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育てることに苦手意識のあった私がクローバーを育ててみた

ひょんなことからクローバー栽培セットなるものを入手した。

高さ10cm、直径8cmの円柱型のカップに、土とクローバの種が入っている。

カップの中に土を入れ、水で濡らし、タネを撒いてしばらく置いておくと、芽が出てくるというものであった。

私が今まで植物を育てたのは、小学生の時の朝顔とミニトマトくらいしか記憶がない。
それもほとんど母に手伝ってもらっていた。

大人になり一人暮らしを始めて、一度育てやすいからと多肉植物を頂いたことがあるが、放っておくことができずに水をやりすぎてダメにしてしまった。

そんな私だったが、今回は植物を育てたいという気持ちが湧き上がってきたのだ。

入手したのが10月の終わりだったので、なんとなく語呂の良さそうな11月11日にタネを植えることにした。

最初の2~3週間はうんともすんとも言わず、何の変化も起きなかったので、
水のやり方がダメだったのかなとか、
寒い時期に植えちゃったからかな、
という不安が湧き上がってきた。

が1ヶ月が過ぎた頃、やっと小さな芽が出たのを目にし、心が震えた。

私にもできた!という謎の自信が湧いてきた。

ちっちゃなちっちゃいけど芽。12月9日撮影(約1ヶ月)


そこから少しづつ成長を遂げ

1月11日撮影(2ヶ月)

クローバーと呼べるものに育った!!

ここまで長かった。

2月14日撮影(約3ヶ月)


四つ葉のクローバーが育つ。

幸せのお裾分け。

そして春になって気温が上がってくると、植物も元気になってくるのか成長スピードが早まり、
にょきにょきと3つ葉も4つ葉も5つ葉も関係なくたくさん出てきた。

3月18日撮影(約4ヶ月)

どんどん生えてきて競うように成長を続けるクローバーたちに、一生懸命生きようとしているその生命力に、少し恐怖を覚えるほどであった。


それからまた3週間ほど経った頃、今度は蕾が出てきた。

4月5日撮影(約5ヶ月)

初めはなんだかわからず頭に?(ハテナ)が浮かんでいたが、
そうかクローバーはシロツメクサだったと思い出し、あの白い花が咲くんだと今ワクワクしているところだ。

まだ一つしかない蕾。

小さい頃、近所にシロツメクサがたくさん生えていて、冠を作って遊んでいのを思い出した。

あの頃は躊躇なく花を摘んでいたが、今はそれが惜しく思えてくるほどこのたった一つの蕾が愛おしく感じる。

それは自分が愛情を持って育てたという気持ちと、5ヶ月間という時間がもたらしたものであろう。

植えてすぐに蕾が出てきていたら、この気持ちは感じなかったに違いない。

ものごとは一朝一夕では進まないことの方が多い。

でもだからこそ、芽が出た瞬間も、花が咲いた瞬間も、
言葉では言い表せない最高の気持ちがあり、
そうすると花が咲くまでの過程も(実際はどうであったにしろ)よかったのだと思える。

人生は過程の連続だと。

だから過程を楽しめると、もっと人生は楽しくなる
(もっと言えば、どうしたらその過程を楽しむことが出来るか、自分なりに工夫することである。)

その日が頂点のように思えるような花が咲いた日は、喜びを存分に感じよう。

そして、そのあとは、

まだまだココは通過点にすぎないのだと、最高と感じたその日さえもこれから起こることの過程の一つなのだと。

だからこそこれからも生きいくのだと。

このあとこのクローバーはどんな成長(過程)を辿るのか。

おおげさではあれど、今回クローバーを育ててそんなことを教えられたような気がする。


#創作大賞2023 #エッセイ部門

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