![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/52789106/rectangle_large_type_2_62b51463bd141b194ee8d1ae0978e68f.jpg?width=1200)
独学!ソムリエ試験3ヶ月で合格への記録
私が去年の3月にソムリエ資格を受験し、
合格するまでの勉強法や、
実際に使用した教材、スケジュールなどを
ご紹介します。
参考になるかは分かりませんが、
誰かのお役に立てれば。
初めに
私はレストラン勤務でワインサービスの経験はありましたが、しっかりとワインに関する勉強をしてこなかったので、知識として大まかな品種を知っている程度。
そんな私でも初めてのソムリエ試験
勉強期間、丸3ヶ月程度で
一次(筆記)、
二次(テイスティング)、
三次(サービス実技)
ストレート合格することができました。
ただ、自身の体験からこれだけはお伝えしたいです。
ソムリエ試験の最大の難所は筆記の一次試験で間違いないと思います。<問題数120問、90分>
出題範囲がとにかく広く、暗記するだけでなく、しっかり理解していないと正解に辿り着けないと思い知らされました。
試験を受ける方はご存知だと思いますが、
一次試験は7月の末くらいから9月の頭まで。
約1ヶ月程設けられている試験期間中であれば、2回までは好きな日時に受験可能。
以下、ソムリエ試験概要
なので申し込みの時点で戦略を考えました。
: 2回目を試験の最終日あたりに設定する
これは出来るだけ長く勉強時間を
確保することが狙い
※1回目はそれよりも大体2週間ほど前の
8月半ば~後半辺りに
まず1度試験を受けてみて、
難易度や、問題の傾向を探れる可能性を考慮し、1回目で不合格でも対策を練り2回目まで死ぬ気でやる。
なるべくギリギリまで勉強しつつ、
2回目で方向転換出来る様に。
誰もが思いつく安易な戦略です。
しかし、それしかないと思いました。
知り合いのソムリエの方には
試験まで300時間以上は勉強しないと無理だと言われており、
3月の頭にソムリエ教本が届く予定。1日2時間、ほぼ毎日勉強したとして、試験日まで半年くらいあるので、
約360時間。
イケる!
大きな勘違いでした。
大まかなスケジュール
<3-5月>
届いたソムリエ教本の厚さを見て顔がひきつる。740ページ。百科辞典やん。
読んでみると前書き的なワイン概論や酒類概論はなんとなく理解できるが、各国のワイン総論、ワイン法等になってくると言葉が全然入って来ない。
特にフランス語、ドイツ語欧州圏。
自分だけの力ではあまりにも道のりは長いとすぐに認識し、協力者を探す。
たまに買いに行くワイン屋さんで、ソムリエ試験を受ける事にしたと伝えると、
本当に親身になってアドバイスを頂けた。
そこで教えて頂いた教本以外のテキスト購入。
1日2時間、早めに出社して誰もいない職場で勉強 (こういう環境作りは本当に大事)
3、4、5月はひたすらそのペースで週6で勉強アンド勉強。
6-7月
仕事が忙しくなりすぎて勉強時間の確保が出来ず、
休日に過去問と問題集を解くくらいで2ヶ月経過してしまう。
(こういう想定外の展開も人生にはつきもの)
焦りと疲労で頭がおかしくなりそうだった。
追い込みの時期なのに。。
勉強のペースは格段に落ちてしまっていたが、過去問の点は悪くなかったので、勉強の方法自体は悪くないと自分を奮い立たせる。
8月
仕事も落ち着き、1日5-6時間程の勉強で
脳みそをいじめ倒す。
新たな問題集を買い漁ってひたすら問題を解く事を重点的に勉強し続ける。
試験の前々日くらいには
過去問や模擬試験の正解率が9~9.5割くらいまで取れていたので自信をもって臨む
8/20
一次試験 1回目
D判定 「不合格」
試験中にすでに受からない事を悟る。
これまでのやり方では明らかに太刀打ち出来ないので、
当初考えていた通り、
出題の傾向と対策を考えて勉強方法を工夫する。
9/3
一次試験 2回目
台風で延期 (運も味方についた)
9/5
一次試験 2回目
B判定 「合格」
という流れでした。
こういう内容の記事を書いてますが、試験に受かる為とは言え、短期間での勉強は反復期間も短いので、試験後すぐに忘れてしまった箇所も少なくないです。
やはり自分の実力にするには、
半年〜1年程度
コツコツと、時間をかけて勉強するに越した事はないと思います。
結果的に自分は丸3ヶ月ほどしか時間が取れなかっただけで、
当初は半年くらいでのスケジュールを組んでいました。
短期間の勉強で合格を可能にしたポイント考察
>>自分に合う情報を集める
「何の教材で勉強するか」
