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嘘の思い出|プチエッセイ

 エイプリルフールでいつも思い出すたった一つの出来事。

 小学生の時。学校でお迎えを待っていた時。
 知らない下級生の子がお父さんに対して「蜘蛛が付いてるよ!」と嘘をついた。お父さんは「えっ!どこどこ!?」って大袈裟に反応していた。下級生の子はすぐに「嘘だよーん」って嬉しそうに種明かしして、お父さんは悔しそうなフリをして「あー、やられた!」と言った。

 嘘をつき合っているのに、すごく楽しそうで平和な光景だった。

 おかしいくらいにそれが印象に残ってしまった。なんてことないエイプリルフールの光景が。


(念のために追記します。タイトルが紛らわしいですが、これは実話です。ある嘘に関する思い出、とでも解釈していただけたら。)