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アジアカップ予選問題でお粗末な対応に終始したJBAとBリーグ、問題を追求しないバスケメディア

2月17日から23日までバブル方式(一箇所での集中開催)にて開催される予定だったアジアカップ予選。

しかしカタール国内での感染状況、出場を辞退する代表チームの続出、既存の各国リーグのシーズン中の中での開催、日本では緊急事態宣言下においての海外渡航による影響など様々な問題があり、中止に繋がりました。

またこの一連の流れにおいてJBAやBリーグサイドの対応にも首を傾げるような問題点が目に付きました。いくつかポイントを整理して語りたいと思います。


①原則1クラブから代表メンバー1人のはずが…代表選考の不透明さが浮き彫りに

今回の代表メンバー選考は、緊急事態宣言下による海外渡航の難しさ(一度日本を出国すると隔離期間が生じる)も相まって原則1クラブから1名というルールが設定されていました。Bリーグの中断中にクラブから代表選手が抜けるとなると戦力的なダメージが残るという観点からです。

ところが実際の代表選考メンバーでは千葉と川崎は代表選手を出さないという不可解な発表に。当然ながら代表選手を出している他のクラブと比較すると公平でないのでは?という意見がでました。

またこのメンバー発表に関しても何故かJBAから一括してのメンバー発表という形ではなく、各クラブが代表に選出された選手を発表するという小出しするような形。

このメンバー発表方式については「情報管理の点においてJBAからのリリースは控えさせてもらいます」という理解に苦しむコメント。情報管理についてと言いながらクラブから発表させるというやり方も矛盾しているように思えました。

何より代表活動を行うJBAから代表メンバーを発表しないというのは本末転倒かつ理解に苦しむところです。協会への批判や説明責任を回避する為ではないか?と捉えられても仕方ないと思われます。

(何故か千葉と川崎からは代表活動不参加というリリース。これらについてJBAからの説明はなく、代表選考において不透明さが改めて浮き彫りとなった。)


②アジアカップ予選に参戦する意義、FIBAへの過剰な忖度

今までアジアカップ(アジア選手権)はワールドカップやオリンピックの出場権のかかったコンペティションとして重要視されてはいました。

しかしFIBAがワールドカップの予選を一極集中開催する方式から、各節(ウインドウ)ごとに予選を戦い出場国を決めるという方式に変更することで、大陸選手権大会の位置づけは大きく低下。

大陸選手権大会にコロナ禍の中でのダメージを受けてまで出場する意義も大きくなく、カナダは一時予選出場を見合わせる方針を発表するなど、各国の大陸予選への熱量も極めて低い現状です。

実際アジアカップ予選でも今回台湾やマレーシアがFIBAからの制裁や罰金を覚悟してまでも不参加表明したわけで、FIBAのガバナンスや大会運営のお粗末さがうかがい知ることとなりました。

元を辿ればFIBAからの制裁を受けてから、現在のJBAという組織があるわけで、FIBAのガバナンス不足はいわば必然的にJBAのガバナンス不足へと繋がっていくわけです。


③一連の問題について情報を発信しない&JBAへの取材や責任追及をしないバスケメディア

今回のアジアカップ予選中止に至るまでの情報やニュースは主に台湾やフィリピン、韓国といった海外メディアからのタレコミが中心でそこから我々一般のバスケファンが知るというパターンが続きましたが、日本国内のバスケメディアからは全く情報発信はなかったという異常さも浮き彫りになりました。

マレーシアや台湾が出場を辞退するという話は早い段階から出ており、これだけ時間がありながらJBAについてアジアカップ予選の開催可否について取材や情報調査をしないバスケメディアはやはり本来なすべき仕事を果たしていないと言われても当然でしょう。

一般的なバスケファンである我々は自国からの情報発信がなされず、バスケメディアが仕事をしないために、本来知りたい情報が聞こえず宙ぶらりんの状態で待たされるという異常状態を強いられたわけです。


④ツッコミ要素満載のJBAからのお粗末なリリース内容

今回のアジアカップ予選の中止が正式決定されてからJBAから公式リリースが発表されましたが、その内容もツッコミどころ満載でした。

先述したとおり、アジアカップはオリンピックと直接的に繋がりはないにも関わらず、虚偽と取られかねないような説明をしています。

また三屋会長や東野技術委員長、ラマスHCのコメントもお粗末の極みであり、ファンが本当に知りたい聞きたい話(代表選考の不透明さや予選中止までの自国からの情報不足など)には一切言及せず。

我々が知りたい聞きたいのは"日常を世界基準に"や所属チームに感謝などといった言葉ではなく、「JBAは中止決定までに何故リリースを出さなかったのか?」「代表選考において不可解な発表があった」ということへの答えであります。無論そこを追求するバスケメディアも皆無なわけですから。


総評・まとめ

情けないことに、正式リリースが発表されてからFIBAやJBAへの対応を疑問視するコメントを残すバスケメディアもちらほらと見かけましたが、それ以前に何度も追求する機会はあったのだから、後出しジャンケンだろ?という冷めた見方しかないです。

今回の一連の流れで再び浮き彫りになったJBAやBリーグのガバナンス不足。この状況は依然として改善されない為に、今後も様々な問題が起きるでしょうし、その後の対応も後手後手に回るのは目に見えています。

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