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福祉支援について


大好きなvoicyパーソナリティ近藤弥生子さんの放送。
リスナーのサカモトさんと対話で出たきた車椅子ユーザーさんの話で思い出した話。


私は福祉の仕事に20年ほど就き、そのうち10年ほどは障害者支援に従事していました。
その10年間で、ある利用者さんの言葉が、私の心に深く刻まれ、その後の指針となりました。
その言葉をご紹介させていただきます。


その方は、高校時代にトップクラスで進学校を卒業目前に控えていたのですが、不幸な事故に遭い、車椅子生活を余儀なくされて30年が経過していました。
大手企業に就職することも可能だった方ですが、当時の社会状況もあり、就職の夢は叶いませんでした。
しかし、そのことについて愚痴や不満を聞くことは一度もありませんでした。


ある日、仕事で伺った際に24時間テレビが放映されていました。24時間テレビとは、福祉の重要性や支援の必要性を伝えるため、1978年から毎年放送されているチャリティー番組です。


福祉業界に身を置く私は、このような番組の制作は必要だと感じながらも、何とも言い難い感情に駆られていました。
また、そのような感情が自分は福祉業界に向いていないのではないかと感じることもありました。


そんな中、その方が24時間テレビを見ながらポツリと、「この番組がどうこうじゃなくて、これは国民の懺悔の場、パフォーマンスの番組だよな」と言いました。


そうなのです。
この番組に本当に心を寄せているのであれば、今頃もっと車椅子でも活動しやすい社会になっているはずですし、そもそもこのような番組が続いていること自体、福祉が遅々として進んでいない証拠だと感じました。

その後、私は自分自身に問いかけました。「本当に必要な支援とは」


現在、私は介護職を離れていますが、常に心に留めている言葉があります。
一過性の支援ではなく、フラットな視点で考える。
障害を取り除く事は出来ないけれど、「障害」の多くは「健常者」と言われる人が生み出していること。

「健常者」と言われる方は時間に追われ、タイパ、コスパと自身の損得を常に考える。
どちらが豊かで、障害とは何なのか。

支援は一方的なものではなく、相互に学び合う関係であるべきだという考えが強くなりました。支援する側もされる側も、お互いに尊重し合い、理解を深めることが重要です。

これからも、私は支援の在り方を見つめ直し続け、社会全体がより良い方向へと進むと思われる方へ一歩を向けたいと思っています。

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