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アート全体がデザイン寄りになってきてると思うんです。

12月1日(土)19:00-22:30に、下北沢にある『BOOKSHOP TRAVELLER』にて【本屋の未来を語らない】というイベントを開催します。
本や本屋に関わる2人のトークライブ、パフォーマンスや展示など、普段とは一味違う知的で不思議な本屋さんが表れます。
この連載ではトークライブに出る木村と、パフォーマンスで出演する國立、日菜子の3人がインタビューのような、雑談のような、お互いの人柄を知っていく様子をまとめました。
初回:感情を溜めておくために、パッと線を引くみたいに言葉を置くんです。
2回:私の才能が「それはつまらないよ」って語りかけてくる
3回:陶芸家、華道家、画家、彫刻家、わたし
4回:音読を聞いただけで、教科書1冊暗唱できたんです
5回:職人気質の正体とおもちゃ箱
6回:「私」でいるための、闘争と逃走
7回:とにかくつまらなくて、不登園だったよね
前回:変な話、アーティストってそういうものだと思ってたよ

國立:すごくアートって難しいなって思うのは、デザインとアートって全然違うって言うじゃないですか。でも、今アート全体がデザイン寄りになってきてると思うんです。

木村:わかる!おれはデザインのアート化と、アートのデザイン化が起きてると思うんだよ。

國立:両方中間に集まってきてるみたいな?

木村:そう。そしてアートの中にも『ブログ的アート』と『詩的アート』があると思っててさ。

國立:あ!凄い好き。そう言う話。

木村:ブログ的アートと詩的アートがあることに気がついたのは、大野くんの深夜の美術展に参加してからなんだよね。それまではアートを観るとなると、上野の美術館だったんだよ。それでたまに身体が『ゾワッ』ってなる作品と出会うことがあって、それを楽しむのがアートだと思ってた。

【深夜の美術展 vol.11】
都会の喧騒の中でひっそりと、深夜にだけ開催する美術展です。

木村:あとおれは神社とかお寺とかも好きでさ。これってアートではないんだけど、おれの中では同じ領域に入っていて。神社やお寺って、入っていくと『気持ちいいな』とか美術館と同じように『ゾワッ』っとくるような感覚があるのね。
なんかこう、理屈じゃないんだけど、アートも寺社も直接感覚と繋がるような、そういうものだと思ってた。

日菜子:限りなく精神世界に近いみたいな。

木村:そうそうそう!形をした「氣」。それがおれの中でアートが持ってる要素だと思ってたの。

日菜子:「形を持った氣」ってなんかいい言葉ですね。

木村:神社の形をした「氣」というか、本当はその場所一体がそういう場所で、神社はシンボルなんだとは思うんだけどさ。そういうのが、アートの定義だと思ってたんだけど。そうじゃなくて『自分はこれを言いたい!』とか『これを主張したい』ってことを、アートの形で表現してる人たちもいるんだ。そういう表現もアートなんだって、アートの概念がひゅっと広がったの。

國立:へぇー。

木村:それでおれは「形をした氣」の方を「詩的アート」、自分の主張をアートで表現しているのを「ブログ的アート」って呼んでる。

國立:あー。分けて。

木村:ブログって『こんなことを発見したよ!』とか『こんな素敵な情報があるよ!』みたいなだと思うんだけど。主張を文章でするのがブログで、主張をアート作品を通じて表現するのがブログ的アート。もちろん詩的とブログ的でどっちがいいとか、どっちが偉いとかって話じゃなくて、この2つは分けて捉えた方がいいなと。

國立:ああ…。その分け方は私にとってはとても興味深いのだけども。

木村:國立さんのはもっと、違う?

