実子誘拐の真実
第二章 父親への集団リンチと人格破壊
第三章 ハーグ条約を”殺した”人権派弁護士
第四章 「片親疎外」という児童洗脳
第五章 家族を壊す日弁連という危険分子
第六章 DVシェルターという名の拉致監禁施設
第七章 ”敵”がたくらむ全体主義社会

1-3.著者について

池田良子
ジャーナリスト。ヒューマニスティックな視座で、世の中の不条理や不正義を問う!(表紙より)

2.感想 ※微ネタバレ注意

  • 尊敬する方から、推薦図書としてこの本を紹介していただいたため、購入して読んだ。

  • 衝撃の内容だった。私が生きていた日本社会は、想像以上に残酷で、弱肉強食の世界なんだと思い知った。弁護士の稼ぎ口として、過払い請求ビジネスが流行ったのは知っていた。しかし、次のビジネスが夫婦の対立を煽り、子どもを犠牲にして、子どもの将来に使われるはずの養育費をピンハネする残酷なものだったなんて、衝撃だった。弁護士も生活がかかっているとはいえ、誰かの人生を犠牲にする酷いビジネスだ。一見、DV被害者や子どもを守っているかのように見える分、悪質だ。(本当に救われている人もいる、と思いたい。)

  • 裁判所と検察の密接な関係も驚きだった。なぜ、交流があるのか。また、裁判官の天下り先への忖度も衝撃だった。なぜ、最高裁で利己的な判決が出せるのか。人間に人間を裁くことはできないのかもしれない、と思ってしまった。

  • この本を読んでよかった。日本で起きる「1984年(SF小説)」的な未来を、先に知ることができた。そして「フレンドリーペアレントルール」の存在も知ることができた。私が結婚して子どもができ、離婚する際は、子どものために関係を遮断するような人にならないことを誓う。ホラー小説より、怖い現実だ。

  • ここまでの告発本を出せる勇気が凄いと思った。私だけがこの事実を知った時、社会的抹殺を恐れて、本を出せないと思う。少なくとも、今の私だったらできない。池田さんの社会を変えたい正義感と熱量に感動した。

トップ画像:Pissed Off Grassland Joy - Free photo on Pixabay

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