「どんな勉強の仕方」
「受かる為に無駄を省く」
をネットや人伝て、何でも逐一情報を収集しました。
TwitterやSNS、各サイト、あとはフランスの地図をパズルのようにはめていくアプリも重宝しました。
合格された方の体験記や動画、替え歌で覚えるなどなど、沢山検索し、自分がいいと思うものだけを取捨選択しました。
>>一人で悩まず相談する人を見つける
私の場合は、いきつけのワインショップのオーナーさんでした。
分からない事を何でも気軽に質問でき、快く答えてくれる。積極的に知識を共有して頂けたのは本当に感謝です。
私が合格できたのも、
目福口福(沖縄のワインショップ)の浜田さんのおかげと言ってもいいくらいです。
その節は本当にお世話になりました。
>>自分の実力を知る
分からない事やただ暗記する事に時間をかけていては、膨大な出題範囲の中から合格ラインに達するまではそれなりの時間がかかってしまいます。
私の場合、ボルドーの格付けやブルゴーニュの等級はほぼ捨てたと言ってもいいくらい他のエリアに注力しました。
ただこれが誰にでも当てはまるとは全く思いません。自分の脳のキャパを知り、覚える事を他に回したというだけで、全部覚えられるのであればそれがベストです。
ボルドーやブルゴーニュの格付けやそのエリア関連からの出題はせいぜい4~5問。
5/120だとして、
配点は分かりませんが、最近の試験の傾向としてニューワールドや日本からの出題の方が問題数は多いと私自身はそういう舵取りをしました。
結果それが功を奏したとは思います。
実際、1回目の受験に落ちて2回目の試験までの残り2週間でこの方向性にシフトしました。
日本、オーストラリア、ドイツ、オーストリア、南アフリカ、ギリシャなどで点を稼げたと思います。
>>ノートを作らない
注意!あくまで私のやり方です。
ノートを作るとどうしても見やすく分かりやすくまとめようとしてしまい、
結局そっちに時間をかけてしまう。
なので自分は購入したテキストにそのまま罫線や要点を書き込みました。
時間の節約になったと思います。
>>ルールを作る
・組んだスケジュールやノルマを必ずこなす
勉強は1日3時間と決めて、どうしても2時間しかできない日は、翌日プラス1時間する。
・勉強する時間帯やルーティンを決める
自分の場合は朝2時間、復習と予習
寝る前に過去問や模擬試験を一通りのセット
一次試験対策に使用した教材
:日本ソムリエ協会 ソムリエ教本
:杉山明日香著 一次試験用対策講座
試験対策問題集
:あそんで学べるフランス地図アプリ
:田辺由美著 ワインノート
:ワインとグルメの資格と教室
:藤代浩之著 ソムリエ試験対策問題集1200問
:ワイン受験.com
ソムリエ教本
これは受験者ほぼ全員が1度は開くとは思いますが、読み込む人とそうでない人にはっきり分かれると思います。
自分は他教材で勉強をして、細かい情報を教本で補うというやり方をしました。
ある程度勉強が進んでからでないと、
読んでも内容が頭に入ってこなかったというのが大きな理由でした。
しかし日本ソムリエ協会の公式テキストなので試験の出題範囲は確実に教本の中からです!
抑えておくべき箇所は付箋を貼るなど一目でどこになにが記載されているなどの工夫はマストです。(本当に分厚いので、読み慣れていないと記載ページを見失う)
杉山明日香著 テキスト&問題集
ソムリエ受験者には1番人気であろうおすすめの書籍。
合格への知識、要点をかなり絞ってまとめられていて、地図や図解もとても分かり易いです。勉強に慣れるきっかけにさせて頂いた、自身には必読本でした。
ただ教本や他の教材に比べて省略している箇所もあるので、こちらで学んで教本や他教材で復習していかないと、試験で解けない問題も出てくるので注意。
あそんで学べるフランス地図アプリ
パズルのようにフランスの地図を組み合わせて覚えられる簡易アプリですが、全く地理感のなかった私はその名の通り、遊んで学べました。
地図も地域圏と県で別れており、頭にイメージし易かったです。
(iosはまだありました。アプリ→フランス地図
で検索で出てきます。)
田辺由美著 ワインノート(問題集)
杉山さんの本と教本で勉強しても、こちらで解けない問題が多く、著者によって出題の切り口や角度によって回答の仕方が異なってくる事を学び、とても理解が深まりました。
ワインとグルメの資格と教室 2017
こちらは過去5年分のソムリエ試験過去問題が掲載されていて、これをひたすら順番に解いて、過去の出題傾向を知り、なかでも毎年必ず出題されている問題を重点的に反復しました。
過去問を9割ぐらいまでの正解率に持っていき、問題集で新しい問題を解く。
