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「よみきかせ」


1歳10カ月の三女。寝る前は、「よんでー」と絵本を枕元に積み上げていくようになった。絵本の山の上から1冊をもってきて、私のお腹の上に乗って一緒に絵本を読んでいる。

となりのトトロの上に乗っているめいちゃんのように。私の胸にほっぺたをぺたッとくっつけていっしょにページをめくる。

彼女のお気に入りは、わかやまけんさんの

「しろくまちゃんのホットケーキ」。

色合いが鮮やかで、ホットケーキが焼けていく様子の分かるページは、破れるくらいなんどもなんども読み返して、最後は「おしぃまい」と本をとじる。
時々私の方が寝落ちしてしまうと「おかあちゃんっ!」と大きな声で起こしてくる。

長女や次女が小さい時はそこまで本の虫ではなかったのだけど。
彼女は今、絵本の世界の言葉を楽しそうに拾っている。

おもしろい言葉に出会うと、飽きることなく繰り返し読んでは笑っているし、登場人物(動物)が泣いていると一緒になって「えーん、えん」と泣きまねをして感情表現も増えてきたように思う。

毎日慌ただしく過ぎていく中で、よみきかせの時間は、
そこだけゆったりとした時間が流れている。

物語の流れも言葉のリズムも。

絵と音で楽しみながら、文字と文字の間にある余白が

私たちの想像力を広げてくれる。

子どもと絵本を読んでいると
私自身も、温かい気持ちになれる。
今日一日のしめくくりの時間。
三女を胸にのせて、ほっとするぬくもりと共に記憶に刻まれていく。

よみきかせも、「やらなきゃ」と肩に力をいれても続かないもの。
だから、できる時にできるだけでいい。


子どもだって成長するのだから、
明日には「イヤ、読まない」っていうかもしれないし、
変化があって当然なんだ。

いつかはこの時間も終わる。
有限だからこそ愛おしい。


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