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お産のこと memory of birthing

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楽しく、気持ちよく、神秘だった妊娠と出産の思い出を綴っています。
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#自宅出産

№1 -お産の選択 お産のこと -memory of birthing-

出産は私にとって、素晴らしい体験だった。 妊娠期間の9ヶ月の間は本当に満たされていたし、お産を終えた今も、またもう一度産みたい!と思えるくらいに私はお産が楽しかった。 自宅出産という選択は、当初のわたしにとっては少しスリリングな挑戦。 なぜ自宅出産を選んだのか、明確な動機があった訳じゃない。 私たちは、なんとなく、自宅出産がおもしろそうだし、良い気がするといった感じが本音だった。 初めはクリニックに通っていて、検診の度に4DエコーでUSBに撮っていただける映像を 毎回たの

№3 -不思議な巡り合わせ お産のこと -memory of birthing-

安定期に入った頃に、戌の日のお参りをどこにするか悩んでいた。 主人と一緒にインターネットで京都で有名な安産祈願の神社を探していて、「由岐神社」が目に止まった。 由岐神社は鞍馬寺の参道にある神社で、私たちが付き合いたての時にデートで訪れた場所だった。 そこで手を合わせた時に、夫が「子供がやってくる」と言った。 まだ付き合って少しだし、私は子供がくるなんて信じられなくて、フーンと聞いていたけれど、 気持ち良い感覚の中で手を合わせていたのを覚えている。 その神社で安産祈願ができると

№4 -水の精 お産のこと -memory of birthing-

お腹の赤ちゃんの影響だろうか? 妊娠期間中は、美しい水をとにかく求めていた。 清らかな水の癒しは、すべてを包み込み、 水に出逢うために、旅をしているようだった。 その後、訪れた上高地の碧き世界。 心を透明なところに連れて行く粒子の細かい世界。 新穂高で出逢った、混浴の温泉とアクアマリンの透明な山水が交わる渓流は 今まででいちばーん大好きな場所になった。水と火が交わる心地よさは夢のようだった。 美しいお水にふれていると、お腹がふにゃふにゃになって赤ちゃんも穏やかになるよう

№5 -予定日をすぎて お産のこと -memory of birthing-

なぜだか予定日より早いだろうと予感していたけれど、過ぎてしまった。 予定日より1週間以上すぎると、提携の病院とも相談した上だが、 自宅で出産できる可能性が低くなってくる。 気持ちが焦ってきていた。 予定日を2日過ぎた自宅検診。 朝におしるしが出る。 なかなかお腹が下がってこなくって、心配していた。 本当に生まれてこれるの?自然分娩できるのかなあ。 たまちゃん、大きくなりすぎて出てこれないのかな。 私の骨格が悪いのかな。 心配が重なって、情緒不安定になっていた 堪えていた

№7 -お産を終えて  お産のこと -memory of birthing-

助産師さんが  ”お母さんは産む力を持っている。  赤ちゃんは生まれてくる力を持っている。” といっていた通り、お産は自然に任せるまま行われた。 赤ちゃんとわたしの身体は全て知っていて、それに委ねるだけ。といった感じ。 陣痛中は、ほぼ、目を瞑っていたと思う。 とにかく身体の感覚だけに集中して、“いまここ”の一瞬一瞬を味わっていた。 人生の中であれだけ集中していたことってあっただろうか。 その一瞬一瞬の密さは時間を忘れて、まるで別世界に連れていかれるような神秘的な感覚だった。