國立:いま聞いた感じだと、ブログは『発見した喜びを伝えたい』っていう感情を書きたいわけじゃないですか。一方の詩的アートが指す『詩的』って『強い感情から基づくもの』と定義したときに、そのブログ的アートも最終的には感情にいきついていると思って。2つがどこで分かれ道になっているかって、実は結構大事なのかなって。実は違いってすごい曖昧なのかなって聞いてて思ったんだけど。

木村:ブログはメリットとかに近いんだよね。利益、便利さ、役に立つ、正しさ、みたいな。

日菜子:論理的に説明できたり、メリットデメリットがわかりやすいとかかな。

木村:詩的アートはもっと、無形であるとか、見えないもの、みたいな感覚がある。ブログの方が理解可能性があって、詩の方が理解不可能性がある。

國立:とても難しいなって思った1つの理由が、アートとか全ての事柄は、最終的には全部感情に基づいて発生している。感性的というか。

木村:それで言うと、ブログ的アートは理性的とも言えるかもしれないな。

國立:人間と感情はどうしても切り離せないものだから、詩的っていうのをどう表現すればいいんだろうと思って。

日菜子:理性的アートと感情的アートみたいな?

國立:うーん…とも違うのかも。感情が湧くための大元になる感じ方とか、今まで培ってきた経験とかがあって、感情がある。そうして出てきたものを直接表現しようとしたものを詩的と言うとするでしょ。これにプラスで自分の立場とか、何かメリットを得たいとかが入ってくると、ブログアートなのかな?

木村:うん、そうとも言えるかも。

國立:何が違うかっていうのは、このメリットとか理性的な部分だと思うんだけど。感情を詩的に表現する時も、考えてないかって言われるとそんなことはなくて、むしろ考えてる。だから多分すごい難しいラインなんだなあ。もうちょっと、決定的に分かれる表現があるかなあとちょっと今考えてました。

木村:ブログアートはメリット云々というより、作った目的を明確にできるってことかな。『これはこんな意図で作りました』っていう。それに賛同できるかどうかは別かもしれないけれど、議論を巻き起こすことを目的としているというか。

國立:あーなるほどね

日菜子:例えばそれ、どんなブログ的アートってどんなのがあるんですかね?


【詩的アートとブログ的アート】
に続きます。


お知らせ
12月1日(土)19:00-22:30に、下北沢にある『BOOKSHOP LOVER』にて【本屋の未来を語らない】というイベントを開催します。

詳細はこちらのイベントページへ

イベント名【本屋の未来を語らない】

▶概要
どんな未来になるか語っても、予測することはできません。どんな未来を作りたいか考えて、そのために行動する。
本屋さんの未来は自分たちで作ることができます。トークライブやパフォーマンスや展示など、普段とは違った本屋さんを作るイベントです。

▶日時
12月1日(土)19:00-22:30

▶タイムテーブル
19:00open
19:30start
19:30-20:00 第1部トークセッション
20:00-20:10 休憩/交流
20:10-20:50 第2部 パフォーマンス
20:50-21:05 休憩/交流
21:05-21:45 第3部 パフォーマンス
21:45-22:00 休憩/交流
22:00-22:15 第4部 パフォーマンス
22:30-23:00 交流
22:30 close

※途中参加・途中退出可能です。
※タイムテーブルは当日変更になる可能性があります。

▶内容
1.トークセッション
BOOKSHOP LOVER 和氣さん×korekore木村さん

2.パフォーマンス
イベントページ内で随時告知していきます。

3.展示
イベントページ内で随時告知していきます。

▶参加費
一律3,000円(1ドリンク付き)
パフォーマンス参加、展示参加、一般参加全て一律料金になります。

▶会場
BOOKSHOP TRAVELLER

▶住所
東京都世田谷区北沢2-26-7アパートメントストア1F

▶参加募集
(1)パフォーマンス出演
1組あたり最大10分になります。
参加費は参加人数×3,000円が必要になります。機材はスピーカーのみご利用頂けます。

(2)展示
絵画、写真、イラストなどジャンル、テーマを問わず募集しています。
出展スペースは90cm×90cm目安、点数はスペースに収まれば何点でも大丈夫です。
販売可能、販売手数料なしになります。
展示に必要な機材(釘、金槌など)は各自持参でお願いしています。
細い釘、虫ピン、押しピンは使用可能です。(太い釘は使用できません。)

▶ポスターデザイン
大鐘ハル(HRQ RECORDS)
https://twitter.com/haru9pic

▶主催
劃桜堂(かくおうどう)

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