№1 -お産の選択 お産のこと -memory of birthing-

出産は私にとって、素晴らしい体験だった。

妊娠期間の9ヶ月の間は本当に満たされていたし、お産を終えた今も、またもう一度産みたい!と思えるくらいに私はお産が楽しかった。

自宅出産という選択は、当初のわたしにとっては少しスリリングな挑戦。
なぜ自宅出産を選んだのか、明確な動機があった訳じゃない。
私たちは、なんとなく、自宅出産がおもしろそうだし、良い気がするといった感じが本音だった。
初めはクリニックに通っていて、検診の度に4DエコーでUSBに撮っていただける映像を
毎回たのしんでいて大切に見ていた。

まだ胎動も感じる時の前のこと。私たちは、3ヶ月頃から、赤ちゃんがお腹のどこにいるかを明確に感じていた。お腹の左下にエネルギーの塊があって、ここにいるんだねと毎晩、夫と手をかざしながら寝ていた。そのエネルギーに、私たちはいつの間にか「たまちゃん」と呼ぶようになった。

4ヶ月になる頃、友人が自宅で出産をして、すごく良いお産だったという話を聞いて、
その取り上げた助産師さんを紹介していただいた。
助産師さんに会ってみると、とても素敵な方で、直感的にこの先も長く繋がるのだろうとご縁を感じたことを覚えている。
その後、自然な流れで、「やってみるか~自宅出産!」といったノリで、その選択をした。

私と夫はそのように軽く決めたのだけれど、私方の身内が猛反対をしていた。
自宅にこだわる理由というのが実際のところあまりないので、リスクが高すぎるとか医療的配慮が心配だとか身内に言われる度に反論に困っていた。
幸い、助産院と提携の病院は車で10分で行ける距離だったので、何かあっても大丈夫だよ。と、身内を説得することができた。
自宅で3人の子を産んでいる祖母も、反対をしていた。祖母は入院ができないという点で、産後のことを心配していた。ほんの二世代前までは、ほぼ100%自宅出産をしていたのに、現在は1%以下になっているという。
現在は主流ではないその出産方法に、身内は心配で堪らなかっただろうと思う。

おおきな安心をお腹が教えてくれていたので、絶対に大丈夫と私は想っていた。

自宅での検診を初めてしてもらったときは、とっても驚いた。
病院でのそれとは全く別もの。
ゆっくり1時間ほどかけて、お腹に向き合ってくれる。
なにより、お腹の中の赤ちゃんを、ひとりの人間として、助産師さんは触れ合ってくれる。
赤ちゃんにするように、お腹に名前を呼びかけ語りかけて、笑いながらお腹に触れてくれる。
エコーも見れないんだけれど、大事に大事にお腹を触れてくれるだけで、本当に赤ちゃんがここにいるんだと実感できる、とても満たされる検診だった。

ー 臨月に入った頃の、自宅検診の様子 ー


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