3枚900円のしまむらのパンツ 【17.3 about a sex 第1話を見て 】

最近、いつからセックスという言葉が現実的な意味を帯びるようになったのかについて考えることが増えた。そんな時今話題のabemaオリジナルドラマ17.3 about a sex を視聴して感銘を受け、誰かと意見交換をしたいなどと考えたものの友達とそんな生々しい話をしていいものなのか葛藤し、感想を含めた自分語りnoteを書区ことにした。生々しい話が苦手な方は見るのをやめてください・・・



小学生【初めての出会い】

 小学生の時、少女漫画で見たり友達のお姉ちゃんから聞いたソレは異世界のお話だった。未知の世界。バラエティ番組で海外の生活や文化について紹介して自分たちとの差に衝撃を受けることと同じ。友達と「自分の親がそう言うことして自分子供は育ててみたいけどそういうことしなくちゃいけないのはちょっと気持ち悪いよね」、って話をしたことは今でも鮮明に覚えている。
 こんな気持ち悪いことをしなくちゃいけないなんて。家族以外の人に自分の裸を見られて触られて。自分の意思でもそうでなくとも変な声出すのは気持ち悪いし、どんな漫画を見ても男の人は冷静になったら絶対こんなこと言えないだろうなみたいな言葉をベラベラ耳元で言ってくるからすごく気持ち悪かった。何よりもお父さんとお母さんがこんな気持ち悪いことしたおかげで私が存在するという事実もなにより不快だった。こんなこと言ったらもう12歳なのに何言ってるのって思われそうだけど知識を知った上でやっぱりコウノトリさんが運んできてくれないかなと思った。そして、「これは悪いことなので、絶対に大人に知られてはいけない事」という暗黙の了解が頭の中にあった。保健の授業で生殖的な意味として習ったことはあったけどそういうことするなんて誰も教えてくれなかった。よく学校教育での性教育がタブー視されているが、まさに自分と周りの友達の性知識は全てまんがとまとめサイトから習ったものだった。だから父親と一緒におおかみこどもの雨と雪を見に行ってオオカミ男と女の人が行為をするシーンがあった時、すごく焦ったし恥ずかしかった。普段テレビ見てたらシーンってなるか何事もなかったかの様にチャンネルが変わるかなのに映画館となると逃げ場がないから。

中学生【でもまだ関係ないし】

 中3になった時、意識の高い先生がいたからか、はたまた最近やたらカップルが増えたことを危惧した先生がいたからかわからないけど学年集会で産婦人科の先生をお招きして性知識に着いての講演を行った。性行為及び性知識に対する罪悪感はその時になくなったし話聞く前は誰が企画したんだよwwwとか意味深すぎる、とか自分も含めどこかちょけていた雰囲気があったけど思いのほかみんな真剣に話を聞いていたし体育館を出たあとに今の話やばかったよな、みたいな話も一切なかった。今思うと4年前の公立中学校にしてはとても進んでいた。だけどやっぱり産婦人科の先生も上に書いたような「気持ち悪いコト」をするだなんてことは一言も言ってくれなかったし罪悪感こそなくなったもののファンタジー感他人事感は依然として強くあったし周りもそんな感じだった。

高校生・大学生【ガキなのは私だけ?】

 なのに高校生になった途端
「〇〇と〇〇は最後までやったらしい」「××ちゃん生理来てなくて焦ってるらしい」「あいつ他校にセフいるって」「おれこの前童貞卒業した」「あそこのホテル年確ないよ」
急に皆この世に存在して当然かのように話すじゃん。怖い。え?ガキなのは私だけ?ビビってコウノトリさんとか言ってるの、私だけ?だれも教えてくれないだけでみんな「気持ち悪いコト」してんの??どこで学んだ?いつからそういう話していいの??知らないだけでみんな知ってる??
大学生になるとその不安は焦りになった。みんな彼氏いるし。なんかみんなお泊まりストーリー載せるし。もうフィクションでもファンタジーでもなく、コウノトリさんはいないことを受け入れなきゃな、って流石に思い出した。
18年彼氏いた事もそういうことになったこともないのはヤバいのかなと思ってTinderを入れたけど怖くなって1ヶ月で消した。きっとこの人たちは自分じゃなくて自分の体にしか興味無いんだろうな、「モノ」なんだろうな、って。最近はある程度正しい知識を身につけることも出来たが、ずっと抱えていたイメージや焦りは簡単には払拭されなかった。人のせいにするなとも思うが18歳になるまで正しいことを学べる場がなかった・学ぼうとすることは悪いことだという雰囲気からだった。

