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あ、コロモン違いです。|ゲーム体験

 こんにちは、初めまして。普段は物書きの霊魂を名乗っている、森悠希もりゆうきと申します。初めて、ゲームの体験を書かせていただくこととなりました。感想になりきれない、ちょっとまとまりのない何かということで、「ゲーム体験」です。



導入部分

 突然ですがワタクシ、ポケモンとデジモンの両方を人並みに嗜んで育った霊魂なのです。特にポケモンはゲームの方を。デジモンはアニメの方を。

 「知らない世界を旅して、出会った仲間と強くなる、子供の冒険譚」

 どちらもこれをベースにしつつ、違うベクトルへと進めることに成功した二大作品だと。勝手ながらに思っております。本当に勝手に。

 さて。なぜ先にこの二つのフランチャイズを挙げたのかと言いますと、タイトルにある単語と関係しています。

 コロモン、とありますね。この名前を聞くと、真っ先に思い浮かぶのはきっとデジモンに出てくるコロモンですよね。試しにnote内で検索した際も、出てきた記事はほとんどデジモン関連のものばかりでした。ずっと続いている皆様のデジモン愛に感服です。

 しかし、見出し絵からお察しいただける通り、今回触れるのはデジモンのコロモンではありません。ポケモンのオマージュ作品として名高い方のコロモンを指しています。

(正式表記はCoromonですね。こちらで検索してみたら、記事の数の少なさに度肝を抜かれました。まあ、最近はパルワールド / Palworldの方が知名度高いと思うので、納得できてしまう部分もありますが。こほん。)

 ゆえに、「あ、コロモン違いです。」というタイトルを付けさせていただきました。このハイクオリティーなポケモンオマージュ作品について、しがないモン好きな霊魂の視点から、勝手にお送りいたします。


注意点

 森は、本編はクリアしましたが、ポストゲームコンテンツがわかりません。ストーリーのネタバレが盛大に含まれます。ゲームプレイ画面も一枚。
 それでもよければ、お進みくださいませ。


1. 物語と世界観、又の名を設定

 コロモンでは、主人公はトレーナーではなく、研究員になります。そして、野外調査のためにパートナーのコロモンを選ぶところから始まります。主人公は「選ばれし者」というだけあって、一人だけ特別な調査を任命されます。調査対象は、世界の物質を司るとされる「タイタン」と呼ばれる存在。ポケモンでいう、ジムに相当するチェックポイントとなります。

 そして、ポケモンオマージュならば、悪の組織的な存在も必要ですよね?ここでは、世界の物質を根本から書き換えることができてしまう組織が登場します。その組織はなんと、宇宙から来た種族とのこと。主人公がいる世界を、書き換えることによって生じる新たな物質で、乗っ取ろうとしているのです。

 そんな彼らの計画を阻止するべく、主人公は当初の目的であるタイタンの調査を続けていくこととなります。タイタンたちを倒し、認められ、彼らの力を宿らせたエネルギーの玉を集めていく必要が出てきたからです。これらのエネルギー玉を集めることで、宇宙から来た種族に対抗できるようになると。

 世界を救うため、主人公は仲間のコロモンを引き連れて、コロモンの世界を巡る大きな野外調査の旅へと出る!

 と、これがお話しの大体のあらすじです。

 最初に面白いな、と思ったのが「確立された研究機関に所属している」設定でした。なんかこう、登録されていて、その上でしっかりとしたサポートがある、って感じで。最近のポケモン、SSやSVでいう、リーグ委員会や学園を思わせます。

 コロモンの世界では、この研究機関が所有する研究所 兼 コロモン治療センターが各所にあります。(正式名称は忘れました。)こう聞くと、都会的というか、先進国的な雰囲気を連想してしまうのはワタクシだけでしょうか?

 ところがどっこい、どの街も自然豊か!そしてどれもピクセルアートでとっても綺麗に表現されております。バイオームも豊富。のどかな草原、豊かな農場、雨降る孤島。鬱蒼とした沼地、黄金の砂漠、灼熱の火山。紅葉した麓、そして深々と降り積もる雪山。天気のアニメーションも多様。素敵ではないですか、憧れます!

 そんな美しい地方を脅かす種族と、未知なる物質。その物質に侵食された箇所は、血のように鮮やかな赤色に染まります。あとは、謎に機械的なデザインに書き換えられて、プラズマを思わすような水色の線が入ります。

未知なる物質に侵食された箇所の例。中央左はプレイヤー。

 更に、コロモンも感染することがあります。感染したら姿が変わり、タイプも変わってしまいます。恐ろしい物質ですね。まるでウィルスを思わせます。

 豊かな自然に確立された研究機関。その環境に害をなそうとする、未知なる地球外生命体と彼らが所持するウィルス的な物質。森はこういう世界観が大好きです。美しい自然・共存姿勢の探究心を持つ研究機関・己の価値観が絶対である悪役・得体の知れない物質の恐怖、という四つの要素に弱いのです。

