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スキーマー療法について外在化してみる#1

火曜日は認知行動療法やスキーマ療法や治療経過について書いていきます。近いうちに有料noteに移行します。

このnoteにときどき登場しているスキーマ療法について今一度まとめてみたいとおもいます。

スキーマ療法(スキーマりょうほう、Schema therapy)とは、Jeffrey E. Youngにより開発された、パーソナリティ障害およびDSM-I軸障害の治療法であり、他の治療法(例えば伝統的な認知行動療法)などに効果を示さない、もしくは再発するケースに用いられている。スキーマ療法は、認知行動療法、精神分析対象関係論、愛着理論、ゲシュタルト療法などといった既存の療法から理論と技法を取り入れた、統合的心理療法である。
wikipeidaより

 日本では洗足ストレスコーピング・サポートオフィスの伊藤絵美先生が日本にご紹介されました。伊藤先生は自分でもスキーマ療法を自分にされ、最低1年から1年半ほどかかる療法になります。さてここまでは堅い話です。私がスキーマ療法のことを話をするときは「過去の辛い体験を全部外在化させて、それと向き合って和解する地獄のような治療法である」と説明します。

 私は昨年末から10年来通っているカウンセラーから「認知行動療法を行いませんか?」とのことでやっておりました。当初は「子供が箸を落としたことに怒る」という認知をかえるところからスタートだったので認知の歪みは相当酷かったのかとおもいます。認知行動療法を薦めるにつれて、自分が苦しいにもかかわらず、自分が意図したくない行動をとらないといけないとことに気がつきました。そのとき”たまたま”パートナーが買ってきた伊藤絵美先生の本を読んでスキーマ療法をする決意をしたのが、2018年6月になります。


 私の通っているカウンセリングルームの先生の認知行動療法のワークシートに”たまたま”著作権表記で病院名と並列して洗足ストレスコーピング・サポートオフィスの名前があったことを覚えていました。そのため、カウンセラーに相談したところ「スキーマ療法できますよ。スキーマ療法をやろうと言ってくれて嬉しい。」と言ってくれました。

 スキーマ療法は、自動思考(例えば箸を落としたら怒る)を産み出す様式の下にあるスキーマをおきかえる療法になります。スキーマと自動思考を氷山としたら、上にみえているのが自動思考で、海面の下にあるのがスキーマーになります。普通の人の場合であれば、自動思考を認知行動療法で対処すればいいとおもいます。ところが、境界性パーソナリティー障害の傾向があると、認知行動療法では対処しきれないぐらい強い思考を瞬間にしてしまいます。そしてその思考によって思考が乗っ取られるような感覚になります。怒らなければいけない、という声が聞こえてそれに従わないといけないという感じです。

 ヤング先生はそのような不適切な自動思考を産み出すスキーマを「早期不適用スキーマ」と名付け、18個に分類をしました。ところが、スキーマは自動思考の下にあります。このスキーマを感じ取れないといけないために、伊藤絵美先生はマインドフルネスを利用してスキーマの発動を感じ取るようなワークを行います。

 ただ無防備でスキーマを感じ取ることは大変危険です。スキーマ療法は治療中に自殺・離婚などかなり危険な決断を誘発してしまうぐらい危険な治療法といわれています。生死を分けるレベルの辛い体験を思い出したりするので、スキーマ療法を始める前に「安全なイメージ」を作りそこに自分を置くことを最優先にし、毎回のセッションの開始前と開始後にきちんとイメージをもつことをします。

 安全なイメージは過去の自分の体験をベースに組み上げる場合もあります。しかし私の場合には、過去の体験があまりにも辛すぎるために安全なイメージとして役に立ちませんでした。そのため、CBTを始めた後に感じた良いイメージを利用することで安全なイメージとしました。ここまですでに4セッションほど使うぐらい大事な内容です。


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