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年下君にお昼ご飯をご馳走した

三連休明けも朝からくたびれまくっている年下君。

慣れない作業が本当に苦痛なようだ。

あまりにも辛そうなので、状況把握と愚痴受け止め用に声をかけてみる。

彼は今にも閉じてしまいそうな重たい目をこちらに向け、近況と進捗と、いまどれだけ辛いかを語ってくれた。

結構吐き出してくれたように思う。

役に立てたならよかったな…とそろそろ引きあげようとしたら、年下君が捻り出すような声で
「ご飯食べたい…!!」
と言ったので、

「ちゃんと食べなよ」と返したあとに「あっ」と察して、

「じゃあお昼買いに行く?」
と助け舟(?)を出したのであった。

息抜きに外に出たかったんだよねきっと。

ゆっくりお店で食べられるほど時間はないだろうから、せめておいしいお弁当でも買いに行こうと提案してみた。

「行こうかな…行きますか…!」
と思い腰を上げる年下君。

目的地まで二人で話しながらふらふら歩いて、おいしいお弁当を二つ買って、「今日はがんばってるから私が」とご馳走してさしあげた。

渾身の「あざっす…」をいただく。(ただし声は小さい)

会社に戻る途中で、三連休の思い出をきくと、どうやら大規模なバーベキューに誘われて楽しく遊んできたらしい。

夏っぽいことしてるなあ!!
いいじゃん!

そしてついでに
「…ちなみに可愛い子いた?」
と聞いてみたら、

「いやその会には全然可愛い子いなくて!ただただ肉を焼いてました」
とのこと。

うん、きっと可愛い子いたらすぐ報告してくるもんね。
「聞いてくださいよ〜!」
で教えてくれるもんね!

だから収穫のなさはなんとなく予想できたけれども、
年下君、今はメンタル的にもその気になれないのかもしれないが、そのへんの女子ではお眼鏡に敵わないぐらいとんでもない面食いの可能性も出てきてしまい(だって相当な大規模飲みだったらしいので)、それはそれで震え始めている。

その後、休憩スペースで二人でお弁当を広げ、最近観た映画の話とか趣味の話をいつも通り繰り広げた。

その後、流れで週末の話になり。
「ちなみに僕金曜体力が限界ですぐ帰りましたけど、釜石さん誰かと飲み行ったんですか?」
と年下君に聞かれた。

「仲良しみんな帰っちゃったから、一人でバーハシゴしに行ったよ!」
と答えると、年下君は
「元気ですね〜」
「お酒好きな人は一人でも飲み行けて楽しそうですね〜」
と少々呆れた様子だった。

「…ねえ、もしかした私が毎週末飲んでると思ってる…?」
と聞き返すと、
「思ってますしそうでしょ。」
とノールックで言われてしまった。

年下君、お弁当のほうしか見ていない。

早くまた年下君を連れて飲みに行きたいのだが、次なる会を主催しないと難しそうだ。

そして、やっぱり年下君は元気がない。

ちょっと具合もよろしくなさそうだ。

話にはしっかり載ってくれるし自分からも話してくれるけども、無理してつき合わせるのも悪いので、早めに平らげておひらきにした。

「お弁当ご馳走でした、ありがとうございました」
と、再びお礼を言ってくれた。

こんなことでよければいつでもご馳走するよ、
いっぱい食べて笑顔を見せておくれ─。

と目を細めて見送って個々に作業を再開し、ちょっと席を外して戻ってきたら、年下君が隣の席に座っていた。

「聞きたいことがあって、引っ越してきました」

何その可愛いの…!

とちょっとだけドキッとしたが、5分と立たず電話がかかってきてしまい、
「ダメだ、引越し中止です…」
と年下君は元いた部屋の隅っこに帰ってしまった。

結局仕事で絡むことはできず、別途リベンジを誓う。

私は今日用事があるので先に帰ってしまったが、年下君、話しかけるたびに覇気がなくて本当に心配だ…。

何せ優しい子なので、気を病みすぎないようにしてほしい。

明日は、何か元気の出るものを差し入れしよう。

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