17.3【そっか私18か】

そんな時にAbemaTVオリジナルドラマの17.3の放送が開始された。もう放送が始まってだいぶ経つし何度も話題になっているため知っている方もたくさんいると思うが、【とあるサイトを見て初体験の平均年齢は17.3歳だと知り、今までそれぞれが抱えていた「性に対する曖昧な価値観」が揺らぎ始めた17歳の女の子3人が初めて性について向き合い、葛藤していく】といった内容だ。
まだ1話しか見ていないけど本当の知識がわからずネットサイトを鵜呑みにしてしまう女の子、教室でAVを見る男の子、あることないこと広められるLINE。構成する全てが12年間の学生生活の中どこかで見たこと感じたことがあるものだった。自分は特に主人公の1人である咲良ちゃんのお母さんの言動に特に強いそれを感じた。バラエティ番組で動物の交尾の映像が映った瞬間焦った顔してチャンネルを変えるお母さん。商店街の安い3枚セットの下着を買ってくるから咲良ちゃんは下着を自分で買ったことがない。「もう17なんだから自分で下着を買う」と言っても「まだ17だから子供です」と言って話を聞いてくれない。

母親と娘【18歳は大人ですか 子供ですか】

私もまさに咲良ちゃんと同じでテレビでそういうシーンが出てきた瞬間シーンってなって焦って何事もなかったかの様にチャンネルを変えられるしお母さんに買ってもらった3枚900円のしまむらのパンツとユニクロの真っ白いタンクトップしか持っていないような環境で育った。
嘘、持ってるには持ってる。高2の修学旅行の時に恥ずかしくないよう上下揃ったフリフリとリボンと刺繍のついたかわいいやつを何枚か買ってもらった。ひなびたもの・ダサいものしか着たこと無かった上に生きててブラをつけたことがなかったから大人になったような気がして嬉しかった。だけど修学旅行から帰ってきたら何故か「あんたにはまだ早いから」と母親が普段の下着入れとは別のどこか知らないとこにしまわれた。今でもどこにあるかわからない
その後可愛い下着着たい、とそれとなく話したら「誰に見せるの?」って言われたので、諦めて元のしまむらのダサいパンツを履く生活を送ることにした。
 高校生ならともかく今はバイトしてるんだし自分で買えやって思った人もいると思うけどうちの家はなぜか18の大学生になっても毎月お小遣い帳をつけて親に見せる義務がある。使用用途 下着:出費 1500円なんて書いたらまあ間違いなく無駄なものにお金使ってるんじゃない!って怒られるか色気づいた!とか変態だとか笑われる・思われるかもしれない。だって普段3枚900円のパンツの女とユニクロのひなびたキャミソールの女なので。もしお金を頂けるなどお小遣い帳に書かずとしても買える手段が手に入ったとしても実家暮らしなので洗濯だったりで絶対いつかはバレる。お母さんが察してくれたとしても弟やお父さんに見られたら?大学卒業まで逃げ場がない。
 修学旅行は高2の6月に行われた。私は2月生まれ、16歳と3分の1。もちろん友達にはもう17の子もいる。まさに17.3ドンピシャって感じの年代だった。
 今私は18歳。まさか大学卒業までそういうことは悪いことって思ったフリしてしまむらのパンツを履かなきゃいけないのかな。と怖くなった。

終わりに

このドラマが10代の女の子に人気のあるAbemaTVで放送されることによって、自分のように性に対する曖昧な知識故に苦しんだり悩んだりする女の子が減ってほしい。そして、下手にタブー視されたりそういう話が気持ち悪いことだと思われることなく正しい知識について共有できる世の中に変化する大きなひとつのきっかけともなって欲しいな。

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