世界観の拡張と創造
権威の盲信
占いもスピリチュアルも、科学の領域ではなく信仰の領域です。これは「信じるか信じないか」の世界です。
占いやスピリチュアルを理性的に納得したいがために、脳科学や量子力学と結びつけて科学的に証明しようとする人がいますが、私にはこじつけのように見えます──これは私の知識不足のせいもあるでしょう。また、人間は、対極にあるものを結びつけたくなる性質を持っているのも分かります。
私は占いやスピリチュアルは科学的に証明しようとせず、その宗教的世界観を素直に受け入れ、自分の世界観の拡張に役立てれば良いと思っています。
そもそも、科学を信じている多くの人は、科学そのものを信じているのではなく、科学の権威を信じています。科学の権威とは、例えばアインシュタインのような人物のことです。
多くの人はアインシュタインの論文を読んでも理解できないでしょう。しかし、「天才の言っていることだから間違いない」と信じてしまいます。
宗教も同様に、多くの人は宗教の権威を信じています。宗教の権威とは、例えばキリスト教で言えば、アウグスティヌス、ルター、カルヴァン、カール・バルトのような人物のことです。多くの信者は彼らの教えをありがたがり、鵜呑みにしてしまいます。
このように、多くの人は、権威を盲目的に信じているだけです。
本来ならば、「世界は数学でできている」と言える本物の科学者のように、権威を盲信することなく、自ら世界の謎を解明すべきです。
しかし、誰もが相対性理論を理解できるわけでも、歴史を猟歩できるわけでもありません。ですから、盲信も仕方ないとも言えます。
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世界観の創造
そもそも、数学の公理ですら仮定なのです。占いやスピリチュアルを科学的に証明する必要なんてないのです。科学と同様に信じれば良いのです。
信じるというよりも、科学的世界観と宗教的世界観を物語として楽しむのです。世界観とは物語です。物語は証明したり信じるものではなく、楽しむものです。
さらに一歩進んで、すでに存在する物語を楽しむだけでなく、あなた自身が新しい世界観や神話を創造すべきです。
世界最先端の科学者や新興宗教の教祖、そしてスピリチュアリストは、絶えず新しい世界観や神話を創造し続けています。これは彼らの専売特許ではありません。数学ができなくても、霊感がなくても、誰でも創造者になれるのです。
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プリコラージュ
「リベラルアーツを学ぶことに何の意味があるのか?」という疑問がよく持ち出されますが、リベラルアーツは「何かの役に立つから」学ぶのではなく、純粋に自分を豊かにするために学ぶものです。時にはそれが独自の世界観の創造の素材として役立つこともあります。
科学や宗教、リベラルアーツだけでなく、人生で経験するあらゆるものが世界観の創造の素材となり得ます。
ニーチェも『この人を見よ』で「およそ存在するものであるかぎり、何一つ排除してよいものはなく、何一つ無用なものはない」と言っています。
素材は豊富にあります。あなたの美意識とセンスで素材を組み合わせ、自分が納得し、満足する独自の神話や世界観を創造するのです。その結果、他者に刺激や新しい視点を提供することもあるでしょう。
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世界観のさらなる拡張
最初に、占いやスピリチュアルを脳科学や量子力学で科学的に証明しようとする試みは「こじつけのように見える」と言いましたが、創造活動は自由ですから、本当はそんなことはどうでも良いのです。人の評価や根拠にとらわれることなく、自由に発想し、創造することが大切です。
あなたから生まれた創作物に肯定的、あるいは否定的な意見や反応が来たのなら、それを新たな刺激として創作物に反映させ、あなた独自の世界観をさらに拡張させていくのです。
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