 (……何度見ても全部ポケモンに出てきたものを指しているみたいで面白く感じてます。ポケモンで育ったのは間違いないですね〜。)

 唯一残念だな、と思ったこと。それは、弱い結末。
 最後のタイタン戦は彼らに操られている状態で戦います。そのコントロールがなくなったところで、彼らは力尽きて気絶します。タイタンたちは力を合わせ、謎の物質の感染を直して、めでたしめでたし。そんなフィナーレ。
 そして、その後がありません。研究機関が、彼らの特殊な能力に対抗できる捕獲カプセルみたいなものを開発していました。それで捕まえて捕虜にでもしているのでしょうか。本当に謎です。

 将来のアプデで、ポケモンのデオキシスイベントのように、宇宙に行けるようになるとかならないとか。そんな噂があったようですが、今のところはその様子はありません。
 あと、タイタンにまつわる裏話が一切見つかりませんでした。ポケモンでは、博物館があったり、本や人と触れ合うと、隠れた話が見つかったりするではありませんか。それがない。深みがない。設定とかが好みなだけあって、そこだけ本当に残念だな、と思いました。
 逆に言えば、ギミックだけ気になる方にはいいのかもしれません。あっさりしていて。

 追伸。本家はボールで捕まえますが、コロモンでは「スピナー」というアイテムを使って捕まえます。特殊効果のない部類のスピナーは全部で四段階。コロモンのタイプによって捕まえやすくなる種類が豊富。本家のクイックとヒールに相当するものもあります。いいとこ取りな印象。使いやすいです。


2. 少し違う戦闘システム

 まず、難易度を選ぶことができます。カジュアルなプレイヤーとコアなプレイヤーの両方の遊び方を用意してくださっていますわね。森はカジュアルなので、並の難易度を選びました。素の状態をまずは楽しまなければ。

 まず、タイプ相性のシステムから。
 コロモンは必ず一つだけのタイプを所有しています。なので、ポケモンみたいに複数あった場合のダメージ計算はしなくても大丈夫です。ただ、個人的にはあまり直感的に覚えられないのが難点です。幸い、相手のコロモンのタイプ、弱点と抵抗が見えるようになっています。あと、技が効果抜群かイマイチかの表記もあります。最近のポケモンのように、ちょっと親切です。

 タイプは全部で十三種類。ノーマル・コースト・水・氷・炎・電気・地面・カット・魔法・悪・風・毒・ヘビー。カットは爪や刃を扱ったイメージ。魔法はエスパーに相当するイメージ。ヘビーは全くもってわかりません。なぜなら、扱えるコロモンを育てなかったから。

 ちなみに。一つ前の箇所で挙げた「謎の物質の感染」から来るタイプについて。名前は忘れてしまいましたが、とにかく。攻撃する際、普通のタイプの技の威力が全て半減になります。言い換えれば、全てのタイプに対して抵抗できてしまうのです。唯一の救いは、謎のタイプの技は他のタイプに対して効果抜群ではないことでしょうか。 

 技は本家のように、特殊・物理・状態変化の三種類があります。
 ポケモンは技ごとに使用ポイントが割り当てられていますが、コロモンでは他のJRPGのようなシステムをとっています。MPに相当するSP(スタミナポイント)があり、各技によってSPの消費量が違います。
 一つ違うところは、一ターン使って全体のSPの半分に値する量が回復できることです。相手も回復するためにターンを消費しなければなりません。
 あと、相手のコロモンのSPを削ることができる技もあります。あえてSPを削って、相手に無駄に一ターン使わせる作戦ができるわけですね。

 他に技に関して思ったこととしては、種類の少なさでしょうか。専用技が割合多そうなイメージもあります。あとは、初期の頃のポケモンによくあった、能力値と覚える技の噛み合わない感じがほんの少し。

 次に、特性もあります。コロモンによっては、例えば四つの特性の中から一つが出る可能性があったりと、なにかと多様です。本家の隠れ特性・夢特性の代わりに、といった感じでしょうか?ちなみに、この特性の効果を強める方法がありますが、それは少し後ほど。

 一番思うところがあったのは、交代のシステムについて。
 ポケモンはデフォルトで、相手のポケモンを倒した後、ターンの消費なしで交代するかどうかの選択肢が出ます。
 しかし、コロモンはデフォルトで、倒しても交代はできません。必ずターンを消費して交代することになります。これが不便でして。このシステムがあるため、森は仲間のコロモンが倒される前提で、作戦を考える姿勢を取らざるを得なかったです。特に、タイタンとの戦闘の時。

 いや、回復アイテムを使ってもいいのですが、ターンの消費とアイテムの消費のダブルコストがコロモンではかなり痛かったのです。
 といいますのも、ポケモンと違って、レベルカーブがかなり急なんです。その結果、余裕を持った並の戦闘がほぼありません。野生のコロモンの方が早い場合も多いです。結果、回復してもすぐにまた低いHPに。ならば、後に託した方がコストが少なく済みます。

 更にいうと、タイタン戦。そう、忌々しきタイタン戦。レベルが高い上に、HPも並の数倍。タイタンによっては、ある一定量までHPが減ったら一回回復したり。途中で一回、控えのパーティーに大ダメージを入れたり。途中で一回ステータス向上効果を得たりとやりたい放題です。まあ、いわば第二形態ギミックですね。
 初見で倒すのは、ワタクシみたいな一般プレイヤーには難しいだろうな、と思います。まあ、ある程度物語を進めて回数を積めば、レベルの上がり具合やパターンの予測はできるかもしれませんね。完璧は無理でも、ある程度の作戦なら、きっと。

 あ、もちろん持ち物機能もあります。……でもほとんど本家と一緒なので、特筆することはとくにありませんね。次!


