ニーチェと荘子ともののけ姫 存在しない理想のパートナー
ツァラトゥストラは孤独でしたが、鷲と蛇が一緒にいました。
『荘子』に登場する神人も山に独りで住んでいましたが、飛竜が共にいました。
もののけ姫のサンも人間とは関わらず、山犬と一緒にいました。
彼らと動物たちは、以心伝心の関係であり、打てば響くような仲でした。これらの動物たちは、理想的なパートナーの象徴です。しかし、あくまで理想であるため、現実世界で出会うことはできません。
人間は、分かり合える他者を求める生き物ですが、存在しない理想のパートナーを追い求めることが、苦しみを生み出します。
理想のパートナーは理想として持ち続け、イメージの世界で会話するのも良いでしょう。しかし、現実の世界では理想を捨て、現実の人間と関わり合いながら、人間関係で自己を鍛錬し、自分が理想の人間を目指していくことが大切なのです。
話が通じない人間と過ごすよりも、心で通じ合える動物と共にいる方が、より楽しく、平穏な日々を送ることができますが、人間に絶望していたツァラトゥストラが、それでも何度も下界の人間と関わりを持ったように、完全に人間との関わりを捨ててはいけないのです。
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