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さくらももこ展と分人主義とバチェラー

さくらももこ展で原画を読みながら、頭の中でそれぞれの登場人物たちの声が聞こえてきた。

まるちゃんはいつも心の平穏を保ってくれて、コジコジはいつも勇気をくれる。さくらももこさんが生み出したキャラクターに日々を支えられている人は多いはず。

星野リゾートに入社して、わたしは星のや竹富島に配属された。地元を離れる日の朝。早朝の使い慣れた地元の駅のホームにふたりの親友が見送りにきてくれた。そのときにふたりがくれたのがコジコジの漫画だった。それからずっと元々好きだったちびまる子ちゃんに加えて、コジコジが大好き。

「どこに行っても、ゆうりはずっとゆうりだよ。」

コジコジのセリフになぞらえて、そう言ってくれたふたりの顔を忘れたことがない。どこに住むことも、どこへ旅することも、誰といることも、ひとりきりの時間も怖くないのは、わたしはいつだってわたしなのだと思えるから。どれもわたしで、どのわたしもふたりがいつも抱きしめてくれるから。

まるちゃんとコジコジ

愛読している平野啓一郎さんの本の中での分人主義の考え方が好きだ。一緒にいる人や、場所や、状況で自分の振る舞い方とか、性格とか、少しずつ変化しているけれの、どんな瞬間も自分で、だから、どの自分が好きなのかを見極めて、できるだけ長く好きな自分でいよう、というようなことが書いてある。

余談だけど、大好きなバチェラーシリーズのシーズン最新作も顕著にこの話と通ずるなと思った。相手によって全くキャラクターが変わるバチェラー。ラストに残った女性おふたりは全く違うキャラクターで。きっと最後に選んだお相手といるときの自分がきっといちばん好きだったのだと思う。視聴者的にも合点はいった。

正直途中までは前回のほうがバチェラーが圧倒的で面白かったなとか思っていたんだけど、最終話は泣けた。一緒にいる相手が違うだけで、人はここまで変わるのかと思って、やっぱり誰と人生を歩むかって大事だな〜って。そして3回も観てしまった。歴代No.1で面白かったかも。余談でした。

どれも私。いつでも私。いつもわたしはこの世界でたったひとりの自分なのである。という話をしたかった。心の中にコジコジを住まわせて。いつでもお気楽でいられますように。

さくらももこ展には老若男女が集まっていて、改めてさくらももこさんの偉大さを感じた。みんな原画をみながら、笑っていた。誰にでも心のお守りがあるんだなと思った。

親友とそのノスタルジーを味わって、さわやかでハンバーグも食べて、温泉に浸かったこの日のこと。夏休みの日記でした。8月もラスト、頑張ろう。

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