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役所婚に人を呼ぶ?宗教的な結婚式って何?

2018年の7月最後の日にプロポーズされてすぐ、私を待っていたのは義両親(特に義母)からの結婚式レッスンだった。
プロバンスでの夢のような日々に浮かれていたのにあっさり現実に戻されてしまった8月の始まり。

気合が入りまくった義母は、役所婚は2019年1月。結婚式は2019年8月よ。場所はフランス。ドレスを作る人は親戚の誰それね。と大まかなことはすでに決まっていた。
そもそも、結婚式に憧れがあるわけでも、期待があるわけでもない私は、「結婚式の準備って大変って聞いてたけど、全部やってくれるのね、ラッキ〜」くらいに考えていた。(後で痛い目にあう)

役所婚って?
役所婚とは、要するに婚姻届を市役所に提出するだけの作業。
日本では、2人で行ってサクッと書類提出し婚姻届と一緒に写真をとって終わり。
だが、国際結婚はそんな簡単なことではない。
(書類集めの流れに関しての詳細は別記事にて)

役所婚に家族や証人を呼ぶ。

フランスはなんとこの役所婚に家族や証人を呼ぶ。
証人は身内ではダメで必ず(親しい)友達を呼ぶことになっている。
というわけで、私は日本に住むフランス語ができる日本人の親友1名とドイツに住む日本とドイツハーフの旧友1名を証人に選んだ。
フランスに呼ぶのだから早めに連絡をと、8月の時点で伝えておいた。
2人とも快く承諾してくれた。

パートナーは地元に住む親友2人を選び無事証人はすぐに決まった。8月終わりのことである。

そこから、書類集めが始まった。
難しくはないが、時間とお金がかかる書類集めであった。

私たちが書類を集めてる期間も義母からの結婚式へ向けてのお話は日に日にどんどん膨らみ、さらに「私たちの結婚!」とか「結婚式とは」とか「パートナーと長続きするコツ」とかいう本が義母や信仰深い義姉から送られてきて、気がつけば私の想定内をはるかに超えていた。
と同時に、パートナーが疑問を抱き始めたのである。

宗教的な結婚式をできる自信がない。

11月のある日、そうボソッと言われた。
家庭にもよると思うが、私のパートナーの家庭はそこそこ「古くから伝わる風習を守る」が暗黙の了解で、宗教的な結婚式をすることが当たり前とされていた。
ここから私の戦いが始まることになる。

そもそも、、、宗教的な結婚式って?
日本では、キリスト教でなくとも教会で結婚式を挙げるカップルが多い。

神父さんがなんとなくいて誓いの言葉を言えば結婚したことになる。ある種の儀式的な行為をすれば結婚成立!という軽いものである。

しかし、フランスでは(というかキリスト教信者の人は皆なのかもしれない)教会で結婚式を挙げる前に「神父さんと結婚式をする準備」をしなければならない。らしい。

そんなこと聞いてない。
いや、なんかそんなこと言ってたような気がするけど、準備って当日の流れくらいのことだと理解していた。。。。
その準備に1年かけるカップルもいるのだとか。

私自身キリスト教の学校には通っていたが、仏教である私にとっては全く無知な話である。
さらに、純粋でナイーブなパートナーが、「宗教のことに全く携わらず何年もが過ぎた今、結婚式当日に誠実な気持ちで神と向き合えるかわからない」と言い始めた。

神?私も知らんよ神なんて。

私は正直、教会に入るのがなぜか昔から怖い。
前世で私はキリスト教信者だったが故に痛い目にあったと信じてるほどである。
でも、パートナーの宗教だから尊重して受け入れてるのに、今更、神と向き合えるかわからないと言われたってどうしろというのですか、、、、

いいじゃないか、もうとりあえず形だけやってしまえば!と言いたいところだが、彼の純粋で不器用なところに惚れたのだ。
こんな形でこのビックイベントを押し付けることはできない。

真実を告白された翌日、義両親に紹介された神父さんに会いに行って話しを聞いた。(神父さんの家って教会の中にあるんだよ。びっくり)

神父さんは、意外にもパートナーの悩みにとても喜んだ。
90%のカップルが意味もわからず宗教的な結婚式を挙げているのが現状なのだという(何だ、日本と変わらないじゃない)。
だから、気持ちに素直に結婚式と向き合っている私のパートナーはとても健全だというのだ。

簡潔に神父さんから言われたのは
「深呼吸して時間を取りなさい。いつやっても遅いということはない」

そんなこと言っても、籍だけ入れて結局結婚式せずに月日が流れ、ウェディングドレスを着なかったことを後悔している。
みたいな話、よく聞くではないか?

いくら結婚式に興味がなかったとはいえ、いざやると一度決めたからには後悔したくはない。

私の提案

そこで提案してみた。
じゃあ、教会で結婚式を挙げず、パーティーだけをするのはダメなの?
宗教的なことは何もせずに、もともとガーデンウェディングの予定だったわけだし、お庭でパーっとみんなでお祝いすればいいのでは?
みんなで集まってお祝いできるし、お金を払ってしまったウェディングドレスも着れる。どうせ私の友達で宗教的な結婚式の意味を理解する人は少ないしパーティーだけだったら心が軽くなるのでは?
あなたをリスペクトして、いつか宗教的な結婚式をやりたい日が来たら、やろう。それまではやらなくていいじゃない。と話してみた。

正論だと思ったが、、、、パートナーの顔は曇ったまま。
義両親に話してもなかなか「宗教的な結婚式」はやらずに「お祝いパーティー」をする。というアイデアはイメージがわかないようで、「ちょこっとお堅いお家柄」で育ってない私には理解できない状況に追いやられてしまった。

どうなる、私の結婚式。

そんなわけで、8ヶ月先に予定していた結婚式が延期になりそうな今、私ができることは何もなく、宙ぶらりんのまま1月中旬にとりあえず役所婚を挙げる。
何を周りから言われようが、結婚式は自分たちの式。
彼らの言う、「みんなやってきたから当たり前」は私が日本人である以上適応されないと思っている。

文化や習慣が全く異なり、田舎育ちの彼と都会育ちの全く異なった環境で育った私たちに訪れた最初の大きな壁である。

どうする、私。
どうなる、私の結婚式。

つづく

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