相変わらずプレゼン上手だね、と言われると思い出す出来事のこと

「相変わらずプレゼン上手だね」と実はよく言われる。
世の中にはもっとプレゼンの上手い人もいるし、何をもってプレゼン上手と言われるかはもうちょっと言語化していきたいし、もっと伝わる話ができるようになりたいのだけれど、1つだけ大事にしていることがある。それは、「目の前の方々の雰囲気を感じ取る」こと。もしかすると特になんでもないことかもしれないけれど「コツはなんですか?」と聞かれたらいつも答えるのはこれ。昨日会社のイベントでファシリテーターをしていて、改めてきっかけになった出来事を思い出したので書いてみる。

大学4年生の教育実習、中学生の家庭科の授業を担当していたときのこと。担当したのは「衛生」の授業。調理の前に手洗いするのはなぜ?お肉と野菜を切るときの包丁を分けるのはなぜ?などの理由を座学で教える授業。一通りの衛生の話を伝え、例えとして私が出したのはこの話。

マクドナルドでアルバイトをしていたときに、マクドナルドでは決まった時間に「手洗いする」というのが仕事の一環として設けられているんだよ、だからこうやってみんなに身近なところでも衛生を守るための努力があるんだよ。

1つのテーマを同じ学年の全クラス分担当するので同じ授業を合計4回やることになる。その授業の1回目を終え、指導教諭の先生から言われた。

生徒たちがマクドナルドの答えで「くっと惹きつけられていた」のに気づいたかな?この生徒たちがくっと惹きつけられる時間をいかに増やせるかが大事だよ。

1回目の授業、話すことに必死になっていて、わたしは生徒の様子をみる余裕はまったくなかった。でも、その「生徒がくっと惹きつけられる瞬間」を知りたくて、2回目の授業ではなるべく反応を見てみることにした。


すると、確かにマクドナルドの例えの時間に空気がかわって、生徒たちの興味関心が一心にわたしに集められている不思議な感覚を得た!!なんだろう?届いている感じ。

指導教諭の先生から、「この例えの良かったことは、授業のなんだか偉そうな、自分とは実は関係なさそうに聞いていた内容が、実は、自分たちの身近なところでも大事にされているんだ、という気づきになったことだよ」と教えていただいた。

さらに、指導教諭の先生はもう少し詳しく話してくれて、「どんなに歴の長い先生でも、頻繁に生徒をひきつける瞬間を作るのは簡単なことではなくて、常に改善と今の世の中、中学生の彼ら彼女らのことを知っておく必要があるんだよ」と。

この「相手がくっと惹きつけられている瞬間」、それは相手に自分の伝えたいことが伝わり、相手の興味関心と合致した瞬間だと思う。この瞬間を作るにはなるべく相手の興味関心と合致するような例えを準備する必要がある。何がウケるかはプレゼン本番にならないと本当のところはわからないから、事前に何度もこれって伝わるかな?と気になるので胃が痛い。。

そして、本番は答え合わせのように、なるべく目の前の人の反応を感じ取るようにしている。目の前の人の反応を感じ取ることですら、私には簡単ではなくて、プレゼン内容をほぼ完璧に暗記していないと、反応を見る余裕がなくなってしまうので、プレゼン前は中身をほぼ暗記。そして、プレゼンの間のとり方も事前にインプットして、大事なところ、飛ばすところもだいたい決めておく。

暗記して練習して、当日はもう全部忘れた気持ちで、あとはどうにでもなれ!という気持ちで話す。そうすると、もう考えなくても言葉はすんなり出てくるので、あとは参加者の方の反応を見ながら内容を増やしたり減らしたりすれば良い。これでやっと人の反応を見る余裕ができる。


大事なポイントだけ覚えておく人もいるけれど、私は内容をほぼ暗記する派。プレゼンって緊張するし、ほんとうに伝わるのか、目の前の人のためになるものがあるのか、毎回緊張するけれど、目の前の人に伝わって、なにか変化を促せたらやっぱり楽しい。プレゼンの原点は教育実習。あのときの先生に感謝です。

#日記 #ビジネス #プレゼン

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