ソムリエ試験は毎年テキストが改訂されるので、その年の勉強を必ずすること。
これをしないと時間のロスになる可能性が高いです。
藤代浩之著
ソムリエ試験対策問題集 1200問
言わずもがなの問題集。杉山さんの書籍と並んで支持を得ていると思います。
何と言ってもその問題の多さ。受験直前まで読み込んで自分を安心させていました。
出題の難易度も高く、こちらで解ければ他の問題集が簡単に思えるほど。
見開きで左側に問題、右側に回答という仕様も見易くてとても役に立ちました。
ワイン受験.com
ソムリエを受験されるかたで恐らく1番有名なサイトだと思います。
山崎和夫さんが運営されています。
無料だと利用できる範囲が限られていますが、年会費¥5000ほどで全ての教材を利用可能です。
テキストや問題集を広げて勉強できない時など、忘れないようにスマホで勉強できるのはかなり有難いです。
ですが、本番の試験とは問題の内容や傾向が異なっていたイメージでしたので、
私の個人的意見だと、再確認する意味での勉強に利用するのがオススメです。
以上を教材として利用させてもらいました。
あとは学んだ内容を忘れないようにとワインの事を話せる知人に突然試験問題を出したり、出されたりして、その場のシチュエーションに関連付けて覚えると言った工夫などもしていました。
余談、二次試験対策
まずは品種の特徴を分かりやすく造られている安いワインをひたすら飲みました。
Cono Sur (コノスル)
Alpaca (アルパカ)
(上記はお得な飲み比べセットですが、バラ売りもされています。)
などなどコンビニでも購入できる
これらのワインは品種の特徴を意識した造りをしていると思います。
お財布的にも有り難かったです。
家で飲む時は誰かに協力してもらい必ずブラインドで飲む。
次に、同じ品種の生産地域が違う場所のワインをブラインドで飲む。
そうやって自分の舌に僅かな違いを覚え込ませていきました。
必ず覚える品種
白ワイン
シャルドネ
ソーヴィニヨン・ブラン
リースリング
ゲビュルツ・トラミネール
赤ワイン
カベルネ・ソーヴィニヨン
メルロー
ピノ・ノワール
シラー/シラーズ
この辺りは生産地の違いも意識して味を認識できるようにしましょう。
他にも試験で解答すべき言い回し、絶対に選んではいけない香りの方向性があるという事も知るなど、二次試験でも情報収集や怠りませんでした。
例を挙げると、
テイスティングで最初の白ワインが明らかにソーヴィニヨンブラン、リースリングなどの軽やか系だった場合、外観は必ず「澄んだ」や「輝きのある」を選ぶ。「濁った」や「黄金色」を選ぶと減点になる。
今流行の自然派ワインでは濁ったSBやリースリングもありますが、ソムリエ試験ではそいいった引っかけ問題はゼロに近いはずです。
国際的な品種をどれだけしっかり理解しているかを測っている試験だと思います。
表現のすり合わせは試験という評価基準がありますから、ソムリエさんに特訓を受けたり、スクールや、ワインショップでの試飲をブラインドでお願いするなり、
出来ることは何でもしましょう。
時間と体力と気力、そして決して安くはない金額を投資して受験するわけですから、受かる為にできる事を優先的にやる。
三次試験(サービス実技)について
レストランやホテル勤務の方でしたら、備品なども揃えやすいし、講師になってくれる方もいるとは思います。
そうで無い方もしっかり要点を抑え、明るく大きな声で、横柄な態度にならず堂々と胸を張って実技を行うことが重要です。
二次試験後に、三次試験のソムリエ協会公認のお手本の動画の案内が来るので、それで私は家で妻を試験官役になってもらい繰り返し練習しました。
最後に
長々とお付き合い頂き有難うございます。
何はともあれ、一次試験の合格率が大体30%くらいと言われておりますので、まずは筆記試験に受かるために全力を尽くすべきと私は思います。
こんなに長文になってしまいましたが、私の実体験として藁にもすがる思いで色々なネットや書籍などを貪るように調べていた事を昨日の事のように思い出します。
その時に思った、色々な勉強法を紹介するサイトがあったらいいな。
それと、自分の経験が少しでも誰かのお役に立てればと思い書いてみました。
試験を受けるのはご自身なので、あくまで参考程度ですが、ご自分に合う勉強方法を見つけて全力で取り組めば必ず結果はついてくると思います!
私もあの時全力で頑張って良かったと心の底から思います。
絶対合格する!というポジティブなイメージを常に忘れず、頑張ってください!
最後までお付き合い頂き有難うございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?