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誤用を減らすには?

今回は単語の誤用を減らすために注意すべき、基本の点をご紹介します。

1、慣用句・ことわざは逐一確認

慣用句やことわざは、勝手に文字を変えてはいけません。
また、日常的によく聞く響きに引っ張られて、誤った慣用句等を用いてしまう、ということも多いと感じます。

慣用句等を使う場合には、逐一調べるのがいいでしょう。

2、固有名詞も逐一確認


ここでいう固有名詞とは、
「地名・人物名・料理名・歴史の事件名等・書籍名・建物名・宗教関係の用語・企業名」
のことです。

人物名・歴史の事件名・宗教関係などは、間違えると失礼にあたったり、センシティブな話題だったりなので特に逐一調べると良いと思います。

また、「こゝろ」など、
ひらがなを繰り返す場合は「ゝ」を、
漢字を繰り返す場合は「々」を用います。
(みすゞなど、繰り返したときに、濁る場合は、「ゞ」を使う。)
これらの記号が、固有名詞に含まれる場合は、そのまま表記します。勝手に変更してはいけません。
例えば、「みすゞ」という筆名を用いている方がいらっしゃったら、
勝手に「みすず」という表記にしてはいけないということです。

固有名詞に含まれる漢字には、日常では一度も見たことがない語も含まれることがあります。漢字には特に注意しましょう。
音は同じでも漢字によって表す場所等が変わってしまうものもあります。注意しましょう。

また、固有名詞においても、どちらの表記を用いても良い、というものもあるので、その場合は好きな方を使います。
(こういう語には、外国人名や外国の地名などが多いです)

最後に、昔の名称・綴りから変更されたものがあるので、そういうものは今の名称を使いましょう。
最近だと、ウクライナの首都をロシア語読みのキエフから、ウクライナ語読みのキーウに変更されました。


3、同音異義語

日本語には同音異義語のものが多くあります。
同音異義語の中には、①同じような意味を表すものと、②全く違う意味を表すものとがあります。

①に関しては、使い分けがわからない場合は、ひらがなにして書くことをお勧めします。ただ、微妙なニュアンスの違いはあるので、ひらがなにしてしまうと、どちらの意味にも捉えられてしまうことが少なからずあり、万全という感じではありません。

また、このような同音異義語では、前後の語によって、使える使えないが決まってしまうことがあります。
例えば、器械と機械だと、どちらも似たような意味を表します。
ですが、器械体操の時は器械のみが使え、
機械文明は、機械のみが使えます。

ただ、これらの語の場合でも、どちらの漢字も使える、という場合もあります。

②に関しては、例えば、自分がその語に同音異義語があることを知らなかった場合、間違えた漢字を使ってしまうと、同音異義語の方の意味になってしまうことがありますが、なかなかそんなことは起きないと思うので、あまり気にすることはありません。
もし心配でしたら、同音異義語の解説本等を読むことをお勧めします。

4、長音

基本的に、以下の原則に従います。
①「お」の音を伸ばす場合は、「おう」とする
②歴史的仮名遣いで、
「おほ」となっているものは、「おお」とする
③外来語の長音の場合は、「ー」を用いる。

①、②の使い分けが難しいと思いますが、大抵は「おう」となるので、例外を覚えてしまうのがはやいと思います。

例外)憤る、多い、狼、大きい、仰せ、概ね、公(おおやけ)、愛おしい、覆う、凡そ(おおよそ)、氷、凍る、蟋蟀(こおろぎ)、十(とお)、遠い、通る、滞る(とどこおる)、頬(ほお)、鬼灯(ほおずき)、炎、催す

5、副詞・形容詞

副詞・形容詞に関して、いい意を表すものにしかつかない語、又はその反対の語があります。
例えば、
「恐らく」というのは悪い意味の語に、
「よく」というのは良い意味の語につきます。
火事の場面などで、「よく燃えている」というような表現は避けた方がいいと思います。


6、助詞・助動詞


①助詞・助動詞が連続した場合、意味が変わってきてしまうことがあります。
例えば、「より」という助詞は、単体で使えば「起点」を表しますが、
「よりも」とすると、「比較」を表すものとなります。
あまりこのようなことはないでしょうし、そもそも文を読み返すときには誤っていることに気づきやすいので、そこまで神経質になることはないと思います。

②格助詞「は」と終助詞「わ」
これは文章だと間違うことはないと思いますが、
例えば、「これはこれは」など、それらの助詞を含む繰り返しの表現の場合、使い分けが必要です。
上にもあげた「これはこれは」の場合は、文法的には「主語➕格助詞」となっているので、「は」を用います。

また、「来るわ来るわ」となると、「述語➕終助詞」となっているので、「わ」を用います。

7、文法上の注意点

文法上の注意点がいくつかあります。
①用言(動詞・形容詞・形容動詞)にかかる形容詞
 形容詞が動詞を修飾する場合は、語尾が「く」になります。
例)すごい美味しい→「すごく美味しい」が正解。

②名詞➕の
 名詞が名詞を修飾する場合、形容動詞と混同してしまい、「名詞な」としてしまうことがあります。
 これは、正しくは「名詞の」とするべきです。
例)人気(名詞)な人→人気の人

また、名詞としても、形容動詞としても良い語というのがあるので、それに関してはどちらを使っても大丈夫です。

また、最近では名詞に「な」をつけて、「的」というような意味を表すものも見られます。俗語的なニュアンスがあるので、文書や文章では使わないことですね。

③「べし」などの古典の助動詞
古典の助動詞を使う場合は、活用に注意します。
例えば、「べき」はべしの連用形なので、文末には使えません。
例)〜すべき!→〜すべし(終止形)!

逐一確認するのがいいでしょう。


8、送り仮名の原則

送り仮名には、原則があります。

①活用語尾(活用するときに変化するところ)を送る

例えば、「書く」という語は、語幹(活用するときに、変化しないところ)は「書(か)」で、活用語尾は「く」ですので、くを送っています。

形容詞・形容動詞の場合も同様です。
例)短い、主だ。

もちろん、例外もあります。
明るい、危うい、静かだ、味わう、など

②名詞には送り仮名をつけない

名詞には基本、送り仮名はつけません。
例)読書、水、書(しょ)

ただし、動詞などからの派生語の場合は、元の語の送り仮名の付け方によります。
例)動き→「動く」の「く」が送られるから、派生語でも対応する部分を送る。

例外として、誤読を防ぐために、最後の音節を送る場合があります。
例)辺り、幸せ、など

③副詞・接続詞

副詞・接続詞は、最後の音節を送ります。
例)必ず・最も

例外)併せて、など

9、外来語で注意すること

外来語では、日本人が発音しにくい、普段耳にしない発音の語だと誤用が増えると思います。
例)「アニミズム」を、「アミニズム」と綴ってしまう、など。

10、誤用を減らすためのポイント

入力時に「2、3文節を一気に変換する」と、漢字の誤用が減ります。
例えば、「機械運動」と言いたいときには、「きかい」と打って変換、「うんどう」と打って変換、とするのではなく、「きかいうんどう」と一気に打って変換すると、正しく変換されます。

また、慣用句や諺においても、一気に変換することによって、誤用を防ぐことができます。


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まずは、以上のことを気を付けて、文を書いてみてください。

とにかく確認! それが大事です。

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