3. コロモンそのもの

 図鑑で見ると、コロモンは全部で114匹。初代ポケモンよりも少ないっ!?あと、ほとんどが必ず一度は進化する方向で行っているようです。「進化するのかな、どうかな」という楽しみがあるのは知っていますが、ここまでするとは。

 おそらくですが、前の箇所で挙げた特性の仕組みに関係しているのではないかと。
 まず、コロモンが進化条件を達成できた時の話を。本家のように、「おや、ポケモンのようすが?」という感じの文章とシーンが出てきます。そのあと、選択肢が現れます。「進化させるか、させないか」の二つです。

 普通だったら、強くさせるために進化させると思います。実際、進化させたら能力値が上がります。では、進化させなかった場合のメリットはあるのか。それが、特性の仕組みに繋がります。進化させなかった場合、特性が強化されるのです。

 ポケモンと少し交えながら例えます。
 あまごい、という技がありますよね。雨を降らせる効果があります。コロモン内でのあまごいは、通常時は三ターンほど雨が降り続けます。そして、あるコロモンは「雨が降る長さを五ターンに伸ばす」という特性があったりします。そのコロモンを進化できる時に、させなかった場合。この特性は「雨が降る長さを八ターンに伸ばす」という具合に強化されるのです。

 この独特のギミックを活かすため、どのコロモンも進化できるようにした方がいい。ということではないかと思いました。

 次に、デザインやスプライトについて。
 全部ピクセルアートで表現されています。更にはアニメーション付き。ポケモンで言うなれば、第五世代が一番雰囲気が近いかもしれません。でも、線が崩れることはあんまり無いような気がします。本家の五世代では、動く時にごちゃごちゃしちゃうことがありましたよね。それがあんまり感じられませんでした。良き。

 ただ、ちょこっとだけ凝りすぎたような気もしています。アートスタイルがそう見せているだけなのでしょうかね?
 ……ああ、例えるなら。ポケモンのシンプルさよりも、デジモンの細かさを感じられるデザインでした。うむ、この例えで納得できました。これはデジモン寄りなんだ。その良さがある。

 ちなみに、一番お気に入りのコロモンはMagmilusです。一番体力と火力が安定していたパーティーメンバーだからです。すごく頼りになりました。二段階しかないコロモンなのにと、不思議な気持ちです。詳しい能力値の割り当て方とか、種族値の有無がわからないからですね。調べまーす。
 戦闘外の個人的な評価といたしましては、「火属性のタコか、おもろ!」という感じです。あ、でも、後ろ姿と単眼がどこかクトゥルフっぽさを思わせます。そこは好きです。ここは単純に、遊んで見てもらえたらな、と思います。

 あと、色違いと個体値の仕組みについて。個体値の高さの段階に応じて、色違いが二種類あります。Normal、Potent、Perfectと名付けられています。今のところ、野生でのPerfectな個体は見たことありません。Potentなら何匹か捕まえられました。

 ポケモン界隈の二次創作で時々見かける、色違いを取り上げたお話。それらは、色違いによる仲間はずれをよく取り扱います。逆にコロモンの野生では、色が違うことが力の誇示となるのでしょうか。それとも、強すぎて逆に恐れられて、仲間はずれにされちゃうのでしょうか。上手な二次創作の作家様、ぜひコロモンを取り上げて広めていただきたいっ。


結論

 好みの設定・要素が詰め込まれていましたが、ストーリー面が少しあっさりしていて残念。ギミックは意識して工夫した感じがしたので、並の難易度でも挑戦し甲斐があって楽しかったです。

 コロモンのデザインは、ポケモンの形とデジモンの詳細を合わせた印象。ドット絵で表現されたアニメーションは豊かで滑らか。好きなコロモンが見つかるかも?

 久々に公式でもROMでもない、ポケモンスタイルのゲームを新しく遊べたので、個人的には大満足でした。最後に公式から新しく遊んだのは六世代のORASなので、かなり時間が経ってます。補正、ありそうです。

 ……果たして、これを読んでいただけて、遊んでみたいと思ってくださる方はいるのでしょうか。まあ、あくまでも個人的な体験を元にした散文ですゆえ。興味ある方は、あまり参考にはせず、ご自身の旅を探していただければ幸いです。

 最後までお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
 森のなんちゃってゲーム感想、もとい、ゲーム体験記でした。