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文学の落下点┊ novel

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#詩

詩┊ 『白昼夢のりんご』

詩┊ 『白昼夢のりんご』

せんせい、こども、はと、さよなら。
りんごのあかさをわすれてしまいたい。

わたしは生きようと云った
深夜2時半、やっと鉛に溺れていたからだを起こす
海はわたしを溶かしていたのにちくちくする何かが心の臓を貫いた

やさしくなるためにがまんします
あらそいをたやすためにすべてをゆるします
いたみもちもどごうもなきじゃくるこのこえも

わすれたい

りんごが青くてもいいのに
わたしは赤くなきゃいけない

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